推奨される主なスクリーニング検査*,†

状態

検査

対象

頻度

腹部大動脈瘤

腹部超音波検査

喫煙している、または喫煙歴のある65~75歳の男性

1回

アルコールの乱用

飲酒習慣に関する質問

成人

1回、もしくは環境の変化に応じて定期的に(例えば、新たなストレス下におかれたときや生活習慣が変化したとき)

乳がんおよび卵巣がん

遺伝カウンセリング、および乳がんや卵巣がんのリスクが高いことを示すBRCA変異の遺伝子検査

乳がんまたは卵巣がんを患ったことのある近親者(通常は第1度近親者)が複数人いる女性

1回

乳がん

マンモグラフィー

50~74歳の女性

50歳未満の女性では、個別のスクリーニングについて主治医と相談

2年毎

MRI

高リスクの女性(乳がんを患った家族がいるなど)

マンモグラフィーの実施時

子宮頸がん

子宮頸部細胞診または他の類似の検査と、ときにヒトパピローマウイルス(HPV)に対する検査

性的に活動的であり、子宮頸部を摘出していない女性全員

21~65歳の女性に対して3~5年毎

心血管疾患(心臓発作脳卒中を含む)

危険因子に関する質問、血圧および体重の測定、コレステロール(脂質プロファイル)および血糖値測定のための血液検査

全員

危険因子に関する質問と血圧および体重の測定を毎年

血糖値の測定を3年毎

脂質プロファイルのチェックを5年毎

クラミジア感染症

尿のサンプルまたは綿棒で腟から採取したサンプルを用いるDNA検査

性的に活動的な24歳以下の女性、または24歳以上で危険因子(複数のセックスパートナーがいる、性感染症があるなど)をもつ女性

すべての妊婦(初回の妊婦健診時に実施)

過去1年以内に男性と性行為をした男性

年1回

大腸がん

大腸内視鏡検査、S状結腸鏡検査、便に血が混じっていないか(便潜血検査[FOBT]または便免疫化学検査[FIT])またはがんDNA(FIT-DNA)を調べる検査

45~75歳の成人

45歳未満の成人では、個人の危険因子プロファイル(家族歴や特定の腸疾患など)に応じた個別のスクリーニングについて主治医と相談

平均的なリスクの場合 ― FOBTまたはFITを毎年;FIT-DNAを1~3年毎;大腸内視鏡検査を10毎;CTコロノグラフィーを5年毎;またはS状結腸内視鏡検査を5年毎またはFITとともに10年毎

歯の問題

歯科医による健診

全員(歯の生え始めまたは1歳の誕生日の前より定期的な健診を開始)

小児と18歳未満の青年は3~12カ月毎

18歳以上の人は12~24カ月毎

うつ病

標準化された質問票などの質問

成人と11歳以上の小児

1回、およびストレスの多い環境にあるとき(例えば、離婚、仕事、生活習慣の変化、家族の死亡)などに定期的に

糖尿病

ヘモグロビンA1Cまたは血糖値を測定する血液検査

45歳以上か過体重の成人、高血圧または血中のコレステロールや他の脂肪(脂質)の値が高い成人、過去に高血糖になったことがある成人

過体重かつ2つ以上の特定の危険因子(家族歴、特定の民族、母体糖尿病歴)を有する18歳未満の小児

3年毎、危険因子と以前の検査結果により変動

淋菌感染症

尿のサンプルまたは綿棒で腟から採取したサンプルを用いるDNA検査

性的に活動的な24歳以下の女性、または25歳以上で危険因子(複数のセックスパートナーがいる、性感染症があるなど)を有する女性

すべての妊婦(初回の妊婦健診時に実施)

過去1年以内に男性と性行為をした男性

1回、および状況の変化(新しいセックスパートナーができたとき、妊娠したときなど)に応じて定期的に

難聴

聴力検査

65歳以上の成人

年1回

新生児溶血性疾患

Rh(D)不適合スクリーニング

検査結果によっては、他の検査

妊婦

初回の妊婦検診時

B型肝炎

B型肝炎ウイルス感染の血液検査

妊娠中の女性、家庭内の接触者、静注薬物の使用者、男性と性行為をする男性。さらにその他の多くの危険因子

初回の妊婦検診時

C型肝炎

C型肝炎ウイルス感染の血液検査

1945~1965年に生まれた人と危険因子をもつ人(静注薬物の使用者など)

1回

高血圧

血圧測定

成人と3歳以上の小児

受診のたび、または年1回

ヒト免疫不全ウイルス(HIV)感染症(エイズを含む)

ウイルス感染の血液検査または唾液検査

15~65歳の全員、HIV感染の危険因子をもつ65歳以上の人、すべての妊婦

少なくとも1回、さらに新たな高リスクの行為があったとき(例えば、複数のセックスパートナーと関係をもつ、注射薬の使用、男性同士の性行為)

肺がん

低線量CT検査

55~80歳で、30 pack-yearの喫煙歴があり、現在も喫煙中であるかまたは禁煙してから15年未満しか経過していない人

毎年

骨粗しょう症

骨密度を測定する二重X線吸収測定法(DXAスキャン)

65歳以上のすべての女性と、65歳未満で骨粗しょう症による骨折リスクのある人

少なくとも1回

成人と小児の過体重

身長と体重の測定

BMI(ボディマスインデックス)の算出

すべての成人および6歳以上の小児

予定の受診時毎、または年1回

視力低下

弱視/斜視屈折異常、および視力低下を引き起こす可能性のあるその他の問題に対しては年齢に応じた眼の診察と視力検査

全員

小児:出生時(感染症、先天異常、白内障、緑内障がないかを確認)、再び生後6カ月までに1回(眼の健康、視力の発達、両眼の向きを確認)、3~4歳(後の発達に問題を引き起こす可能性のある異常がないかを確認)、その後は年1回(左右それぞれの眼を毎年別々に検査する必要がある)

成人:18~64歳の人は2~4年毎

65歳以上の人は1~2年毎

梅毒

感染を調べる血液検査

危険因子(複数のセックスパートナーがいる、性感染症の既往がある、男性同士で性行為をするなど)をもつ成人と妊婦全員

1回、および状況の変化(新しいセックスパートナーができたとき、妊娠したときなど)に応じて定期的に

喫煙

質問

すべての青年と成人

受診のたび

*米国で権威ある様々な専門家の推奨によるもの。ただし、専門家の間にも意見の違いはあります。また、ある病気に対するリスクが高い場合には通常、スクリーニングを受ける回数は増えます。‡すべての推奨がこの表に記載されているわけではありません。

†自宅でできるスクリーニングには、定期的に体重を測定する、1年に1回、皮膚に変化や出血を伴うびらんがないか調べる、といった方法があります。背中や耳の後ろなど、見えにくい場所の皮膚は、他の人(配偶者など)に確認してもらいましょう。男性では精巣に腫瘤がないかを確認することを勧める医師もいますが、そうすることの有効性を示唆する証拠は不明瞭です。

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