妊娠後半にみられるむくみの主な原因と特徴

原因

一般的な特徴*

検査†

正常なむくみ(生理的浮腫)

両方の脚に生じる、痛みを伴わないむくみ(浮腫)で左側を下にして横になると軽減することがある

医師の診察のみ

深部静脈血栓症

片方の脚またはふくらはぎのみのむくみおよび痛み

しばしば患部の圧痛、発赤、および熱感

ときに深部静脈血栓症の危険因子

血栓が肺に移動してそこで血管を詰まらせると(肺塞栓症)、胸痛や呼吸困難

患側の脚のドプラ超音波検査により静脈の詰まりを確認する

場合により血液検査により血栓から放出される物質(Dダイマー)を測定する

胸痛や呼吸困難がみられる場合、ときに胸部CT検査または換気血流シンチグラフィー(肺シンチグラフィー)

周産期心筋症

両脚のむくみ

息切れおよび疲労

横たわった状態でいられない

胸部X線検査

心電図検査

心エコー検査

妊娠高血圧腎症

高血圧

両足、ときに顔や手のむくみ

むくみのある部位に圧痛、発赤、または熱感はない

ときに頭痛、錯乱、かすみ目、吐き気や嘔吐、赤紫色の小さな点状の発疹(皮下出血を示唆)

ときに妊娠高血圧腎症の危険因子

血圧の測定

尿中のタンパク質の測定

肝機能と腎機能、および血算を調べる血液検査

蜂窩織炎(ほうかしきえん)

片方の脚またはふくらはぎのみのむくみ、患部の圧痛、発赤および熱感

場合により患部の皮膚のへこみ(オレンジの皮の質感に類似)

しばしば比較的狭い領域だけに生じる

ときに発熱

ときに医師の診察のみ

ときに超音波検査を行い深部静脈血栓症の可能性を否定する

*特徴としては症状や診察結果を示しています。示されている特徴は典型的なものですが、常に認められるわけではありません。

†医師の診察は必ず行われるものであり、これがこの列に記載されるのは、検査を一切することなく医師の診察だけで診断ができることがある場合だけです。