慢性*呼吸困難の主な原因

慢性*呼吸困難の主な原因

原因

示唆する所見

診断アプローチ†

肺由来の原因

間質性肺疾患

捻髪音,しばしば乾性咳嗽を伴う

ばち指

家族歴

胸部高分解能CT

肺機能検査

閉塞性肺疾患

大量の喫煙歴,樽状胸,不十分な空気の出入り

胸部X線

肺機能検査(初期評価時)

胸水

胸膜性胸痛,肺野の打診時の濁音および呼吸音減弱

ときにがん,心不全,関節リウマチ,全身性エリテマトーデス,または急性肺炎の病歴

胸部X線

しばしば胸部CTおよび胸腔穿刺

拘束性肺疾患

既知の職業曝露,または神経疾患もしくは胸壁の疾患がある患者における進行性の呼吸困難

胸部X線

肺機能検査(初期評価時)

心臓由来の原因

心不全

断続性ラ音,III音奔馬調律,および中枢または末梢の容量負荷を示唆する徴候(例,頸静脈怒張,末梢浮腫)

起座呼吸または発作性夜間呼吸困難

胸部X線

心エコー検査

肺高血圧症

大きなII音,傍胸骨拍動,頸静脈圧の上昇,三尖弁逆流で生じる雑音

心エコー検査

右心カテーテル検査

安定狭心症またはCAD

しばしば労作によって誘発される,腕または肩に放散することもしないこともある胸骨下の胸部圧迫感(特にCADの危険因子をもつ患者にみられる場合)

心電図検査

心臓負荷試験

ときに心臓カテーテル検査

その他の原因

貧血

通常の肺の診察およびパルスオキシメトリー

ときに流量の増加による収縮期心雑音

血算

身体的デコンディショニング

座位時間の長い生活習慣の患者における労作時のみの呼吸困難

臨床的評価

* 数週間から数年続いている慢性呼吸困難。これらの疾患の多くでは,呼吸困難がまず労作時に認められ,その後安静時の呼吸困難に進行する。

† 大半の患者でパルスオキシメトリーおよび,症状が明らかに既知の慢性疾患の軽度増悪である場合を除き,胸部X線を実施すべきである。

CAD = 冠動脈疾患。

* 数週間から数年続いている慢性呼吸困難。これらの疾患の多くでは,呼吸困難がまず労作時に認められ,その後安静時の呼吸困難に進行する。

† 大半の患者でパルスオキシメトリーおよび,症状が明らかに既知の慢性疾患の軽度増悪である場合を除き,胸部X線を実施すべきである。

CAD = 冠動脈疾患。

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