高血圧緊急症に対する注射薬

薬剤

用量

主な有害作用*

特別な適応

クレビジピン(clevidipine)

1~21mg/時,静注

心房細動,発熱,不眠症,悪心,頭痛

大半の高血圧緊急症

急性心不全のある患者には慎重に使用すべきである

エナラプリラト(enalaprilat)

0.625~5mg,静注,6時間毎

高レニン状態における急激な血圧低下,様々な反応

急性左室不全

急性心筋梗塞患者では使用を控えるべきである

エスモロール

250~500μg/kg/分で1分間静注,その後50~100μg/kg/分で4分間;以上を繰り返してよい

低血圧,悪心

大動脈解離の周術期

フェノルドパム(fenoldopam)

0.1~0.3μg/kg/分,点滴静注;最大用量1.6μg/kg/分

頻拍,頭痛,悪心,紅潮,低カリウム血症,緑内障患者の眼圧上昇

大半の高血圧緊急症

心筋虚血のある患者には慎重に使用すべきである

ヒドララジン

10~40mg,静注,4~6時間毎

10~20mg,筋注,4~6時間毎

頻拍,紅潮,頭痛,嘔吐,狭心症の増悪

子癇

ラベタロール

20mgを2分間で急速静注し,その後10分毎に40mg,その後80mgを最大3回まで;または,0.5~2mg/分で点滴静注

嘔吐,頭皮のピリピリ感,喉の灼熱感,めまい,悪心,心ブロック,起立性低血圧

大半の高血圧緊急症,ただし急性左室不全は除く

喘息患者では使用を控えるべきである

ニカルジピン

5~15mg/時,静注

頻拍,頭痛,紅潮,局所静脈炎

大半の高血圧緊急症,ただし急性心不全は除く

心筋虚血のある患者には慎重に使用すべきである

ニトログリセリン

5~100μg/分,点滴静注†

頭痛,頻拍,悪心,嘔吐,不安,不穏状態,筋収縮,動悸,メトヘモグロビン血症,長期投与に伴う耐性

心筋虚血,心不全

ニトロプルシド

0.25~10μg/kg/分,点滴静注†(最高用量は10分間のみ)

悪心,嘔吐,興奮,筋攣縮,発汗,鳥肌(血圧低下が急激すぎる場合),チオシアン酸およびシアン化物の毒性

大半の高血圧緊急症

頭蓋内圧亢進または高窒素血症がみられる患者には慎重に使用すべきである

フェントラミン

1~15mgを急速静注した後,1~40mg/時で点滴静注

頻拍,紅潮,頭痛

褐色細胞腫の診断が未確定の場合を除き,まれにしか使用されない

* いずれの薬剤でも低血圧を来す可能性がある。

†特別なドラッグデリバリーシステム(例,ニトロプルシドの注入ポンプ,ニトログリセリンの非塩化ビニル製チューブ)が必要である。

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