在宅ケア

執筆者:Debra Bakerjian, PhD, APRN, University of California Davis
Reviewed ByMichael R. Wasserman, MD, California Association of Long Term Care Medicine (CALTCM)
レビュー/改訂 修正済み 2024年 9月
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通常,在宅ケアは患者がモニタリング,薬剤の調節,ドレッシングの交換,および限定的な理学療法を必要とする場合に適応となる。在宅ケアが用いられることが多いのは以下の場合である:

  • 退院後(急性期後ケア),ただし特に高齢者の場合,入院は前提条件ではない

在宅ケアは以下の場合にも用いられる:

  • 毎年,長期間の入院を要する疾患がある患者(医学的に複雑なケア)

  • 医学的に安定している重度機能障害患者(長期ケア)

  • ときに,急性または慢性疾患の患者

  • ときに,死期に直面した患者(終末期ケア

在宅ケアは,長期ケアに対する需要を満たすため,ますます多く利用されるようになっている。在宅ケアは,介護施設への収容をかなりの割合で減少させ,訪問介護および専門的ケアのための訪問が適切に計画されれば,施設でのケアよりも安価である。

在宅ケアは組織によって提供されるが,その所有者,規模,所在,およびサービスにはばらつきがある。一部は認定組織である。組織は,認定を受けるには,州の認可要件および連邦のメディケア参加条件を満たさなければならない。こうした組織は,紹介医の指示の下に専門的看護を提供する。看護師は医師の監督の下にサービスを提供し,医師はケアの変更が必要であれば看護師と相談する。

患者が機能を維持し,予定通りに回復するために,在宅ケアには医療専門職間のコミュニケーションが必要である。患者または介護者は,状態の変化を看護師または医師に速やかに報告し,適切なモニタリングが行われるようにする必要がある。

在宅ケアは医療サービスと医療以外のサービスを提供することがある(の表を参照)。

表&コラム

高齢者ケアの概要も参照のこと。)

在宅ケアに対する償還

大半の患者は自宅にとどまることを希望するが,重篤で慢性的な疾患を伴う場合,フルタイムのケアを在宅で受けられる経済的余裕のある患者はほとんどいない。メディケアは自宅を離れられない患者の在宅ケアサービスにも適用されることがあるが,選択されているメディケアオプションに応じた特定の条件がある。一部の民間保険会社は,自宅から外出できる患者の在宅ケアサービス(例,点滴サービス)の費用を負担することがある。

医師は,第三者が償還を行う患者ケアの場合は,医師が在宅ケアが必要であることを証明しなければならず,メディケアの場合は,患者がメディケアの在宅ケア要件に適合することを証明しなければならない。メディケアは,どのようなサービスが償還対象となるかについて,在宅ケア組織が患者に伝えるよう求めている。提供される在宅ケアサービスは,患者がメディケアに加入したときに正看護師(registered nurse)または療法士が実施する詳細な評価(Outcome and Assessment Information Set[OASIS])に基づいて決まる。第三者支払い機関は費用を抑制するため,個人的サービスをますます制限している。在宅ケア組織は,メディケア,メディケイド,または民間保険会社から直接償還を受ける。

入院治療の代替となる在宅ケア

ここ数年で,患者を入院させるかわりに在宅で管理する新しい医療提供モデルがいくつか開発されている(1-3)。これらのモデルの全体的な目標は,より質の高いケアと管理を提供することによって,高齢者が病院や高度介護施設に入る必要がなくなり,高齢者の地域居住(aging in place)が促進されることである。全体として,これらは従来の在宅医療サービスを含む在宅および地域ベースのサービスとして知られているが,他のモデルも含まれるように拡充されており,その一部は実証プロジェクトとして開始されている。

