致死性不眠症

(致死性家族性不眠症;孤発性致死性不眠症)

執筆者:Brian Appleby, MD, Case Western Reserve University
Reviewed ByMichael C. Levin, MD, College of Medicine, University of Saskatchewan
レビュー/改訂 修正済み 2024年 7月
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致死性不眠症(致死性家族性不眠症と孤発性致死性不眠症が含まれる)は,睡眠困難と運動機能不全を引き起こして死に至る,遺伝性または孤発性のまれなプリオン病である。

プリオン病の概要も参照のこと。)

致死性家族性不眠症(FFI)は,PRNP遺伝子の常染色体顕性(優性)変異によって生じる(1)。平均発症年齢は40歳である(範囲は20歳代後半から70歳代前半まで)。期待余命は7~73カ月である。FFIの初期症状としては,入眠困難と睡眠維持困難のほか,認知機能低下,運動失調,精神症状などがある。後期には交感神経系の過活動(例,高血圧,頻脈,高体温,発汗)が起こることもある。

孤発性致死性不眠症(sFI)では,PRNP遺伝子の変異がみられない。平均発症年齢はFFIより若干高く,期待余命はFFIより若干長い。初期症状としては,認知機能の低下や運動失調などがある。睡眠の異常は,訴えとしては多くないものの,通常は睡眠検査の際に異常を観察できる。

急速に進行する認知障害に加えて,行動または気分の変化,運動失調,および睡眠障害がみられる患者では,可能性の低い候補として致死性不眠症を考慮すべきである。FFIまたはsFIが疑われる場合は,睡眠ポリグラフによる睡眠検査(睡眠構築の完全な崩壊を検索する),FDG-PETもしくはSPECTによる脳の画像検査(特徴的な視床単独の代謝低下を検索する),または睡眠検査と画像検査の両方を速やかに行うべきである(1)。遺伝子検査により家族性の病型の診断を確定できる。MRIと髄液中の14-3-3タンパク質およびタウタンパク質の測定は有用でない。FIではRT-QuIC法による髄液検査は一般的に陰性となる。

致死性不眠症の治療は支持療法のみである。

参考文献

  1. 1.Cracco L, Appleby BS, Gambetti P: Fatal familial insomnia and sporadic fatal insomnia.Handb Clin Neurol 153:271-299, 2018.doi: 10.1016/B978-0-444-63945-5.00015-5

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