前立腺膿瘍

執筆者:Lori Lerner, MD, Boston University School of Medicine
Reviewed ByLeonard G. Gomella, MD, Sidney Kimmel Medical College at Thomas Jefferson University
レビュー/改訂 修正済み 2025年 2月
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前立腺膿瘍は,急性細菌性前立腺炎の合併症として局所的に膿が貯留する病態である。

起因菌は通常,好気性のグラム陰性桿菌か,比較的頻度は低いが黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)である。

小線源治療(放射線シードの留置)を含む放射線療法による治療を受けたことがある前立腺癌患者は,膿瘍形成のリスクが若干高まっている可能性がある。ナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬の広範な使用が尿路感染症および性器感染症のリスクを高めることが示されており,前立腺膿瘍のリスクも増大する可能性がある(1)。

参考文献

  1. 1.Liu J, Li L, Li S, et al.Effects of SGLT2 inhibitors on UTIs and genital infections in type 2 diabetes mellitus: a systematic review and meta-analysis. Sci Rep 2017;7(1):2824.doi:10.1038/s41598-017-02733-w

前立腺膿瘍の症状

一般的な症状は尿路感染症のそれと類似することがあり,具体的な以下のものがある:

  • 頻尿

  • 排尿困難

  • 尿閉

  • 会陰部の圧迫感または会陰部痛

急性精巣上体炎の所見,血尿,および膿性尿道分泌物は,あまりみられない。ときに発熱がみられる。

直腸診で前立腺の圧痛および波動を認めることがあるが,前立腺腫大が唯一の異常であることも多く,ときに前立腺は正常に感じられることもある。

前立腺膿瘍の診断

  • 前立腺超音波検査および場合により膀胱鏡検査

抗菌薬療法にもかかわらず会陰部痛が持続し,持続性または再発性尿路感染症を呈する患者では膿瘍を疑う。これらの患者には前立腺超音波検査と場合により膀胱鏡検査を施行すべきである。

しかしながら,膿瘍の多くは他の理由によるCT撮像中,前立腺の手術中,または内視鏡検査中に偶然発見され,側葉部の前立腺部尿道へのふくらみ,または器具操作中の破裂によって膿瘍が明らかにされる。膿尿および細菌尿がよくみられるが,尿検査所見は正常のこともある。血液培養が陽性となる患者もいる。

前立腺膿瘍の治療

  • 抗菌薬

  • ドレナージ

治療としては,適切な抗菌薬の投与に加えて,経尿道的排膿または会陰部切開による吸引および排膿を行う。培養結果を待たずに,前立腺への組織浸透性が高いフルオロキノロン系薬剤(例,シプロフロキサシン)で経験的抗菌薬療法を開始する。

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