自宅での自立(Independence at Home:IAH)は,メディケア・メディケイドサービスセンター(Center for Medicare and Medicaid Services:CMS)が主導する実証プロジェクトである。このモデルは2012年に開始され,複数回更新されてきた。このモデルでは,家から出られないフレイルの高齢者が自宅で医師または高度実践医療従事者(例,ナースプラクティショナー,医師助手)のサービスを受ける。このモデルの目標は,患者が入院することなく,自宅で生活できるようにすることである。このケアモデルの対象となるには,患者が自宅から出られない状態であり,かつ2つ以上の慢性疾患を有している必要がある。IAHモデルにより入院回数が減り,満足度も高く,患者に有益な効果がみられた(Centers for Disease Control and Prevention: Evaluation of the Independence at Home Demonstrationを参照)。

CMSによって採用されたHospital at Home(HAH:在宅入院)モデルは,病院と同等のケアを患者の自宅で提供することを可能にする。参加患者の大半が急性疾患の高齢者である。このモデルの目標は,患者の入院日数を減らし,病院のコストを削減し,患者満足度を向上させ,アウトカムを改善することである。ほとんどの場合,これらの患者は一般的に安定しているが,医師または高度実践医療従事者による毎日の訪問および病状の毎日のモニタリングなど,病院と同等の専門的ケアを長期間必要とする。このモデルの有益性には,罹病率の低下,鎮静薬によるせん妄の減少,拘束の使用の減少,および介護者の高い満足度などがある(4, 5)。

2020年にCMSは,COVID-19パンデミック中に病院が患者の自宅でケアを提供する際の柔軟性を拡大するため,Acute Hospital Care at Home(AHCAH)イニシアチブを開始した。このプログラムに先行してHospital Without Wallsが実施され,これはより広範に適用された。これらのイニシアチブはいずれも,特定の基準を満たす患者に対して,24時間体制の正看護師(registered nurse)によるケアおよび正看護師による即時対応の要件を一時的に免除するものであった。COVID-19のパンデミックは終息したが,AHCAHイニシアチブは2024年12月31日まで延長され,その後も継続される可能性がある。参加病院は,患者データと安全性モニタリングデータをCMSに提出しなければならない。

CMSが開発した緊急トリアージ,治療,搬送(Emergency Triage, Treat, and Transport (ET3))モデルにより,救急隊は患者がどこで治療を受けるべきかをより柔軟に決定することができる。救急隊は,患者を病院の救急部門に搬送する代わりに,しばしば高度実践医療従事者(advanced practice provider:APP)と相談しながら,患者を緊急医療センターもしくは診療所に搬送するか,または救急車に搭乗しているか遠隔医療でアクセス可能な状態のAPPの助けを借りて患者の自宅でのケアを進めることができる。

参考文献

  1. 1.Wolff-Baker D, Ordona RB: The Expanding Role of Nurse Practitioners in Home-Based Primary Care: Opportunities and Challenges. J Gerontol Nurs 2019;45(6):9-14.doi:10.3928/00989134-20190422-01

  2. 2.Maniaci MJ, Torres-Guzman RA, Garcia JP, et al: Overall patient experience with a virtual hybrid hospital at home program. SAGE Open Med.2022;10:20503121221092589.Published 2022 Apr 22.doi:10.1177/20503121221092589

  3. 3.McElroy V, Ordona R. & Bakerjian D: Post-Acute Transitional Services: Safety in Home-Based Care Programs.AHRQ PSNet.Published April 27, 2022.Accessed July 3, 2024.

  4. 4.Kanagala SG, Gupta V, Kumawat S, Anamika F, McGillen B, Jain R: Hospital at home: emergence of a high-value model of care delivery.Egypt J Intern Med.2023;35(1):21.doi: 10.1186/s43162-023-00206-3.Epub 2023 Mar 17.PMID: 36969500; PMCID: PMC10023005.

  5. 5.Shepperd S, Doll H, Angus RM, et al: Avoiding hospital admission through provision of hospital care at home: a systematic review and meta-analysis of individual patient data.CMAJ.2009 Jan 20;180(2):175-82.doi: 10.1503/cmaj.081491.PMID: 19153394; PMCID: PMC2621299.

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