住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょう

(ビルハルツ症しょう)

完全なレビュー: 2025年 7月 執筆者:The Manual's Editorial Staff
最終更新日: 2025年 7月
v45078332_ja
プロフェッショナル版を見る
家庭版で詳しい説明を読む

住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうとは何なんですか?

住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうは、吸虫きゅうちゅうという小ちいさな寄生虫きせいちゅうが引ひき起おこす感染症かんせんしょうです。

  • 吸虫きゅうちゅうは南みなみアメリカ、アフリカ、アジアの熱帯ねったい地域ちいきにある川かわや湖みずうみによく生息せいそくしています。

  • 吸虫きゅうちゅうがいる水みずの中なかで泳およいだり、水浴みずあびをしたりすると、住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうに感染かんせんする可能性かのうせいがあります。

  • 吸虫きゅうちゅうは皮膚ひふの中なかにもぐりこみ、血液けつえきの中なかを移動いどうします。

  • やがて、腸ちょうや膀胱ぼうこうの中なかの細ほそい血管けっかんにたどり着つきます。

  • 症状しょうじょうとしては、まず、かゆみのある発疹ほっしんが出でた後あと、発熱はつねつ、悪寒おかん、筋肉痛きんにくつう、力ちからが入はいらない、腹部ふくぶの痛いたみなどが現あらわれます。

  • 医師いしは便べんと尿にょうのサンプルを検査けんさして、吸虫きゅうちゅうの卵たまごがないか調しらべます。

  • 治療ちりょうとしては、吸虫きゅうちゅうを殺ころすために抗こう寄生虫薬きせいちゅうやくを使つかいます。

住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうの原因げんいんは何なんですか?

住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうは、回虫かいちゅうの一種いっしゅである吸虫きゅうちゅうという寄生虫きせいちゅうによって引ひき起おこされます。吸虫きゅうちゅうの成虫せいちゅうは、長ながさ1~2センチメートルくらいの大おおきさです。

住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうには、吸虫きゅうちゅうがいる川かわや湖みずうみで泳およいだり、水浴みずあびをしたり、そのような川かわや池いけを歩あるいてわたったりすることで、感染かんせんします。

  • 人ひとが水みずの中なかにいる間あいだに、吸虫きゅうちゅうが皮膚ひふにくっつきます。

  • そこから皮膚ひふの中なかにもぐりこみ、血流けつりゅうに乗のって、膀胱ぼうこうや腸ちょうまで移動いどうします。

膀胱ぼうこうや腸ちょうにいる吸虫きゅうちゅうは、たくさんの卵たまごを産うみます。

  • それらの卵たまごは組織そしきを刺激しげきし、潰瘍かいようや傷きずあとを作つくり、出血しゅっけつを引ひき起おこします。

  • 卵たまごが血液けつえきの流ながれに乗のって、肝臓かんぞうに運はこばれることもあります。

  • 卵たまごは便べんや尿にょうといっしょに体からだの外そとに出でていきます。

  • 感染かんせんした人ひとの尿にょうや便べんが川かわや湖みずうみに流ながれ込こむと、中なかの卵たまごがかえって成長せいちょうし、ほかの人ひとに感染かんせんできるようになります。

卵たまごが腸ちょうから肝臓かんぞうに移動いどうすると、肝臓かんぞうに炎症えんしょうが起おこることがあります。それにより肝臓かんぞうが傷きずついて、門脈もんみゃくの中なかの圧力あつりょくが高たかくなることがあります。門脈もんみゃくとは、腸管ちょうかんから肝臓かんぞうまで血液けつえきを送おくっている血管けっかんです。門脈もんみゃくの血圧けつあつが高たかくなると(この状態じょうたいを門脈圧亢進症もんみゃくあつこうしんしょうといいます)、脾臓ひぞうが大おおきくなることがあります。食道しょくどう(のどと胃いをつないでいる「食たべものの通とおり道みち」)の静脈じょうみゃくから出血しゅっけつが起おこることもあります。

住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうにはどのような症状しょうじょうがありますか?

