ジカウイルス感染症とはどのような病気ですか?
ジカウイルスに感染しても、子どもや大人が重い病気になることはほとんどありません。しかし、ジカウイルスは生まれる前の赤ちゃん(胎児)にとっては大変危険です。
ジカウイルスは蚊、性行為、輸血によって広がる可能性があります。
ジカウイルスに感染した妊娠している女の人は、自分の赤ちゃんにそれをうつすことがあります。
ほとんどの人は症状がみられないか、発熱、発疹、関節痛、目の赤みなどの軽い症状しかみられません。
ジカウイルスに感染した母親から生まれた赤ちゃんは、異常に頭が小さい(小頭症)など脳に生まれつきの異常がある場合があります。
ジカウイルス感染症に対する治療法はありませんが、静かに休み、アセトアミノフェンで発熱と痛みを軽くすることが役立ちます。
ジカウイルス感染症にはどのようにしてかかるのですか?
ジカウイルスはおもに次のものによって広がります:
蚊
ジカウイルスには、次のことでも感染します:
性行為
輸血
妊娠した女の人から生まれる前の赤ちゃんへ
ジカウイルスに感染していると、次のような場合に性行為でパートナーを感染させてしまうことがあります:
症状がない場合
症状が現れる前
症状が現れている場合
症状が消えてから数週間、ときには数カ月がたった後(ジカウイルスは男の人の精液の中に最長6カ月とどまることがあります)
ジカウイルスを感染させる蚊は、暖かい地域に生息しています。ですから、ほとんどのジカウイルス感染症は南アメリカやカリブ海諸国で発生します。しかし、世界のほかの地域からこれらの地域を訪れる人が、ジカウイルス感染症になって帰国する可能性があります。
ジカウイルス感染症にはどのような症状がありますか?
症状がないか、軽い症状がみられることがあります。次のような症状がふつう4~7日続きます:
発熱
盛り上がった赤い発疹
関節痛や筋肉痛
目が赤くなり、ヒリヒリする
頭痛
ジカウイルスは赤ちゃんにどのような影響を与えますか?
Image courtesy of Centers for Disease Control and Prevention, National Center on Birth Defects and Developmental Disabilities.
妊娠中にジカウイルス感染症にかかると、頭が異常に小さくなる(小頭症)など、赤ちゃんの脳に生まれつきの異常が起こることがあります。小頭症の赤ちゃんには、次のような問題が起こる可能性があります:
けいれん発作
発達のおくれ(たとえば、お座り、ひとり立ち、歩きはじめが、ふつうよりおくれることがあります)
知能の低下
体の動きやバランス感覚の問題
食べたり、飲み込んだりすることの問題
聞いたり見たりすることの問題
医師はどのようにしてジカウイルスに感染しているかどうかを判断しますか?
医師は次の検査の結果からジカウイルス感染症を診断します:
血液検査
尿検査
医師はジカウイルス感染をどのように治療しますか?
今のところ、ジカウイルス感染症を治せる薬はありません。
医師はあなたに、次のことをするように指示します:
静かに休む
体の中の水分を十分にするために、水分をとる
痛みと発熱を軽くするアセトアミノフェンを飲む
医師の診察を受けて、ジカウイルス感染症だと確実に分かっているのでなければ、アスピリンやイブプロフェンは飲まないでください。デング熱の場合は、ジカウイルス感染症に似た症状がみられることがあり、アスピリンやイブプロフェンを飲むと危険で、出血を引き起こす可能性があります。
妊娠している女の人の場合は、医師は:
3~4週間ごとに超音波検査をして、赤ちゃんの成長を確認します。
ジカウイルス感染症はどうすれば予防できますか?
ジカウイルス感染症を予防する最もよい方法は次のとおりです:
蚊に刺されないようにする
感染しているか、感染している可能性があるパートナーと無防備な性行為をしない
蚊に刺されないようにするには:
長そでのシャツと長ズボンを着る
エアコンのある場所や、窓やドアに網戸を付けて蚊が入らないようにしている場所にいたり、蚊帳を使ったりする
服でおおわれていない部分の皮膚にDEET(ジエチルトルアミド)が入っている虫よけを使う(ただし、生後2カ月未満の赤ちゃんには、虫よけを使ってはいけません)
服や用具にはペルメトリンという薬が入っている殺虫剤を使う(皮膚には直接ぬってはいけません)
妊娠中の女の人は、ジカウイルスが流行している地域への旅行を避けるべきです(現在の情報はZika Travel Informationを見てください)。
妊娠している女の人で、自分のセックスパートナーがジカウイルス感染症が流行している地域に住んでいるか、そのような地域に旅行している場合、妊娠中は次のどちらかをするべきです:
性行為(腟、肛門、口を使った性行為)をしない
性行為をするときは、必ずバリア法(コンドームやデンタルダムなど)を使う
あなたの女性のセックスパートナーがジカウイルス感染症と診断されている場合や、ジカウイルス感染症の症状がある場合は、次のどちらかをするべきです:
少なくとも8週間は性行為をしない
性行為をするときにコンドームかデンタルダムを使う
あなたの男性のセックスパートナーがジカウイルス感染症と診断されている場合や、ジカウイルス感染症の症状がある場合は、次のどちらかをするべきです:
少なくとも6週間は性行為をしない
性行為をするときにコンドームを使う
ジカウイルスは、男の人の精液の中で、ほかの体液の中よりも長くとどまります。