長期または慢性の疲労の主な一般的原因および特徴

原因

一般的な特徴*

検査

血液疾患またはがん

貧血

活動中の息切れを伴う運動耐容能(耐えられる運動の量)の低下(活動から予想される以上に大きい)

ときに蒼白

血算

がん(消化管がん肺がん白血病リンパ腫多発性骨髄腫など)

広範囲のリンパ節の腫れ、体重減少、寝汗

多発性骨髄腫では、腰痛またはその他の骨痛(しばしば夜間に重度となる)

血算

感染症

慢性肝炎

ときに黄疸、食欲減退、腹水

肝機能を調べたり、肝炎ウイルスを特定したりするための血液検査

ときに肝生検

COVID-19

発熱

ときにせきや呼吸器症状

ときに味覚や嗅覚の喪失

SARS-CoV-2を調べるための血液検査

サイトメガロウイルス感染症

脾臓やリンパ節の腫れ、発熱、寝汗

ときに、サイトメガロウイルスに対する抗体を調べる血液検査

心臓弁の感染症(心内膜炎

発熱および寝汗

ときに関節痛

通常、心雑音が聞かれる人または薬物を静脈に注射する人にみられる

血液サンプルの培養検査、心エコー検査

HIV感染症/エイズ

発熱、寝汗、頻繁な感染症

ときに呼吸困難、せき、下痢、発疹

HIV血液検査

伝染性単核球症

最近ののどの痛み、リンパ節の腫れ

伝染性単核球症の血液検査

その他の感染症(例えば、ヒストプラズマ症などの真菌性肺炎、寄生虫感染症結核

発熱、寝汗、体重減少

ときに、せき、呼吸困難、喀血

可能性の高い感染症の種類に応じた検査

その他の病気および原因

慢性腎臓病

息切れ、起座呼吸(横になると呼吸困難になり、起き上がると楽になること)、むくみ

腎機能を調べるための血液検査

結合組織疾患(例えば、関節リウマチ全身性エリテマトーデス

発熱、寝汗、体重減少、関節痛、発疹、他の臓器病変(例えば、心臓や肺への影響)

異常な抗体の有無を確認するための血液検査

デコンディショニング

運動不足、寝たきり、または入院の経歴

医師の診察のみ

糖尿病(しばしば他の症状の方がより顕著)

強いのどの渇き、排尿の増加、食欲亢進、説明のつかない体重の増加または減少

一晩絶食した後の血糖値の測定、ときにブドウ糖負荷試験

薬:抗うつ薬、従来の抗ヒスタミン薬、降圧薬、血液中のカリウム濃度を低下させる利尿薬、筋弛緩薬、レクリエーショナルドラッグ、鎮静薬

疲労を引き起こすことが分かっている薬の服用歴

医師の診察のみ

巨細胞性側頭動脈炎

50歳以上の人における頭痛、ものを噛むときのあごの痛み、髪をとかすときの痛み、視力障害、筋肉痛

赤沈、側頭動脈生検

精神障害:不安うつ病薬物依存症パニック症身体化障害(主に不安によって引き起こされる身体症状)

不安、悲しみ、食欲減退、原因不明の睡眠障害

身体化障害では、身体症状への過剰なとらわれ

医師の診察のみ

多発性硬化症

暑さにさらされることによって悪化する疲労

神経系の機能不全症状(しびれ、協調運動障害、筋力低下など)の既往(特に複数回にわたってみられた場合)

脳や脊髄のMRI検査

妊娠

月経周期の停止、乳房の圧痛、つわり、腹部の腫れ

妊娠検査

睡眠障害

日中の過度の眠気、頻繁な覚醒、睡眠中の呼吸の中断、寝つきが悪い、休息感の得られない睡眠

睡眠検査室での検査(睡眠ポリグラフ検査)

甲状腺機能低下症(甲状腺の活動が不十分になった状態)

寒さに弱くなる、体重増加、便秘、皮膚の荒れ

甲状腺機能の血液検査

低栄養

体重減少

ときに食欲減退、悪臭のする便、腹痛、またはこれらの組合せ

医師の診察

ときにその他の検査

原因不明の病気

慢性疲労症候群(現在では筋痛性脳脊髄炎または全身性労作不耐症と呼ばれることもある)

のどの痛み、休息感の得られない睡眠、集中または短期記憶の困難、筋肉痛、関節痛、頭痛、首やわきの下のリンパ節の圧痛

医師の診察のみ

線維筋痛症

長期で広範囲にわたる関節以外の場所の筋肉と骨の痛み、トリガーポイント、下腹部痛、ガス、腹部膨満、便秘または下痢、片頭痛、不安

医師の診察のみ

*特徴としては症状や診察結果を示しています。示されている特徴は典型的なものですが、常に認められるわけではありません。

HIV = ヒト免疫不全ウイルス;MRI = 磁気共鳴画像。