接触皮膚炎とはどのような病気ですか?
皮膚炎とは、よくみられる皮膚の刺激感や炎症を総称する用語です。
Image provided by Thomas Habif, MD.
接触皮膚炎は、皮膚に反応を引き起こす物質に触れる(接触する)ことで発疹が起きる病気です。その物質によって、皮膚が刺激される場合(刺激性接触皮膚炎)と、アレルギー反応が起こる場合(アレルギー性接触皮膚炎)があります。
刺激性接触皮膚炎やアレルギー性接触皮膚炎の原因になりうる物質は、何千種類もあります。
接触皮膚炎は、どの年代でも起こる可能性があります。
特定の物質による接触皮膚炎が起きると、その後も同じ物質に触れるたびに、接触皮膚炎が起きる可能性が高いです。
接触皮膚炎を治療するための最善の方法は、この病気を引き起こしているものを避けることです。
接触皮膚炎は、発疹が消えるまでに最長で3週間かかります。
発疹にさわることで、この病気がほかの人にうつることはありません。
接触皮膚炎の原因は何ですか?
刺激性接触皮膚炎は、次のような皮膚を刺激する物質が皮膚に触れることによって起こります。
化学物質(排水管用洗剤やマニキュアの除光液など)
特定の化粧品、デオドラント剤、石けん
消毒用アルコール
強い溶剤や漂白剤
特定の植物(ポインセチアやコショウなど)
場合により体液(尿や唾液など)
ほかの人と比べて刺激物に敏感な人もいます。
アレルギー性接触皮膚炎は、皮膚に触れた物質に対して免疫系が反応を起こすことで発生します。アレルギーはさまざまなものに対して起きますが、アレルギー性接触皮膚炎の最も多い原因は次のものです:
特定の植物(ツタウルシなど)
ゴム(ラテックスをふくむ)
皮膚にぬる抗菌薬やそのほかの薬
香水やオーデコロン
食べものの防腐剤
一部の金属(ニッケルやコバルトなど)
ときには、次のような特定のものをぬった皮膚に日光が当たることで、接触皮膚炎が起こることもあります:
日焼け止め
アフターシェーブローション
特定の香水
皮膚にぬって使う特定の抗菌薬
コールタール
油
植物
殺虫剤などの特定のスプレー
接触皮膚炎にはどのような症状がありますか?
次のような症状があります:
かゆみと、場合により焼けつくような感覚や痛み
赤い発疹、ときにふくらみや小さな水ぶくれを伴う
接触皮膚炎が長引いている場合、皮膚の乾燥、うろこ状のくず、ひび割れ
皮膚に感染が起きた場合、さらに赤くなり、じくじくして、腫れる
医師はどのようにして、私が接触皮膚炎かどうかを判断しますか?
医師はふつう、発疹をよく見ることで、あなたが接触皮膚炎だと判断することができます。しかし、反応を引き起こした物質を正確に特定することは難しい場合があります。
発疹の原因が分からない場合は、原因をつき止めるために、医師が検査をすることがあります。その検査にはパッチテストが含まれることがあります。パッチテストでは、医師がさまざまな物質を少しずつ皮膚にぬって、接触皮膚炎を引き起こすかどうかを確認します。
医師は接触皮膚炎をどのように治療しますか?
接触皮膚炎の治療としては、医師はまず、あなたに発疹を引き起こした物質にふれないよう指示します。その物質がなくなれば、発疹は自然に消えてしまいます。
かゆみと水ぶくれは、次の方法で軽くすることができます:
コルチコステロイドのクリーム
抗ヒスタミン薬の飲み薬
冷たい水または酢酸アルミニウム(ブロー液)でぬらした布を1日数回、発疹の上に当てる
コロイド状オートミール(オートミールを細かくくだいたもの)を加えた冷たい水のお風呂につかる
皮膚に感染が起きている場合は抗菌薬
接触皮膚炎が重い場合は、経口コルチコステロイドの飲み薬と免疫の働きを抑える薬
抗ヒスタミン薬は、特に高齢の人が使う場合、眠気を引き起こすことがあります。車を運転したり、電動工具を使用したりする必要がある場合は、この薬は注意して使わなければいけません。一方で、抗ヒスタミン薬は、夜に眠りやすくしてくれるかもしれません。
処方せんなしで買うことができる、かゆみ止めのクリームがいくつかあります。抗ヒスタミン薬のクリームや、ベンゾカインを含んでいて皮膚の感覚を失わせるクリームは、ときどき皮膚に反応を引き起こすため、医師はふつう、これらのクリームは使用しないほうがいいと考えます。
接触皮膚炎はどうすれば予防できますか?
皮膚を刺激する物質や、あなたがアレルギー反応を起こす物質にふれないようにしてください。
ふれてしまった場合は、すぐに石けんと水で皮膚を洗ってください。そうした物質にふれる必要がある場合は、手袋や衣服で皮膚をおおうか、保護用のクリームをぬったりして、その物質が皮膚につかないようにします。