水痘(水疱瘡)と帯状疱疹は,水痘帯状疱疹ウイルスにより引き起こされる疾患で,水痘はこのウイルスによる感染症の急性侵襲期であり,帯状疱疹は潜伏期からの再活性化を意味する。水痘ワクチンに関する情報については,水痘ワクチンを参照のこと。
(予防接種の概要も参照のこと。)
帯状疱疹ワクチンの製剤
米国で使用できる帯状疱疹ワクチンは組換えワクチンである。
帯状疱疹ワクチンの適応
帯状疱疹ワクチンは,成人に対するルーチンの予防接種に組み込まれている(1)。帯状疱疹ワクチンの適応としては以下のものがある:
帯状疱疹の発症歴やかつて使用可能であった弱毒生帯状疱疹ワクチンの接種歴を問わず,50歳以上の成人
疾患または治療のために免疫不全または免疫抑制状態にあるか,今後そうなると予想される19歳以上の成人
帯状疱疹ワクチンの接種には,過去の水痘感染を示す血清学的所見は必要とされない。ただし,血清学的所見が認められ,水痘感染の既往がないことが示された場合は,医療従事者は水痘ワクチンの接種に関するACIPのガイドラインに従うべきである。組換え帯状疱疹ワクチンには水痘予防の適応はなく,水痘の既往がない個人への使用に関するデータは限られている。
適応に関する参考文献
1.CDC.Adult Immunization Schedule by Age.May 2025.
帯状疱疹ワクチンの禁忌および注意事項
組換え帯状疱疹ワクチンの主な禁忌は以下通りである:
過去の接種後またはワクチン成分に対する重度のアレルギー反応(例,アナフィラキシー)の既往
組換え帯状疱疹ワクチンの主な注意事項としては以下のものがある:
発熱の有無を問わず,中等症または重症の急性疾患(軽快するまで接種を延期する)
発生中の帯状疱疹
組換えワクチンの臨床試験では,妊娠中または授乳中の女性が除外された。現在のところ,組換え帯状疱疹ワクチンの妊娠中の使用に関するCDCの推奨は存在しない;したがって,妊娠および授乳が終わるまで組換えワクチンの接種を遅らせることを考慮すべきである。
帯状疱疹ワクチンの用量および用法
組換え帯状疱疹ワクチンは,2~6カ月の間隔を空けて計2回(各0.5mL)筋肉内に接種する。組換え帯状疱疹ワクチンは,帯状疱疹の既往や弱毒生帯状疱疹ワクチンの接種歴にかかわらず,2回接種する必要がある。
帯状疱疹ワクチンは,免疫抑制療法を開始する14日以上前に接種すべきであるが,可能であれば,帯状疱疹ワクチン接種後1カ月間は免疫抑制療法の開始を延期するのが望ましいと考える専門家もいる。
帯状疱疹ワクチンの有害作用
組換え帯状疱疹ワクチンの頻度の高い有害作用としては,注射部位の疼痛,紅斑,および腫脹や筋肉痛,疲労感,頭痛,シバリング,発熱,消化管症状などがある。
組換えワクチンの有害作用に関する詳細については,(prescribing information)を参照のこと。
より詳細な情報
有用となりうる英語の資料を以下に示す。ただし,本マニュアルはこれらの資料の内容について責任を負わないことに留意されたい。
Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP): ACIP Recommendations: Zoster (Shingles) Vaccine
Centers for Disease Control and Prevention (CDC): Shingles (Herpes Zoster)
European Centre for Disease Prevention and Control (ECDC): Herpes Zoster: Recommended vaccinations



