息止め発作

執筆者:Stephen Brian Sulkes, MD, Golisano Children’s Hospital at Strong, University of Rochester School of Medicine and Dentistry
レビュー/改訂 2021年 8月
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やさしくわかる病気事典

息止め発作とは、恐怖や動揺を引き起こす出来事やとても痛い思いをした直後に、小児の呼吸が不随意に止まり、短時間意識を失うことです。

    • 息止め発作のきっかけは、通常、全身の痛みや感情的な動揺を伴う出来事です。

    • 典型的な症状としては、蒼白、呼吸停止、意識喪失、けいれんなどがあります。

    • 症状の性質は劇的なものですが、息止め発作は危険なものではありません。

    • かんしゃくは、しばしば息止め発作の一部で、その予防には小児の気をそらしたり、発作を引き起こすことが分かっている状況を避けたりすることが有効な場合があります。

    息止め発作は、その他の点では健康な小児の1%未満から約5%で起こります。息止め発作はたいてい1歳になるまでに始まり、発作が最も多いのは2歳前後です。息止め発作を起こす小児の50%で発作は4歳までに消失し、約83%で8歳までになくなります。しかしながら、息止め発作を起こす小児の中には、ごくわずかながら成人期まで発作が持続する場合があります。息止め発作には以下の2つの種類があります。

    • チアノーゼ型(青色失神)

    • 蒼白型(白色失神)

    チアノーゼ型も蒼白型も不随意的なもので、つまりは小児が意図的に息を止めているわけではなく、発作を自分でコントロールすることはできません。息止め発作は、一部の小児がまれに行う意図的な短い息止めとは簡単に見分けることができます。意図的に息を止めている小児は意識を失うことはなく、小児が欲しがっているものが手に入るか、手に入らなかった場合は、苦しくなった後に、正常の呼吸に戻ります。

    最も多いのがチアノーゼ型の息止め発作で、幼児がかんしゃくを起こしたときや、しかられたり動揺したりしたときの反応として、無意識的に起こります。発作が最もよく起こるのは2歳頃で、5歳を過ぎるとめったに起こらなくなります。

    小児は大声で泣き叫び(このような動作に小児自身が気づいていないこともあります)、息を吐ききってから呼吸を止めるというのが典型です。その直後に小児の皮膚は青くなり始め(「チアノーゼ」は「青」を意味する)、意識が遠のいていきます。短い間、けいれんが起こることもあります。数秒後、小児の呼吸は再開し、顔色が戻り、意識が回復します。発作が始まったときに冷たい布を小児の顔にあてると、発作の進行を中断できることがあります。この発作には驚かされますが、小児への危険な影響や長期の影響はありません。親はチアノーゼ型発作のきっかけとなった行動が強化されないようにしなければなりません。しかし同時に、親は息止め発作が起こるかもしれないとおそれるあまり、小児に適切な社会関係を与えることを避けてはなりません。このような息止め発作を予防し治していく最善の方法は、小児の気をそらしたり、かんしゃくが起こる状況を避けたりすることです。医師は、チアノーゼ型の息止め発作のある小児には、たとえ小児に鉄欠乏性貧血がなくても鉄の補充を推奨することがあり、また、閉塞性睡眠時無呼吸症候群の治療も(もし小児がこの疾患であれば)推奨することがあります。

    蒼白型が起こるのは、通常、転倒して頭をぶつけるなど痛い思いをしたり、急に驚かされたりした後です。脳が心拍数を非常に遅くする信号を(迷走神経を通じて)送るため、意識喪失が起こります。このように蒼白型の発作では、驚かされたことに対する神経の反応が心臓の動きを遅くするため、意識消失と呼吸停止(どちらも一時的です)が起きます。

    小児は呼吸が止まって急速に意識を失い、顔が白くなってぐったりします。けいれんや失禁が起こることもあります。発作の間は心臓の鼓動が非常にゆっくりになります。発作が治まると再び心臓は鼓動を速め、呼吸が再開し、治療をしなくても意識は戻ります。この型では特定の心臓病や脳の病気と似た症状がもたらされるため、発作がしばしば起こる場合、医師は診断するための評価を必要とすることがあります。

    小児における行動面の問題の概要も参照のこと。)

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