腸重積ちょうじゅうせき

腸ちょうはホースのような管くだです。腸重積ちょうじゅうせきでは、腸ちょうの一部分いちぶぶんが別べつの部分ぶぶんの中なかに突然とつぜんすべりこんでしまいます。すべりこんで腸ちょうをふさぎ、血液けつえきの流ながれを止とめてしまいます。

腸重積ちょうじゅうせきはふつう、生後せいご6カ月げつから3才さいの子こどもに起おこります。

• ほとんどの場合ばあい、医師いしには腸重積ちょうじゅうせきの原因げんいんが分わかりません。

• お子こさんに、腹部ふくぶの痛いたみや嘔吐おうとが突然とつぜん現あらわれ、それから同おなじ症状しょうじょうが15～20分ぷんほど続つづいて治おさまるのを何回なんかいかくり返かえした後あと、正常せいじょうな状態じょうたいにもどることがあります。

• その後あとに、お子こさんの便べんに血ちが混まじることがあります。

• 医師いしは空気くうきを腸ちょうに注入ちゅうにゅうして、それにより腸重積ちょうじゅうせきがないか調しらべ、もしあれば、これが治療ちりょうになります。

• 子こどもに手術しゅじゅつが必要ひつようになることもあります。

• 治療ちりょうしなくても、腸ちょうが正常せいじょうな状態じょうたいにもどることもあります。

腸重積ちょうじゅうせきが正常せいじょうな状態じょうたいにもどらず、血液けつえきの流ながれが数時間すうじかん以上いじょうさえぎられると、腸ちょうの一部いちぶが死しんで、小ちいさな穴あなができることがあります。この穴あなから細菌さいきんが腹部ふくぶの中なかに入はいり、深刻しんこくな感染症かんせんしょうを引ひき起おこすことがあります。

腸重積ちょうじゅうせきとは

スライドさせてのばす望遠鏡ぼうえんきょうのように、腸ちょうの一部いちぶが別べつの部分ぶぶんの中なかにすべりこみます。その結果けっか、腸ちょうがふさがります。

年少ねんしょうの子こどもの腸重積ちょうじゅうせきの原因げんいんは医師いしたちにも分わかっていませんが、腸重積ちょうじゅうせきは生後せいご6カ月げつから3才さいの子こどもで腸ちょうがふさがる原因げんいんとして最もっとも多おおいものです。

年長ねんちょうの子こどもに腸重積ちょうじゅうせきが起おきた場合ばあい、ふつうはポリープ（小ちいさなできもの）や腫瘍しゅようなどの腸ちょうの異常いじょうが原因げんいんです。

嚢胞性線維症のうほうせいせんいしょうがある子こどもは、腸重積ちょうじゅうせきになりやすいです。

次つぎのような症状しょうじょうがあります：

• それ以外いがいは健康けんこうそうな子こどもの急きゅうな腹部ふくぶの痛いたみ

• 嘔吐おうと

痛いたみや嘔吐おうとが15～20分ぷん続つづき、消きえてはまた現あらわれます。最初さいしょのうち、痛いたみがない間あいだは子こどもが健康けんこうそうに見みえます。後あとから現あらわれる症状しょうじょうとしては次つぎのものがあります：

• ずっと続つづく腹部ふくぶの痛いたみ

• ぐずったり反応はんのうがにぶかったりする

• 血液けつえきや粘液ねんえきの混まじった便べん―赤あかいいちごゼリーにたとえられることがある

• 発熱はつねつ

腸ちょうが傷きずつくと、子こどもの腸ちょうに穴あな（穿孔せんこう）があくことがあります。腸ちょうに穴あなが開あいた子こどもは：

• 具合ぐあいが悪わるいように見みえます

• 誰だれかに腹部ふくぶをさわられると痛いたがります

医師いしは、お子こさんの腹部ふくぶにあるソーセージのような形かたちのかたまりをさわって、腸重積ちょうじゅうせきと判断はんだんすることがあります。本当ほんとうか確たしかめるために、医師いしはふつう、次つぎのことをします：

• 超ちょう音波検査おんぱけんさ

腸重積ちょうじゅうせきのせいで腸ちょうに穴あなが開あいている場合ばあい：

• 医師いしは緊急手術きんきゅうしゅじゅつをします。

穴あながない場合ばあい、医師いしは腸ちょうの中なかに空気くうきを注入ちゅうにゅうすることで、腸重積ちょうじゅうせきを治療ちりょうします。

• 医師いしは、お子こさんのおしりに細ほそい管くだを入いれ、そこから腸ちょうの中なかに空気くうきを注入ちゅうにゅうします。

• 空気くうきを腸ちょうの中なかに送おくりこむことで、腸ちょうが広ひろがります。

• その後ご、医師いしはX線検査せんけんさをして、腸ちょうが正常せいじょうな状態じょうたいにもどっていることを確たしかめます。

• お子こさんは一晩ひとばん入院にゅういんします。

腸重積ちょうじゅうせきは、処置しょちの次つぎの日ひか2日後かごに再発さいはつすることがあります。再発さいはつした場合ばあい、お子こさんには治療ちりょうのための手術しゅじゅつが必要ひつようになります。