乳児と小児の身体的成長

執筆者:Evan G. Graber, DO, Nemours/Alfred I. duPont Hospital for Children
Reviewed ByAlicia R. Pekarsky, MD, State University of New York Upstate Medical University, Upstate Golisano Children's Hospital
レビュー/改訂 修正済み 2025年 1月
v8953323_ja
プロフェッショナル版を見る

身体的成長とは、体の大きさ(体長または身長と体重)と臓器の大きさが増すことです。

出生から1~2歳頃まで、小児は急速に成長します。この乳児期と幼児期早期の急速な成長が終わると、青年期の成長スパートが始まるまで、成長は減速します。成長の速度が遅くなると、必要なカロリーも少なくなり、小児の食欲が減っていることに気づく親もいます。2歳になると、非常に不規則な食習慣がみられるようになることがあり、ときに親を不安にさせます。ほとんど何も食べないように思えるのに、成長し続ける小児もいます。実際には、ある日はほとんど食べなくても、次の日には多く食べることで、通常は不足分を補っています。

臓器はそれぞれ成長の速度が異なります。例えば生殖器系では、出生直後に短期間の成長スパートがありますが、その後の変化は性的成熟(思春期)の直前まではほんのわずかなものです。それと対照的に、脳はほぼ例外なく生後早いうちに非常に発達します。腎機能は生後1年までに成人と同程度になります。

歩き始めたばかりの小児はかわいらしい体型をしており、おなかを前に突き出して、背中をそらして歩きます。完全ながに股に見えることもあります。3歳までに、筋肉が発達して体脂肪率が減少するため、より引き締まったしっかりした体つきに見えるようになります。この頃になると、多くの小児が排尿や排便のコントロールができるようになります。

医師は小児の成長の度合いを同年齢の小児と比較し、小児の体重増加を身長と比べながらモニタリングします。出生から2歳までは、医師は世界保健機関(WHO)が提供している標準的な成長曲線を用いてすべての成長パラメータを記録します。2歳以降は、医師は米国疾病予防管理センター(CDC)が提供している成長曲線を用いて成長パラメータを記録します。

小児健診による健康指導および成長と体重の減退(以前は発育不良と呼ばれていた)も参照のこと。)

体長と身長

乳児では体長を測定します。立つことができる小児では身長を測定します。乳児は測定台などの適切な装置(仰臥位用のスタジオメーター)にあお向けに寝かせ、立つことができる小児は垂直型または立位型のスタジオメーターを用いて測定します。

一般に、正期産児の体長は生後5カ月までに出生時の約30%伸び、12カ月で50%以上伸びます。一般的には、乳児は生後1年目に約25センチメートル成長し、5歳の時点での身長は、出生時のおよそ2倍になります。大半の男児は2歳頃までに成人の半分の身長に達します。大半の女児は生後19カ月頃に成人の半分の身長に達します。

(WHOの出生から2歳までの小児の成長曲線[growth charts for children birth to 2 years old]およびCDCの2~20歳の小児および青年の成長曲線[growth charts for children and adolescents 2 to 20 years old]も参照のこと。)

体重

正期産児の体重は、生後数日の間に出生時に比べ5~8%程度減少しますが、これは正常なことです。生後2週間が経過するまでに出生体重に戻ります。この期間の後、最初の3カ月間は新生児の体重は1日に約30グラムずつ増加し、その後は1カ月に約450グラムずつ増えていきます。この結果、一般的には生後5カ月までに出生時の体重のほぼ倍になり、1歳で3倍になります。

1980年代以降、米国では肥満(過剰な体重)の小児が増加しており、現在でも肥満の小児および青年の数は多いままです。早いうちから肥満になる小児もいます。過体重や肥満の定義にはBMI(ボディマスインデックス)が用いられます。CDCは、BMIが非常に高い男児および女児を対象とした拡張版のBMI-for-age成長曲線(extended BMI-for-age growth charts)を公表しています。

