統合失調症とうごうしっちょうしょう

レビュー/改訂 2022年 1月
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統合失調症とうごうしっちょうしょうとはどのような病気びょうきですか?

統合失調症とうごうしっちょうしょうは、現実げんじつとのつながりがうしなわれる、深刻しんこくこころ病気びょうきです(精神病せいしんびょうともいいます)。統合失調症とうごうしっちょうしょうひとは、幻覚げんかく実際じっさいには存在そんざいしないものをたりいたりすること)を経験けいけんしたり、真実しんじつではない異常いじょうなものごとをしんじこんだりします。

  • 統合失調症とうごうしっちょうしょうになると、異常いじょう行動こうどうへん行動こうどうをするようになるだけでなく、ふつうの生活せいかつおくれなくなります。

  • 仕事しごとやほかのひととの関係かんけい問題もんだいをかかえたり、自分じぶん世話せわをするのがむずかしくなったりします。

  • もし統合失調症とうごうしっちょうしょう治療ちりょうしないと、そのひと仕事しごとうしなったり、家族かぞくともだちとのつながりをなくしたり、ホームレスになったりするかもしれません。

  • 統合失調症とうごうしっちょうしょうはふつう、男性だんせいでは20だい前半ぜんはんからなかばにはじまり、女性じょせいではそれよりすこたか年齢ねんれいはじまり、どもの統合失調症とうごうしっちょうしょうはめったにありません。

  • 統合失調症とうごうしっちょうしょう家族かぞくなか遺伝いでんするため、おや兄弟姉妹きょうだいしまい統合失調症とうごうしっちょうしょうひとがいる場合ばあい、そのひとはこの病気びょうきになる可能性かのうせいがほかのひとよりたかいです。

  • 治療法ちりょうほうとしては、精神病せいしんびょうくすり精神科せいしんか医師いしとのはなし家族かぞくともだちからのたすけなどがあります。

  • くすり定期的ていきてきむことが、症状しょうじょうかるくして、ふつうの生活せいかつおくれるようにするのに、とても役立やくだちます。

統合失調症とうごうしっちょうしょう原因げんいんなんですか?

医師いしたちは、統合失調症とうごうしっちょうしょうのう発達はったつ問題もんだいがあることが原因げんいんこるとかんがえています。

そうしたのう問題もんだいこしている正確せいかく原因げんいんは、医師いしたちにもかっていません。しかし、つぎのことにてはまる場合ばあいには、統合失調症とうごうしっちょうしょうこりやすくなります:

  • 家族かぞくにこの病気びょうきひとがいる(この病気びょうき家族かぞくなか遺伝いでんします)

  • まれるまえまれたあとに、特定とくてい感染症かんせんしょうにかかっていた、酸素さんそ十分じゅうぶんおくられなかった、まれたときの体重たいじゅうかるかったなどの医学的いがくてき問題もんだいがあった

おやそだかたがよくなかったことや、つらいども時代じだいごしたことは、統合失調症とうごうしっちょうしょう原因げんいんにはなりません。しかし、すでにこの病気びょうき危険性きけんせいがあるひとでは、わるいことやストレスのかかることが、統合失調症とうごうしっちょうしょうのきっかけになることがあります。

統合失調症とうごうしっちょうしょうにはどのような症状しょうじょうがありますか?

統合失調症とうごうしっちょうしょうは、きゅうに(数日すうじつから数週間すうしゅうかんのうちに)はじまることもあれば、ゆっくり(何年なんねんかかけて)あきらかになることもあります。

統合失調症とうごうしっちょうしょうひとには、たいてい、つぎ症状しょうじょうあらわれます:

  • 妄想もうそう

  • 幻覚げんかく

妄想もうそうとは、真実しんじつではないことがらをしんじこむことです。統合失調症とうごうしっちょうしょう妄想もうそうは、よくある勘違かんちがいのようなものではありません。ほかのひと真実しんじつではないとおもうことがらをしんじているひとはたくさんいます。しかし、統合失調症とうごうしっちょうしょうひとは、それがまちがいであることや、あきらかに現実的げんじつてきではないことをしめたしかな証拠しょうこがあったとしても、そのかんがえをしんじてうたがいません。たとえば、つぎのようなことをしんじることがあります:

  • ほん新聞しんぶんかれている内容ないよううた歌詞かしは、自分じぶんについてかたられたはなし

  • ほかのひと自分じぶんこころられる、自分じぶんかんがえがほかひとつたわってしまう

  • 自分じぶんはだれかにわれている

  • 自分じぶんはキリストや大統領だいとうりょうのような有名人ゆうめいじん

幻覚げんかくは、実際じっさいには存在そんざいしないものをいたり、たり、あじわったり、からだかんじたりすることです。もっともよくある幻覚げんかくかたちは、こえこえることです。そのこえはたいてい、そのひとかんする意地いじわる言葉ことばであったり、命令めいれいであったりします。

統合失調症とうごうしっちょうしょうのほかの症状しょうじょうとしては、つぎのものがあります:

  • 感情かんじょうをほとんど、またはまったくせない

  • 質問しつもんされても1つか2つの言葉ことばだけでこたえるなど、ほとんどはなしをしない

  • やっていたことに関心かんしんがなくなる

  • ひととの関係かんけい関心かんしんがなくなる

  • かんがえがまとまらない

  • とりとめのないはなしをする

  • なにかに注意ちゅういをはらったり、なにかをおぼえたりするのに苦労くろうする

統合失調症とうごうしっちょうしょうは、ただわった思考しこう行動こうどうをすることではありません。統合失調症とうごうしっちょうしょう症状しょうじょうはとてもおもいため、家庭かてい職場しょくばでのひととの関係かんけい問題もんだいきます。

統合失調症とうごうしっちょうしょうひとのおよそ5にん1人ひとり自殺じさつをしようとし、さらにおおくのひと自殺じさつかんがえます。

統合失調症とうごうしっちょうしょうひとは、感情かんじょう爆発ばくはつさせることがあり、こわくえることもありますが、暴力ぼうりょくをふるう可能性かのうせいは、ほかのひとくらべてほんのすこたかいだけです。

医師いしはどのようにして、あるひと統合失調症とうごうしっちょうしょうかどうかを判断はんだんしますか?

統合失調症とうごうしっちょうしょうには検査けんさがありません。医師いしは、そのひと症状しょうじょうから統合失調症とうごうしっちょうしょう診断しんだんします。そのためには、症状しょうじょうつぎのことにてはまる必要ひつようがあります:

  • すくなくとも6カ月間げつかんつづいている

  • 仕事しごと学校がっこう、またはひととの関係かんけい問題もんだいこしている

医師いしはまた、その行動こうどうこしていて、ちがう種類しゅるい治療ちりょう必要ひつようかもしれない、ほかの医学的いがくてき問題もんだいくすり影響えいきょうがないかをたしかめるために、検査けんさをすることもあります。

医師いし統合失調症とうごうしっちょうしょうをどのように治療ちりょうしますか?

治療ちりょうはじめるのがはやいほど、ふつうは治療ちりょう結果けっかがよくなります。つぎのような治療法ちりょうほうがあります:

  • 症状しょうじょう治療ちりょうするためのくすり

  • 精神科せいしんか医師いし定期的ていきてきはなしをする

  • そのひと仕事しごともの自分じぶん世話せわ家事かじをし、ひととうまくっていく手助てだすけをするための、リハビリやサポートプログラム

  • 統合失調症とうごうしっちょうしょう理解りかいして対処たいしょする手助てだすけをするためのカウンセリング

  • 場合ばあいにより、入院にゅういんしてける治療ちりょう

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