ディスレクシア

執筆者:Stephen Brian Sulkes, MD, Golisano Children’s Hospital at Strong, University of Rochester School of Medicine and Dentistry
Reviewed ByAlicia R. Pekarsky, MD, State University of New York Upstate Medical University, Upstate Golisano Children's Hospital
レビュー/改訂 2024年 4月 | 修正済み 2025年 4月
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やさしくわかる病気事典

ディスレクシアとは、単語のまとまりから1つの単語を識別したり、1つの単語の中の構成要素(音素)を識別したりすることが困難な、特殊な読みの障害のことです。

  • 患児は話し始めるのが遅かったり、はっきり発音できなかったりすることがあります。また、音を混ぜて発音したり、単語の中の音を識別したりすることがなかなかできないこともあります。

  • 学力検査や知能検査を行います。

  • 治療では、単語認識の方法を具体的に教えます。

ディスレクシアは学習症の一種です。ディスレクシアがある小児数は推定されていませんが、学校に通う小児の約15%が、読みの問題のために調整や特別指導を受けています。女児より男児に多く認められます。しかし、女児では認識されていない場合が多いだけの可能性もあります。ディスレクシアは遺伝する傾向があります。

脳が音と記号(文字)をうまく関連づけられないと、ディスレクシアが発生します。脳の中で起こるこの問題についてはほとんど分かっていません。このような問題は生まれたときからあります。そのため、単語のつづりを間違えたり、間違った書き方をしたり、音読のスピードが遅かったり、正確に音読できなかったりすることがあります。ディスレクシアがある小児は文字の順番を逆転させることが多いため、視覚障害が疑われますが、たいていの場合は、脳による音の知覚(脳が音をどう理解し、解釈するか)に問題があります。ディスレクシアでは話し言葉の理解に問題はありません。

ディスレクシアの症状

ディスレクシアがある未就学児では、以下が認められる場合があります。

  • 話し始めるのが遅い

  • はっきりとした発音で話せない(構音の問題)

  • 文字、数、色の名前をなかなか覚えられない

  • 数学的な計算技能は正常であるにもかかわらず、単語の問題に答えることには困難を覚える

多くの場合、ディスレクシアがある小児は、音を混ぜて発音したり、言葉の韻を踏んだり、単語の中でそれぞれの文字がどの音に対応しているのかを区別したり、単語を音節に分けたり、単語の中にある音の数を認識したりすることが困難です。言葉を選ぶことや、別の言葉に置き換えること、文字や絵の名前を言うことに、時間がかかったり、ためらったりするようであれば、ディスレクシアの初期徴候です。音に関する短期記憶の問題や、正しい音の順番に並べ替えたりすることが難しい場合も多くみられます。

ディスレクシアがある小児の多くは、似ている文字や単語を混同しがちです。字を書く際に単語の文字が入れ替わってしまう(例えばonnosawwasと書く)ことや、文字を取り違える(例えばbdwmnhを間違えます)ことが多くあります。しかし、ディスレクシアでない小児の多くも、小学校低学年の間は文字の順番が逆転することがあります。

ディスレクシアの診断

  • 読みの評価

  • 言語と聴覚の評価

  • 心理学的評価

小学校1年生の半ば、または終わり頃になっても、単語習得能力が伸びない小児には、ディスレクシアや学習に影響を及ぼす可能性のある他の問題がないかどうかを調べる検査を行うべきです。検査には言語検査、聴覚検査、知能検査や学力検査などが含まれ、通常は学校の職員が行います。

ディスレクシアの治療

  • 教育的介入

単語の認識の問題に対する最善の治療法は、複数の感覚を同時に働かせる手法を取り入れた直接的な指導です。この治療法では、様々な手がかりを通じて発音とつづり字の関係を教えます。

通常、治療は個別に行われますが、可能であれば国語の授業の一部として行われます。単語を認識するための間接的指導も役立ちます。この指導法では、通常、単語の発音や読解力を向上させるための訓練が行われます。単語を作るために音を組み合わせること、単語を音節で区切ること、単語の中の音の位置を見分けることによって、音の処理の仕方を教わります。

単語の構成要素を見分ける能力を習得させる指導も有用です。単語を作るために音を組み合わせたり、単語を音節に分けたり、単語の中にある音の位置を識別したりする訓練が含まれます。

米国個別障害者教育法(Individuals with Disabilities Education Act:IDEA)は、公立学校に対して、ディスレクシアやその他の学習症がある小児と青年に、適切な教育を無償で提供することを義務づけています。教育は極力制限がなく、可能な限り包括的な環境で行わなくてはなりません。つまり、障害のある小児が障害のない小児と交流する機会や、その地域にある施設などの資源を同等に使う機会を、あらゆる場面で与えられる教育環境です。障害をもつアメリカ人法(Americans with Disability Act)リハビリテーション法第504条(Section 504 of the Rehabilitation Act)にも、学校やその他の公共施設における配慮に関しての規定があります。

レクシアの小児が大きくなると、他の機能でディスレクシアを補っていく方法が役立つことがあります。オーディオブック、スクリーンリーダー(たいていのパソコンに付属している)、デジタルレコーダーやその他の技術が活用できます。

その他の治療法(例えば、視機能訓練、知覚訓練、聴覚統合訓練)と薬物療法は、有効性が証明されておらず、推奨されません。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いかねることをご了承ください。

  1. 米国個別障害者教育法(米国個別障害者教育法(Individuals with Disabilities Education Act:IDEA)):障害のある子どもが無料で適切な公教育を受けられるようにし、特別教育と関連サービスを受けられるようにする米国の法律

  2. 国際ディスレクシア協会(International Dyslexia Association):ディスレクシアの影響を受けている専門家、擁護者、個人、および家族に情報やサービスを提供する組織

  3. 障害をもつアメリカ人法(Americans with Disability Act):障害に基づく差別を禁止する米国の法律

  4. リハビリテーション法第504条(Section 504 of the Rehabilitation Act):障害のある人に一定の権利を保障する米国の法律

  5. 米国学習障害協会(Learning Disabilities Association of America:LDA):学習障害のある人々のための教育、支援、および権利擁護のためのリソースを提供する組織

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