(WHOの出生から2歳までの小児の成長曲線[growth charts for children birth to 2 years old]およびCDCの2~20歳の小児および青年の成長曲線[growth charts for children and adolescents 2 to 20 years old]も参照のこと。)

頭囲

頭囲とは、頭の最も大きな部分の周囲の長さを指します。まゆ毛の上部にメジャーをあて、耳の上側を経て頭の後ろにメジャーを回します。頭の大きさは脳の大きさを反映するため、頭囲の測定は重要であり、頭囲によって、医師は小児の脳が正常な速度で成長しているかを知ることができます。3歳まで、頭囲を定期的に測定します。

出生時には、脳の大きさは成人の25%であり、頭囲は約35センチメートルです。1歳までに成人の75%の大きさになります。3歳までに成人の80%の大きさになります。7歳までに成人の90%の大きさになります。

歯牙の萌出とは、歯が歯茎を破断するときのことです。歯の生える時期は様々で、その主な原因は遺伝にあります。しかし、歯の生え始めは、くる病下垂体機能低下症甲状腺機能低下症ダウン症候群などの病気によっても遅れることがあります。

生後5~9カ月で下の前歯が生え始めます。上の前歯は生後8~12カ月で生え始めます。平均的には、正常な乳児では生後12カ月までに6本、生後18カ月までに12本、2歳までに16本、そして2歳半までにすべての乳歯(20本)が生え揃います。5歳から13歳の間に乳歯が永久歯に生えかわります。永久歯は女児の方がより早期に生える傾向があります。

乳児の歯牙の萌出によって引き起こされる症状(よだれやむずかりなど)は、歯ぐずりと呼ばれます。年長児では、歯の萌出が食欲不振、睡眠障害、鼻水、体温上昇(発熱ではない)を引き起こすことがあります。

乳歯

乳歯は、口の後ろから前に向かってアルファベットのA~Tの文字が付けられており、右上がAとなります。いくつかの歯式番号システムがありますが、ここに示すのはユニバーサル方式であり、米国で最もよく使用されます。

乳歯は通常20本で、上顎第二大臼歯 (AとJ)、上顎第一大臼歯 (BとI)、上顎犬歯 (CとH)、上顎側切歯 (DとG)、上顎中切歯 (EとF)、下顎第二大臼歯 (TとK)、下顎第一大臼歯 (SとL)、下顎犬歯 (RとM)、下顎側切歯 (QとN)、および下顎中切歯 (PとO) が1対ずつ生えます。

永久歯

永久歯は1~32の数字で識別され、口の後ろから前に向かって、右上が1となります。いくつかの歯式番号システムがありますが、ここに示すのはユニバーサル方式であり、米国で最もよく使用されます。

永久歯は32本あります。上顎第三大臼歯(1および16、親知らずと呼ばれることもあります)、上顎第二大臼歯(2および15)、上顎第一大臼歯(3および14)、上顎第二小臼歯(4および13)、上顎第一小臼歯(5および12)、上顎犬歯(6および11)、上顎側切歯(7および10)、上顎中切歯(8および9)、下顎第三大臼歯(32および17、親知らずと呼ばれることもあります)、下顎第二大臼歯(31および18)、下顎第一大臼歯(30および19)、下顎第二小臼歯(29および20)、下顎犬歯(27および22)、下顎側切歯(26および23)、および下顎中心切歯(25および24)。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いかねることをご了承ください。

  1. World Health Organization (WHO): 世界保健機関(WHO):0~2歳の乳児および小児の成長曲線(Growth charts)

  2. Centers for Disease Control and Prevention (CDC): 米国疾病予防管理センター(CDC):米国における2歳以上の小児および青年の成長曲線(Growth charts)

  3. CDC:BMIが非常に高い男児および女児を対象とした拡張版のBMI-for-age成長曲線(Extended BMI-for-age growth charts)

quizzes_lightbulb_red
医学知識をチェックTake a Quiz!
ANDROID iOS
ANDROID iOS
ANDROID iOS