咽頭痛の主な感染性の原因および特徴

原因

一般的な特徴*

診断アプローチ†

ウイルス性扁桃咽頭炎

通常は鼻漏および/または咳嗽

咽頭および扁桃の発赤,ときに滲出液を伴う

ときに1つまたは2つの頸部リンパ節腫脹

ときに発熱なし,かつ/または軽度もしくは中等度の咽頭痛のみ

診察のみ

レンサ球菌咽頭炎

しばしば重度の咽頭痛および発熱

まれに鼻漏または咳嗽

滲出液を伴う咽頭および扁桃の著明な発赤

通常は圧痛を伴う頸部リンパ節腫脹

ときに迅速抗原検出検査(RADT)

ときに咽頭培養

伝染性単核球症

しばしば高熱および他の上気道感染症状を伴わない持続的な疲労

通常は青年または若年成人

滲出液を伴う咽頭および扁桃の著明な発赤

両側性の頸部リンパ節腫脹およびときに脾腫

異好抗体検査

ときにエプスタイン-バーウイルス特異抗体の測定

膿瘍(例,副咽頭間隙膿瘍)‡

重度の咽頭痛,開口障害,嚥下痛,およびときに流涎

特徴的な「熱いジャガイモが口に入っているような」声("hot potato" voice)

咽頭および扁桃の発赤

口蓋垂の偏位を伴う扁桃周囲の腫脹

穿刺吸引および培養

ときに造影CTまたはその他の画像検査

喉頭蓋炎

突然の重度の咽頭痛および嚥下痛

通常は2~6歳の小児に発生する

しばしば流涎,頻呼吸,吸気性喘鳴

ときに前のめりの姿勢(tripod position)(座位の前傾姿勢で,頸部を後傾し,下顎を前突させる)

咽頭や扁桃の発赤,滲出液,および腫脹がない

手術室での軟性ファイバースコープによる喉頭鏡検査

ときに頸部X線側面像

* 特徴には症状や医師の診察結果が含まれる。示されている特徴は典型的なものであるが,常に認められるとは限らない。

† 医師の診察は常に行うものであるが,検査なしで医師の診察だけで診断がつく可能性がある場合に限り,この列で言及している。

‡ これらの原因はまれである。

CT = コンピュータ断層撮影。

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