新生児に対する主な注射用抗菌薬の推奨用量

投与間隔

抗菌薬

投与経路

1回用量

体重2000g以下

体重2000g超

備考

日齢

日齢

7日以内

8~28日

7日以内

8~28日

アミカシン( see table 新生児における主なアミノグリコシド系抗菌薬の推奨用量

アムホテリシンBデオキシコール酸製剤

静注

1mg/kg

24時間毎

24時間毎

24時間毎

24時間毎

5%または10%D/W(生理食塩水を使用してはならない)で希釈した後,患児の発熱および血行動態反応を評価するために試験用量0.1mg/kg(最大1mg)を1時間かけて静注し*,重篤な有害作用が認められなければ,試験投与と同日に治療量の投与(通常は0.25~1.5mg/kgを2~6時間かけて)を行ってもよい。

病状改善後は,治療完了までその用量で隔日投与する

カリウム値ならびに造血器および腎機能のモニタリングが必要である

アムホテリシンB脂質複合体

静注

5mg/kg

24時間毎

24時間毎

24時間毎

24時間毎

リポソーム化アムホテリシンB

静注

5mg/kg

24時間毎

24時間毎

24時間毎

24時間毎

アンピシリン

静注,筋注

50~75mg/kg

50mg/kg,12時間毎

75mg/kg,12時間毎

50mg/kg,8時間毎

50mg/kg,8時間毎

15~30分かけて点滴静注(10mg/kg/分以下)

GBS髄膜炎に対して

静注

75~100mg/kg

100mg/kg,8時間毎

75mg/kg,6時間毎

100mg/kg,8時間毎

75mg/kg,6時間毎

アジスロマイシン

静注

10mg/kg

24時間毎

24時間毎

24時間毎

24時間毎

クラミジア肺炎には,20mg/kg,24時間毎

セファゾリン‡

静注,筋注

25mg/kg

12時間毎

8時間毎†

12時間毎

8時間毎

データが限られている

第1の適応ではなく,敗血症または髄膜炎に対する初期治療としては使用しない

セフェピム

静注,筋注

30~50mg/kg

30mg/kg,12時間毎

30mg/kg,12時間毎

50mg/kg,12時間毎

50mg/kg,12時間毎

緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)感染症に使用してもよい(緑膿菌[P. aeruginosa]およびその他の重篤なグラム陰性菌感染症には50mg/kg,8時間毎の使用を考慮する)

ときに髄膜炎に使用されるが,通常は第2選択薬であり,常に推奨されるとは限らない

セフォタキシム

静注,筋注

50mg/kg

12時間毎

8時間毎†

12時間毎

8時間毎

しばしば,新生児髄膜炎に対する第1選択薬

セフォキシチン

静注,筋注

33~35mg/kg

35mg/kg,12時間毎

33mg/kg,8時間毎†

33mg/kg,8時間毎

33mg/kg,8時間毎

セフタジジム

静注,筋注

50mg/kg

12時間毎

8時間毎†

12時間毎

8時間毎

炎症を起こした髄膜への移行性が良好である

70~90%が未変化のまま尿中に排泄される

セフトリアキソン

静注,筋注

50mg/kg

24時間毎

24時間毎

データが限られている

ビリルビンのアルブミンからの解離により,偽胆石症の発生や,黄疸のある早産児ではビリルビン脳症のリスク増大につながる可能性がある

カルシウム含有溶液の点滴を受けているか,その予定がある新生児では禁忌である

髄膜炎に対する第2選択薬,生後1週以降(40~50mg/kg,12時間毎または80~100mg/kg,24時間毎)

セフロキシム

静注,筋注

50mg/kg

12時間毎

8時間毎†

12時間毎

8時間毎

フルコナゾール

治療として

静注

12mg/kg

24時間毎

24時間毎

24時間毎

24時間毎

25mg/kgの負荷投与に続き,24時間後に記載の用量で維持投与

予防として

静注

6mg/kg

週2回

週2回

週2回

週2回

ゲンタマイシン,トブラマイシン( see table 新生児における主なアミノグリコシド系抗菌薬の推奨用量

メロペネム

髄膜炎を対象とする場合

静注

40mg/kg

12時間毎

8時間毎§

8時間毎

8時間毎

敗血症,腹腔内感染症に対して§

静注

20~30mg/kg

20mg/kg,12時間毎

20mg/kg,8時間毎§

20mg/kg,8時間毎

30mg/kg,8時間毎

ナフシリン(nafcillin),オキサシリン

髄膜炎を対象とする場合

静注,筋注

50mg/kg

12時間毎

8時間毎†

8時間毎

6時間毎

血算および肝機能検査によるモニタリングが必要である

腎臓および肝臓の未熟性により排泄が不十分となりうるため,血清中に蓄積して,有害作用を引き起こす可能性がある

その他の疾患

静注,筋注

25mg/kg

12時間毎

8時間毎†

8時間毎

6時間毎

オキサシリン(ナフシリン[nafcillin],オキサシリンを参照)

ベンジルペニシリンベンザチン

筋注

50,000単位/kg

24時間毎

24時間毎

24時間毎

24時間毎

ベンジルペニシリン,結晶(水性)

先天梅毒,その他の適応に対して

静注

50,000単位/kg

12時間毎

8時間毎

12時間毎

8時間毎

GBS髄膜炎に対して

静注

100,000単位/kg

6時間毎

6時間毎

6時間毎

6時間毎

ベンジルペニシリン,プロカイン

筋注

50,000単位/kg

24時間毎

24時間毎

24時間毎

24時間毎

注意:無菌性膿瘍およびプロカイン毒性

ピペラシリン/タゾバクタム

静注(用量はピペラシリン成分に基づく)

80~100mg/kg

100mg/kg,8時間毎

80mg/kg,6時間毎║

80mg/kg,6時間毎

80mg/kg,6時間毎

リファンピシン

静注

10mg/kg

24時間毎

24時間毎

24時間毎

24時間毎

トブラマイシン( see table 新生児における主なアミノグリコシド系抗菌薬の推奨用量

バンコマイシン(

用量は在胎期間および血清クレアチニン値に基づく(

*アムホテリシンBの試験投与の必要性については議論がある。

†出生体重が1000g未満の場合は,生後7日以内の乳児に対する用量を生後14日まで採用する。

‡セファゾリンは血液脳関門を通過しない。

§生後7日以降ではなく,生後14日以降に用量を調整する。

║月経後胎齢(postmenstrual age)30週以降の場合。

GBS = B群レンサ球菌。

Adapted from Bradley JS, Nelson JD: Nelson's Pediatric Antimicrobial Therapy, ed.24.Itasca, American Academy of Pediatrics, 2018.

関連するトピック