ナツシロギク

執筆者:Laura Shane-McWhorter, PharmD, University of Utah College of Pharmacy
レビュー/改訂 2023年 1月
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ナツシロギクは丈の低い多年草ハーブである。乾燥させた葉をカプセルやタブレット,液体の形で使用する。抗炎症作用および平滑筋に対する弛緩作用があるといわれ,その効能をもたらす成分はパルテノライドおよびグリコシドであると考えられている。

栄養補助食品の概要National Institutes of Health (NIH): Feverfewも参照のこと。)

効能

ナツシロギクは片頭痛の予防に効果的で,月経痛,喘息,および関節炎の軽減に有用であると言われている。in vitroでは血小板の凝集を阻害する(1)。

エビデンス

片頭痛に対するナツシロギクの効果に関する2015年のコクランレビュー(Cochrane Review)は,6つの試験(561例)を評価した。初期の5つの研究では結果にばらつきがみられたが,直近の研究はより規模が大きく安定しており,プラセボと比較して片頭痛の発作が1カ月当たり0.6回有意に減少したことが示された(2)。研究結果の違いは,製法および用量の違いを反映している可能性がある。慢性関節リウマチに対するナツシロギクの効果を評価したものはほとんどない。ある研究では,慢性関節リウマチに対してナツシロギクを経口投与することに明らかな便益はなかった(3)。

有害作用

口腔内潰瘍,接触皮膚炎,異味症,および軽度の消化管症状が起こることがある。摂取を突然中止すると片頭痛が悪化し,不安感および不眠症を引き起こすことがある。

出血の可能性があるため,ナツシロギクは手術の2週間前に中止すべきである。

ナツシロギクは,子宮を収縮させる可能性があるため,妊婦では禁忌である。ナツシロギクは,小児または授乳婦には推奨されない。

薬物相互作用

理論的には,ナツシロギクは他の片頭痛治療薬,非ステロイド系抗炎症薬(NSAID),抗血小板薬,またはワルファリンの投与を受けている患者には禁忌である。(栄養補助食品と薬物の間で起こりうる相互作用の表も参照のこと。)

参考文献

  1. 1.Groenewegen WA, Heptinstall S: A comparison of the effects of an extract of feverfew and parthenolide, a component of feverfew, on human platelet activity in-vitro.J Pharm Pharmacol 42:553-557, 1990.doi:10.1111/j.2042-7158.1990.tb07057.x

  2. 2.Wider B, Pittler MH, Ernst E: Feverfew for preventing migraine.Cochrane Database Syst Rev 4:CD002286, 2015.doi: 10.1002/14651858.CD002286.pub3

  3. 3.Pattrick M, Heptinstall S, Doherty M: Feverfew in rheumatoid arthritis: a double-blind, placebo-controlled study.Ann Rheum Dis 48:547-549, 1989.doi:10.1136/ard.48.7.547

より詳細な情報

有用となりうる英語の資料を以下に示す。ただし,本マニュアルはこの資料の内容について責任を負わないことに留意されたい。

  1. National Institutes of Health (NIH), National Center for Complementary and Integrative Health: General information on the use of feverfew as a dietary supplement

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