子宮頸部とは何ですか?
子宮頸部は子宮の下側の部分です。ここには出口があって、妊娠中はふつう閉じています。赤ちゃんが生まれてくる準備ができると子宮頸部が開き(開大)、赤ちゃんが出てきます。
子宮頸管無力症とは何ですか?
子宮頸管無力症とは、子宮頸部が弱く、妊娠中の早い時期に開いてしまうことです。
子宮頸部が弱いと、赤ちゃんが生まれる時期が早すぎて、赤ちゃんが生き延びられない可能性があります。
これを防ぐために、医師が子宮頸部を縫い合わせて閉じたり、腟(産道)にホルモンを入れることがあります。
妊娠するまであなたの子宮頸部が弱いかどうかは分かりません。
子宮頸部が弱くなる原因は何ですか?
子宮頸部が弱くなる原因は誰にも分かりませんが、次のことにより子宮頸部が弱くなる可能性が高くなります:
手術中に子宮頸部が傷ついた
出産した時に子宮頸部が深くさけた
生殖器に生まれつきの異常がある
子宮頸部が短い
妊娠が進んでから3回以上流産したことがある
あなたの子宮頸部が弱いために赤ちゃんが早く生まれたことがあったとしても、次の赤ちゃんが9カ月間ずっとおなかにいられる可能性は十分にあります。しかし、子宮頸部が弱いために赤ちゃんが早く生まれてしまった回数が多いほど、同じことがまた起こる可能性が高くなります。
子宮頸部が弱いと、どのような症状がありますか?
子宮頸部が弱くても、赤ちゃんが早く生まれてしまう以外には症状は起こりません。赤ちゃんが早く生まれてしまうときに現れる症状としては、次のものがあります:
腟(産道)の圧迫感
性器出血(少量のものも含む)
おなかや腰の痛み
腟からのおりもの(液体)
医師はどのようにして、私の子宮頸部が弱いかどうかを見分けますか?
医師は、次の場合にあなたの子宮頸部が弱いと考えることがあります:
前に妊娠し、第2トリメスター【訳注:日本でいう妊娠中期にほぼ相当】で流産したことがある
定期的な超音波検査(子宮の中を動画で見る検査)で、子宮頸部が短いことが医師に分かった
定期的な妊婦健診で、子宮頸部が早く開き始めたことが分かった
子宮頸部が弱いと、医師はどのように治療しますか?
医師が子宮頸部が弱いと考えた場合は、赤ちゃんが早い時期に生まれてくることを防ぐために、子宮頸部を縫い合わせて閉じることがあります(子宮頸管縫縮術といいます)。ふつうは、出産前に縫い合わせた糸を抜糸します。医師が帝王切開での出産を計画している場合、糸をそのままにしておくことがあります。
また、医師から女性ホルモンのプロゲステロンを毎晩腟に入れるよう言われることもあります。これは、陣痛が早く始まってしまうのを防ぐのに役立ちます。