黒色腫こくしょくしゅ

黒色腫こくしょくしゅ（メラノーマともいいます）は、皮膚ひふがんの一種いっしゅです。メラノサイトという皮膚ひふの細胞さいぼうから発生はっせいします。メラノサイトは、皮膚ひふの色いろのもとになる茶色ちゃいろい物質ぶっしつをつくっています。そのため、黒色腫こくしょくしゅはふつう、黒くろっぽい色いろをしています。このがんは、ふつうの皮膚ひふから発生はっせいすることもあれば、ほくろから発生はっせいすることもあります。

• 黒色腫こくしょくしゅはたいてい、皮膚ひふの日光にっこうにさらされた部分ぶぶんに新あたらしくできた、黒くろっぽい色いろの小ちいさなできものとして始はじまります。

• 黒色腫こくしょくしゅはまた、口くちの中なかなど、日光にっこうが当あたらない部分ぶぶんから発生はっせいすることもあります。

• このがんは、体からだのほかの部分ぶぶんに広ひろがりやすく、そこで組織そしきをこわし、患者かんじゃさんが亡なくなってしまうことが多おおいがんです。

• 黒色腫こくしょくしゅを診断しんだんするために、医師いしは生検せいけんという、組織そしきを小ちいさく切きり取とって顕微鏡けんびきょうで調しらべる検査けんさをします。

• 黒色腫こくしょくしゅと診断しんだんされた時期じきが十分じゅうぶんに早はやければ、ふつうは手術しゅじゅつで治なおすことができます。

黒色腫こくしょくしゅ

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Photo courtesy of Gregory L.Wells, MD.

黒色腫こくしょくしゅは、ほかの皮膚ひふがんほど多おおくはみられません。しかし、死亡しぼうする可能性かのうせいがより高たかいがんです。

あなたが次つぎのことに当あてはまる場合ばあい、あなたは黒色腫こくしょくしゅになる可能性かのうせいが高たかいです：

• 長ながい期間きかんにわたって日光にっこうに当あたり、日焼ひやけをしている

• 日焼ひやけマシーンを使つかっている

• 家族かぞくの中なかに、黒色腫こくしょくしゅがある人ひとや、形かたちがちがうほくろがたくさんある人ひとがいる

• 皮膚ひふの色いろがうすく、そばかすがある

• 形かたちや色いろがちがうほくろがたくさんある

• 免疫めんえきの働はたらきが悪わるい

黒色腫こくしょくしゅは、さまざまな見みた目めをしています。次つぎのような場合ばあいがあります：

• 平たいらな茶色ちゃいろの斑はんで、ふちの部分ぶぶんがボロボロに見みえ、小ちいさな黒くろい斑点はんてんがある

• 盛もり上あがった茶色ちゃいろの部分ぶぶんに赤あか、白しろ、黒くろ、または青あおの斑点はんてんがある

• かたい赤色あかいろ、黒くろ、または灰色はいいろのしこり

黒色腫こくしょくしゅは、皮膚ひふの色いろが濃こい人ひとでは、あまりみられません。皮膚ひふの色いろが濃こい人ひとに黒色腫こくしょくしゅができる場合ばあいは、たいてい、指ゆびの爪つめや足あしの爪つめの下したか、手てのひらや足あしのうらにあります。

黒色腫こくしょくしゅの症状しょうじょうは、次つぎのような特徴とくちょうがある皮膚ひふのできものです：

• 時間じかんとともに大おおきくなる

• 時間じかんとともに色いろが濃こくなる

• 炎症えんしょうを起おこしている（赤あかくなって、腫はれている）

• まだらに見みえ、色いろが変かわっていく

• 出血しゅっけつしているか、上うえの皮膚ひふが破やぶれている

• かゆみ、圧痛あっつう（さわると痛いたい）、または痛いたみがある

医師いしは生検せいけん（組織そしきを小ちいさく切きり取とって、顕微鏡けんびきょうで調しらべる検査けんさ）をします。

医師いしは黒色腫こくしょくしゅを手術しゅじゅつで治療ちりょうしますが、その手術しゅじゅつでは、皮膚ひふのできたがんと、そのがんのまわりの皮膚ひふを1センチ以上いじょう切きり取とります。手術しゅじゅつができない場合ばあいは、医師いしは薬くすりを使つかうか、極度きょくどの低温ていおんでがんを殺ころすか（凍結療法とうけつりょうほう）、放射線ほうしゃせん治療ちりょうをします。

もし黒色腫こくしょくしゅがあなたの体からだのほかの部分ぶぶんに広ひろがっている場合ばあいは、医師いしが次つぎの治療ちりょうをすることがあります：

• がんの組織そしきを取とり除のぞく手術しゅじゅつ

• 化学療法かがくりょうほう

• あなたの免疫めんえきの働はたらきを助たすけてがんを殺ころさせる薬くすり

• 放射線療法ほうしゃせんりょうほう

• 黒色腫こくしょくしゅのがん細胞さいぼうを見みつけて殺ころす薬くすり

日光にっこうを浴あびる量りょうを少すくなくすることが、黒色腫こくしょくしゅの予防よぼうに役立やくだつ可能性かのうせいがあります。

• 日ひに当あたらないようにする：外そとでは日ひかげに座すわり、午前ごぜん10時じから午後ごご4時じまでは日光にっこうを避さけるよう気きをつける

• 日光浴にっこうよくをせず、日焼ひやけマシーンを使つかわない

• 長ながそでのシャツ、ズボン、つばの広ひろいぼうしなど、日光にっこうから身みを守まもれる服装ふくそうにする

• 紫外線しがいせん防御ぼうぎょ指数しすう（SPF）が30以上いじょうある日焼ひやけ止どめを使つかう（日焼ひやけ止どめは2時間じかんごとに、また泳およいだ後あとや汗あせをかいた後あとにも、多おおめの量りょうで使つかうことが大切たいせつです）

あなたが次つぎのことに当あてはまる場合ばあいは、少すくなくとも年ねんに1回かい、医師いしの診察しんさつを受うけてください：

• 過去かこに黒色腫こくしょくしゅにかかったことがある

• ほくろが多おおくある

数週間すうしゅうかんたっても消きえない皮膚ひふのできものに変化へんかがあった場合ばあいは、医師いしの診察しんさつを受うけてください。