性感染症でよくみられる性器病変の鑑別

所見

その他の特徴

原因*

孤発性の無痛性潰瘍

硬結,圧痛はないかあっても軽度

比較的圧痛を伴わないリンパ節腫脹

梅毒性下疳

発赤部に集簇する有痛性の小さな表在性潰瘍

ときに小水疱を伴う

鼠径リンパ節腫脹

単純ヘルペスウイルス感染症

浅い有痛性潰瘍

非硬結性,圧痛を伴う潰瘍,ギザギザした穿堀性の辺縁をもち,境界が赤く,大きさが様々でしばしば融合する

所属リンパ節腫脹

軟性下疳

小丘疹または潰瘍,しばしば症状を伴わないまたは気づかれない

重度の圧痛および有痛を伴うリンパ節腫脹,ときに末梢リンパ浮腫または皮膚への排膿を伴う

ときに発熱

鼠径リンパ肉芽腫

多数の浅い潰瘍

特徴的な性器外病変および皮下トンネル

表皮剥離を伴う疥癬

多数の浅い病変

目に見えるシラミ,または毛幹に付着した卵嚢(虫卵)

表皮剥離を伴うケジラミ症

隆起した結節が潰瘍化し,進行性に進展する

悪臭を伴うビロード状の顆粒状病変

鼠径リンパ節腫脹を伴わない

鼠径肉芽腫

* 潰瘍の原因としては,第2期梅毒の粘膜疹,びらん性亀頭炎,第3期梅毒のゴム腫性潰瘍,ベーチェット症候群,上皮腫,外傷などがある。

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