便秘の主な原因と特徴

原因

例/一般的な特徴*

検査†

急性便秘‡

急性腸閉塞

腸のねじれ(腸捻転)、ヘルニア、癒着、宿便

通常は嘔吐、けいれん性腹痛、腹部膨隆

腹部X線検査

ときにCT検査

イレウス(腸の収縮運動が一時的に停止)

敗血症(重度の血流感染症)などの重大な急性疾患

腹部手術の直後

最近の頭部損傷や脊髄損傷

長期間の床上安静

腹部X線検査

薬剤

抗コリン作用を有する薬、例えば、抗ヒスタミン薬、一部の抗うつ薬、抗精神病薬、パーキンソン病の治療に使用される薬、消化管の筋れん縮を抑えたり止めたりする薬(鎮けい薬)など

特定の金属(鉄、アルミニウム、カルシウム、バリウム、ビスマス)を含む薬

オピオイド

カルシウム拮抗薬

通常は新しい薬を使用し始めた直後に便秘が現れる

便秘の他の原因を否定するための医師の診察

ときに薬の使用を中止して便秘が解消するかどうか確認する

慢性便秘‡

結腸がん

しばしば最近発生した便秘が数週間持続し、腫瘍の増殖につれて徐々に悪化する

ときに血便(血液が目に見えるか、または医師の診察で検出される)

大腸内視鏡検査と生検

代謝性疾患

糖尿病甲状腺機能低下症、血中カルシウム濃度の上昇(高カルシウム血症)、腎不全、妊娠

血液検査

中枢神経系疾患(脳や脊髄が侵される)

パーキンソン病多発性硬化症脳卒中脊髄のけがや病気

MRI検査やCT検査

末梢神経系疾患(脳および脊髄以外の神経が侵される)

ヒルシュスプルング病神経線維腫症自律神経性ニューロパチー

医師の診察

ときにバリウムを直腸に注入した後のX線検査(下部消化管造影検査)や生検

排便協調障害(排便を調整している骨盤内の神経と筋肉の機能障害)

いきみ

排便のために指を使う必要がある

直腸と肛門の内圧測定(直腸肛門内圧検査)

全身性疾患

全身性強皮症アミロイドーシス、皮膚炎に加え筋炎や筋変性を併発(皮膚筋炎)、筋力低下と筋強直(筋強直性ジストロフィー

医師の診察

ときに生検や血液検査

機能性疾患

結腸の活動性低下(結腸無力症)、過敏性腸症候群、機能性便秘、排便困難

しばしば肛門や直腸の閉塞感、排便が長いまたは困難、排便時の過度の力み

医師の診察

場合によりS状結腸内視鏡検査

食事に関する要因

食物繊維が少ない食事、下剤の長期乱用

医師の診察のみ

*特徴としては症状や診察結果を示しています。示されている特徴は典型的なものですが、常に認められるわけではありません。

†医師の診察は必ず行われるものであり、これがこの列に記載されるのは、検査を一切することなく医師の診察だけで診断ができることがある場合だけです。

‡急性便秘と慢性便秘の原因にはいくつか重複があります。特に、薬は両方で一般的な原因です。

CT = コンピュータ断層撮影、MRI = 磁気共鳴画像。

関連するトピック