献血の延期または拒否の理由*

理由

供血結果

備考

AIDS

拒否

HIV感染症の検査で陽性判定を受けたことがある個人を含む

HIV感染症に対する治療薬を使用したことがある個人を含む

HIV感染のリスクを高める活動†

延期

HIV感染を予防するための注射薬(すなわち長時間作用型抗ウイルス薬によるPrEPまたはPEP)を使用している場合は,最後の使用から2年間延期する

HIV感染を予防するための経口薬(すなわち抗ウイルス薬によるPrEPまたはPEP)を使用している場合は,最後の使用から3カ月間延期する

高リスクの活動を最後に行った日から3カ月間延期する該当する活動としては以下のものがある:

  • 処方によらない注射薬物の使用

  • 金銭または薬物を得る目的での性行為

  • 過去3カ月間に新しいセックスパートナーまたは複数のセックスパートナーと性行為を行い,かつ過去3カ月間に肛門性交を行った

  • HIV検査で陽性判定を受けたことがある個人との性的接触

  • 過去3カ月間に処方によらない注射薬物を使用した個人または過去3カ月間に金銭または薬物を得る目的で性行為を行った個人との性的接触

  • 経皮的な針の穿刺または自身の開放創もしくは粘膜への接触を介した別の個人の血液への接触

  • 梅毒または淋菌感染症の治療を完了した

  • 全血または血液成分の同種血輸血を受けている

貧血

延期

貧血が回復後に供血実施

喘息,重症

拒否

ウシインスリンの使用(変異型クロイツフェルト-ヤコブ病のリスクがあるため)

拒否

1980年以降にウシインスリンを使用したことがある人:供血不適格

血球を侵すがん(例,白血病, リンパ腫, 骨髄腫

拒否

その時点ではがんがない状態であっても,供血はできない

その他のがん(すなわち血球を侵さないがん)

延期

その時点ではがんがなく,12カ月以上前に治療を完了している場合は,供血ができることがある

治療可能な軽度のがん(例,小さな皮膚がん)で完全切除がなされている場合は,12カ月を待たずに供血可能となることがある

先天性出血性疾患

拒否

薬剤(一部)

延期

以下のように薬剤に応じた期間だけ延期する:

  • フィナステリド:最終投与後1カ月間延期

  • イソトレチノイン:最終投与後1カ月間延期

  • デュタステリド:最終投与後6カ月間延期

  • アシトレチン(acitretin):最終投与後3年間延期

  • エトレチナート:無期限に停止

心疾患,重症

拒否

心疾患がある場合は医学的に評価および治療する必要があり,また,過去6カ月以内に心臓関連の症状がみられていてはならない。

肝炎への曝露

延期

曝露した可能性がある日から12カ月間延期する

B型またはC型肝炎

拒否

B型もしくはC型肝炎と診断されたことがある場合,または,B型もしくはC型肝炎ウイルス陽性の検査結果が出たことがある場合は供血不適格

高血圧

延期

血圧がコントロールされるまで延期

マラリアまたはマラリアへの曝露

延期

マラリアの治療終了後またはマラリア流行地域での居住後は3年間,マラリア流行地域への来訪後は12カ月間延期する

変異型クロイツフェルト-ヤコブ病のリスクのある欧州の米軍基地に従事していた軍人

拒否

英国,ドイツ,ベルギー,オランダでは,1980年から1990年の間で6カ月以上従事

欧州のその他の地域では,1980年から1996年の間で6カ月以上従事

妊娠

延期

出産後6週間延期する

英国または欧州に滞在(変異型クロイツフェルト-ヤコブ病のリスクがある人)

拒否

英国で,1980年から1996年の間で3カ月を超える累積滞在

欧州(フランス以外)で,1980年以降に5年以上の累積滞在

フランスで,1980年以降に5年を超える累積滞在

輸血

延期

米国で行われた輸血後は3カ月間延期する

拒否

英国,フランス,またはアイルランドで1980年以降に何らかの血液製剤の投与を受けた個人

予防接種(一部)

延期

予防接種の内容に応じた期間だけ延期する:

  • 発熱のない無症状の供血者におけるトキソイドまたはウイルス,細菌,またはリケッチアの合成もしくは不活化ワクチン‡:延期の必要なし

  • 麻疹,ムンプス(流行性耳下腺炎),ポリオ(セービンワクチン),または腸チフス(経口)ワクチン§:2週間延期する

  • 風疹または水痘ワクチン§:4週間延期する

ジカウイルス感染症

延期

最近のジカウイルス感染に対して,米国のFDAは症状の消失または最後の陽性結果(いずれか遅い方)から120日間の延期を推奨している。

* American Red CrossのBlood Donor Eligibility FAQsのデータを含んでいる。

† 2023年5月のFDAガイダンス文書「Recommendations for Evaluating Donor Eligibility Using Individual Risk-Based Questions to Reduce the Risk of Human Immunodeficiency Virus Transmission by Blood and Blood Products」が反映されている。https://www.fda.gov/media/164829/download

‡ 具体的には,炭疽,コレラ,ジフテリア,A型肝炎,B型肝炎,インフルエンザ,ライム病,パラチフス,百日咳,ペスト,肺炎球菌多糖体,ポリオ(ソークワクチン),ロッキー山紅斑熱,破傷風,および腸チフスに対するワクチンが含まれる。

§ 他のウイルスまたは細菌の弱毒生ワクチンの接種者では,ワクチンの種類に応じて供血を2または4週間延期することがある。

FDA = 米国食品医薬品局(Food and Drug Administration);PEP = 曝露後予防;PrEP = 曝露前予防;UK = 英国。

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