アジア条虫(Taenia asiatica)感染症

執筆者:Chelsea Marie, PhD, University of Virginia;
William A. Petri, Jr, MD, PhD, University of Virginia School of Medicine
Reviewed ByChristina A. Muzny, MD, MSPH, Division of Infectious Diseases, University of Alabama at Birmingham
レビュー/改訂 修正済み 2023年 11月
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アジア条虫(Taenia asiatica)による感染症は,アジアに限局してみられる。無鉤条虫(T. saginata)による感染症と非常によく似ているが,主な病原体保有生物はウシではなくブタである。

アジア条虫(T. asiatica)の成虫の形態と引き起こす腸管感染症の臨床像,診断,および管理は,無鉤条虫(T. saginata )(ウシ条虫[beef tapeworm])のそれと似ているが,牛肉ではなく豚肉を摂取することで感染する。アジア条虫(T. asiatica)の成虫の大きさは4~8mである。

アジア条虫(T. asiatica)による感染症は,アジアに限局してみられ,大半が中国,インドネシア,タイ,韓国,インド,および周辺国で発生している(1)。

アジア条虫(T. asiatica)の中間宿主はブタである。ヒトへの感染は,生または加熱調理不十分な豚肉中の嚢虫(幼虫)を摂取することにより生じる。摂取された嚢虫は,ヒトの小腸内で成虫まで成熟する。

アジア条虫(T. asiatica)がヒトに嚢虫症を引き起こすかどうかは不明である。嚢虫症は幼虫による感染症であり,ヒトの便中に排泄された虫卵の摂取後に発生する。

参考文献

  1. 1.Ale A, Victor B, Praet N, et al: Epidemiology and genetic diversity of Taenia asiatica: a systematic review. Parasit Vectors 7:45, 2014.Published 2014 Jan 22.doi:10.1186/1756-3305-7-45

アジア条虫感染症の症状と徴候

アジア条虫(T. asiatica)は腸管感染症を引き起こす。アジア条虫(T. asiatica)の成虫に感染したヒトは,無症状のこともあれば,軽度の消化管症状がみられることもある。便中に片節(条虫の体節)を認めることがある。

アジア条虫感染症の診断

  • 便の鏡検による虫卵および片節の確認

便中に片節および虫卵がないか確認すべきであり,虫卵はセロファンテープ肛囲検査法でも検出されることがある。アジア条虫(T. asiatica)の虫卵は,形態的に無鉤条虫(T. saginata)や有鉤条虫(T. solium)の虫卵と区別できない。寄生虫DNAの分子生物学的検査を行えば,アジア条虫(T. asiatica)を無鉤条虫(T. saginata)と鑑別することができる。

アジア条虫感染症の治療

  • プラジカンテル

  • あるいは,ニクロサミド(niclosamide)(米国外)

アジア条虫(T. asiatica)感染症の治療はプラジカンテルによるが,米国外ではニクロサミド(niclosamide)も使用できる。

治癒を確認するため,治療後1および3カ月時に便を再検査して条虫の卵の有無を確認すべきである。

アジア条虫感染症の予防

塊肉は最も厚い部分に調理用温度計を置いて温度を測定し,63℃(145°F)以上まで加熱調理して,切分けまたは摂取の前に3分間放置することで,アジア条虫(T. asiatica)の感染を予防することができる。ひき肉は71℃(160°F)以上まで加熱調理すべきである。ひき肉には放置時間は必要ない。

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