マラリア

レビュー/改訂 修正済み 2025年 8月
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マラリアとは何ですか?

マラリアは、マラリア原虫(Plasmodium)という、顕微鏡でしか見えない小さな寄生虫が引き起こす感染症です。原虫は寄生虫の一種です。

  • マラリアは、蚊によって広がります。

  • 毎年、世界中で何百万人もの人がマラリアにかかっています。

  • 2023年には50万人以上がマラリアで死亡し、そのほとんどが5歳未満の小児でした。

  • マラリアは典型的に発熱、頭痛、悪寒を引き起こします。

  • 血液検査と、顕微鏡により血液サンプルを調べることで診断が下されます。

  • マラリアを治療する薬はいくつかありますが、マラリア寄生虫がそうした薬にたえるようになってきています。

マラリアは主に以下の地域で発生します。

  • 南米(アルゼンチン北部を含む)

  • 中米

  • アフリカ

  • インドや他の南アジアの地域

  • 中東(トルコ、シリア、イラン、イラクを含む)

  • 東南アジア

  • 北朝鮮と韓国

  • メキシコ

  • ハイチ

  • ドミニカ共和国

  • 中央アジア

マラリアの原因は何ですか?

人にマラリアを引き起こすマラリア原虫(Plasmodium)は5種類あります。

  • 蚊が感染者を刺すと、蚊が寄生虫に感染することがあります。

  • その蚊がほかの人を刺すと、その人も感染してしまいます。

マラリア原虫はまず、肝臓まで移動し、そこで成長して増えます。その後、血液に入り、赤血球の中でさらに増えます。

  • やがて、赤血球が破れ、中にいた寄生虫があふれ出て、さらに多くの赤血球に感染します。

  • たくさんの赤血球が壊されると、血液中の細胞が足りなくなること(貧血)があります。

マラリアにはどのような症状がありますか?

感染した蚊に刺されてから数日間、または数年間にもわたり症状が現れないこともあります。その後、以下の症状が現れます。

  • 高熱

  • 寒気と強い震え

  • 頭痛、筋肉痛、体調が非常に悪くなる

  • 極度の疲れ

発熱と悪寒が数日ごとに現れては消えるのを繰り返します。感染症が継続する間、以下の症状が現れる可能性があります。

  • 貧血

  • 目と皮膚が黄色くなる(黄疸

  • 脾臓と肝臓の腫れ

妊娠している場合、マラリアにかかると体調が非常に悪くなることがあります。マラリアは、予定よりも出産を早めたり(早産)、妊娠初期の胎児の死亡(流産)や妊娠中期での死亡(死産)を引き起こしたりする可能性があります。新生児の出生体重が低くなったり、マラリアに感染して生まれたりする可能性があります。

最も危険な型のマラリアは熱帯熱マラリアと呼ばれるものです。熱帯熱マラリアは、感染した赤血球が小さな血管を詰まらせるため、臓器を損傷する可能性があり、特に危険です。この詰まりによって、脳、腎臓、肺、消化管やその他の臓器に損傷を与える可能性があります。他の型のマラリアではこれは起こりません。

熱帯熱マラリアでは、損傷した臓器によって、ほかの症状も現れます。

  • 脳:けいれん発作、錯乱、昏睡、死亡

  • 肺:呼吸困難

  • 腎臓:暗色尿、腎不全

  • 消化管:下痢

  • ホルモン:血液中の糖分が少なくなる(低血糖

医師はどのようにして、マラリアかどうかを判断しますか?

医師は以下のことを行います。

  • 迅速血液検査

  • 血液サンプルを顕微鏡で調べる

迅速検査には約20分かかります。この検査では、血液と特定の化学物質のサンプルを採取し、それを特別な試験カードに垂らします。マラリアに感染している場合は、カードに特定の帯が表示されます。

医師はほかにも血液を取って、顕微鏡で調べます。顕微鏡を使用すると、血液中の寄生虫を観察することができます。

可能な場合は両方の検査を行います。

医師はマラリアをどのように治療しますか?

マラリアの治療薬は、どの種の寄生虫に感染したか、感染した場所によって変えます。世界の一部の地域では、マラリア原虫は多くの薬に対して耐性をもっています。「耐性」とは、通常は寄生虫を殺傷したり弱めたりすることができるはずの薬を使用しても、寄生虫が死滅したり弱くなったりしないことを意味します。

マラリアの流行地域では、現地の薬局で販売されているマラリア薬が偽薬(偽造薬)である場合もあります。人里離れた高リスク地域に旅行する人には、医師が感染に備えてマラリアの薬を持参させることがあります。 

マラリアはどうすれば予防できますか?

世界保健機関(WHO)は、マラリアの流行地域や熱帯熱マラリアの伝播が中等度から高度の地域に住む小児にマラリアワクチンを広く使用することを推奨しています。

マラリアが流行している地域に行く、またはそこに居住している場合は、以下を行うことが必要になります。

  • 蚊に刺されないようにする

  • マラリア原虫を殺す予防薬を服用する

蚊に刺されないようにするには、以下の方法があります。

  • 屋内や屋外に殺虫剤を撒く

  • 扉や窓に網戸を設置する

  • ペルメトリンという殺虫剤がコーティングされた蚊帳の中で寝る

  • DEET(ジエチルトルアミド)という成分が入った蚊よけの薬をぬる

  • 長ズボンと長そでのシャツを着る(特に夕暮れから夜明けまでの間)

  • たくさんの蚊にさらされるときは、ペルメトリンでコーティングされた衣服を着用し、ギア(ブーツ、ズボン、靴下、テントなど)を使用します。

また、蚊が繁殖しやすい場所である滞水(古いタイヤ、花の植木鉢、水たまりなど)を取り除くこともできます。

マラリアを予防するための薬を服用することができます。いくつかの薬が利用できます。医師は、旅行先や健康状態に適した薬をアドバイスしてくれます。薬の服用は旅行前に開始する必要があります。

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