消化管間質腫瘍(GIST)

執筆者:Anthony Villano, MD, Fox Chase Cancer Center
Reviewed ByMinhhuyen Nguyen, MD, Fox Chase Cancer Center, Temple University
レビュー/改訂 2023年 10月 | 修正済み 2023年 12月
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消化管間質腫瘍は,消化管壁の間葉系前駆細胞(カハールの間質細胞)に由来する消化管腫瘍である。診断は通常,内視鏡検査による。治療は外科的切除による。

消化管間質腫瘍(GIST)は軟部肉腫の一種として分類されており,消化管内から発生する肉腫の中で最も頻度の高いものである。全体として,非常にまれであり,米国では毎年約4000~6000例の新規症例が発生している(1)。

GISTは受容体型チロシンキナーゼの変異に起因する。大多数はC-KIT遺伝子の変異によって引き起こされるが,PDGFRA遺伝子の変異によって引き起こされるものもある(2)。他の腫瘍に対して以前に行われた腹部放射線療法に起因するものもある。残りのものは比較的まれな様々な変異によって引き起こされ,総じて野生型GISTと呼ばれている。

ある研究では,GISTの51%が胃に発生し,36%が小腸に,少数が食道,結腸,および直腸に発生していた(3)。発症時年齢の平均は50~60歳である。

GISTは遺伝性症候群の患者に発生することがある。最も頻度が高いのは以下の2つである:

GISTはしばしば増殖が遅いが,様々な悪性度を示す。特定のGISTの悪性度には,消化管内での発生部位,原発腫瘍の大きさ,および生検(または術中病理検査)での有糸分裂数が関係する。そのうち,胃の小さな腫瘍で有糸分裂数が低いものが最も予後良好である。2cm未満の腫瘍は悪性である可能性が非常に低く(2~5%),しばしば経過観察で管理される。

GISTの症状は部位により異なるが,出血,ディスペプシア,閉塞などがある。別の理由で行われた画像検査で偶然同定されることも多い。

総論の参考文献

  1. 1.Cancer.Net: Gastrointestinal Stromal Tumor—GIST: Statistics.Accessed August 1, 2023.

  2. 2.Heinrich MC, Corless CL, Duensing A, et al: PDGFRA activating mutations in gastrointestinal stromal tumors. Science 299(5607):708-710, 2003.doi: 10.1126/science.1079666

  3. 3.Tran T, Davila JA, El-Serag HB: The epidemiology of malignant gastrointestinal stromal tumors: An analysis of 1,458 cases from 1992 to 2000. Am J Gastroenterol 100(1):162–168, 2005.doi: 10.1111/j.1572-0241.2005.40709.x

GISTの診断

  • 内視鏡検査

GISTの診断は通常,内視鏡検査により,病期診断のために生検および超音波内視鏡検査を行う。

免疫組織化学検査でのCD117(C-KIT)およびDOG-1染色陽性は,GISTの診断にとって決定的な所見である。

診断が得られたら,全例で胸部,腹部,および骨盤CTを施行して病期を確定する必要がある。

GISTの治療

  • 外科的切除

GISTの治療は外科的切除による。転移例(肝転移が最も多い)も,肝障害の程度,腫瘍の大きさ,および外科的な切除可能性に応じて,手術適応となる可能性がある。

腫瘍がKITタンパク質のCD117について陽性であれば,チロシンキナーゼ阻害薬のイマチニブを使用でき,イマチニブは悪性GISTの切除不能例および転移例に効果的であり,また成人における切除後のアジュバント療法としても効果的である(1)。イマチニブはまた,切除可能境界型の腫瘍を縮小させて手術を可能ないし容易にする目的で,しばしば手術前に投与される。イマチニブ抵抗性の腫瘍には,スニチニブおよびレゴラフェニブを使用できる。

血小板由来増殖因子受容体α(PDGFRA)遺伝子のエクソン18変異(D842V変異を含む)を有する患者に対しては,別のチロシンキナーゼ阻害薬であるアバプリチニブ(avapritinib)を一次治療として使用すべきである。

治療に関する参考文献

  1. 1.Dematteo RP, Ballman KV, Antonescu CR, et al: Adjuvant imatinib mesylate after resection of localised, primary gastrointestinal stromal tumour: A randomised, double-blind, placebo-controlled trial.Lancet 373(9669):1097–1104, 2009.doi: 10.1016/S0140-6736(09)60500-6.Clarification and additional information.Lancet 374(9688):450, 2009.

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