ほとんどの人ひとでは症状しょうじょうがみられません。吸虫きゅうちゅうが最初さいしょに皮膚ひふの中なかに入はいったときに、以下いかの症状しょうじょうが出でることがあります。

  • かゆみのある発疹ほっしん

何なん週間しゅうかんかすると、具合ぐあいが悪わるくなり、以下いかのような症状しょうじょうが出でることがあります。

  • 発熱はつねつ

  • 悪寒おかん

  • せき

  • 筋肉痛きんにくつう

  • おなかの痛いたみ

吸虫きゅうちゅうの成虫せいちゅうが体からだの中なかのどこにいるかによって、以下いかの症状しょうじょうが出でることがあります。 

  • 排尿はいにょうをするときの痛いたみ、尿にょうに血ちが混まじる

  • 血ちが混まじった下痢げり(ゆるい便べんや水みずっぽい便べんが出でたりする)

  • 肝臓かんぞうや脾臓ひぞうの腫大しゅだい

感染症かんせんしょうがひどくなると、たくさんの血液けつえきが失うしなわれて、以下いかの症状しょうじょうが出でることがあります。

住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうは、肺はい、脊髄せきずい、腎臓じんぞう、脳のうなど、そのほかの臓器ぞうきにも影響えいきょうすることがあります。

医師いしはどのようにして、住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうかどうかを判断はんだんしますか?

医師いしは、患者かんじゃの症状しょうじょうから住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうを疑うたがいますが、最近さいきん、吸虫きゅうちゅうがいそうな川かわや湖みずうみの中なかで泳およいだり、水浴みずあびをしたりしていた場合ばあいには、特とくに強つよく疑うたがいます。医師いしは以下いかのサンプルの中なかに吸虫きゅうちゅうの卵たまごがないか調しらべることで、住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうかどうかを確たしかめます。

  • 便べん

  • 尿にょう

  • 腸ちょうまたは膀胱ぼうこうの組織そしき

場合ばあいによっては、感染症かんせんしょうがどれくらい重おもいか調しらべるために、血液検査けつえきけんさ、超ちょう音波検査おんぱけんさ、またはCT検査けんさもするかもしれません。

医師いしは住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうをどのように治療ちりょうしますか?

医師いしは以下いかを使つかって住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうを治療ちりょうします。

  • 抗こう寄生虫薬きせいちゅうやく

医師いしは、1~2カ月後げつごにも便べんや尿にょうの検査けんさをして、その中なかに吸虫きゅうちゅうの卵たまごがないことを確たしかめることがあります。

住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうはどうすれば予防よぼうできますか?

住血吸虫症じゅうけつきゅうちゅうしょうを予防よぼうするには、以下いかのことが役立やくだちます。

  • 吸虫きゅうちゅうが生息せいそくしているとわかっている地域ちいきでは、川かわや湖みずうみの中なかで泳およいだり、水浴みずあびをしたり、川かわや池いけを歩あるいてわたったりしないようにする

  • 吸虫きゅうちゅうが問題もんだいになっている地域ちいきでは、水みずを使つかって何なにかを洗あらう前まえに、その水みずを沸騰ふっとうさせるか、1日にちか2日かほど置おいておく

  • 寄生虫きせいちゅうがいる水みずの中なかにうっかり入はいってしまった場合ばあいは、タオルで体からだを強つよくふく(そうすることで、寄生虫きせいちゅうが皮膚ひふを通とおりぬける前まえに取とり除のぞけるかもしれません)

水みずの中なかで卵たまごがかえると、かえった吸虫きゅうちゅうは巻貝まきがいに感染かんせんします。そのため、吸虫きゅうちゅうが生息せいそくしていることがわかっている水域すいいきに、巻貝まきがいを殺ころす化学物質かがくぶっしつを入いれることもあります。

quizzes_lightbulb_red
医学知識をチェックTake a Quiz!
ANDROID iOS
ANDROID iOS
ANDROID iOS