胎児の発育段階

執筆者:Jessian L. Muñoz, MD, PhD, MPH, Baylor College of Medicine
Reviewed ByOluwatosin Goje, MD, MSCR, Cleveland Clinic, Lerner College of Medicine of Case Western Reserve University
レビュー/改訂 2024年 9月 | 修正済み 2024年 11月
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やさしくわかる病気事典

受精卵として始まった新たな命は、いくつもの段階を経て成長していきます。受精卵はその後、胚盤胞、胎芽、胎児へと発達していきます。

受精

月経周期が正常であれば、最後の月経開始日の約14日後に、通常、左右の卵巣のどちらかから1個の卵子が放出されます。卵子が放出されることを排卵といいます。放出された卵子はじょうご形をしている卵管の開口部からさっと卵管内に入ります。

排卵の時期になると、子宮頸部(子宮の下の部分)の粘液がサラサラになって伸びがよくなり、精子が子宮へと進入しやすくなります。精子は5分以内に、腟から子宮頸部を通って子宮に入り、卵管へと向かい、通常この部分で受精が起こります。

受精が起こらなければ卵子は卵管を下って子宮へ移動し、次の月経時に子宮から排出されます。

精子が卵子の中に入ると受精が成立します。卵管の内側の線毛の動きにより受精卵(接合子)は卵管から子宮へと運ばれます。受精卵は細胞分裂(2つの細胞に分裂)を繰り返しながら卵管を下って子宮へ移動していきます。3~5日後に受精卵は子宮に入ります。

子宮でも受精卵は細胞分裂を続け、胚盤胞と呼ばれる中空の球となります。受精後6日目頃に胚盤胞が子宮壁に着床します。

双生児の妊娠は、一卵性または二卵性の2つの方法で起こります。1個の受精卵が分裂開始後に2つの胎芽に分かれた場合は、一卵性双生児となります。この場合、1個の精子により1個の卵子が受精するため、2つの胎芽の遺伝物質は同じです。複数の卵子が放出されて受精すると、1個ずつの卵子と精子の遺伝物質は少しずつ異なるため、この結果生まれた双子は二卵性双生児です。

三つ子妊娠では、3つの卵子が受精するか、または、2つの胎芽が一卵性双生児(1つの受精卵が2つに分裂して生じる)で、3番目の胎芽が非一卵性である場合があります。3個を超える胎芽の妊娠では、一卵性の胎芽と非一卵性の様々な組み合わせが発生する可能性があります。

卵子から胎芽へ

月に1回、卵巣から卵管へと卵子が放出されます。性交後、精子は腟から子宮頸部、子宮へと進入して卵管に到達し、そこで1個の精子が卵子の中に入って受精が起こります。受精卵(接合子)は細胞分裂を繰り返しながら卵管を下って子宮へ移動します。まず受精卵(接合子)は細胞でできた球になります。それから、胚盤胞と呼ばれる中空の球になります。

胚盤胞は子宮に入って子宮内膜に着床し、そこで胚盤胞は胎芽へと成長します。胎芽は胎盤に付着し、液体で満たされた膜(胎嚢)に包まれた状態になります。

胚盤胞の発達

受精後6日目頃に胚盤胞が子宮内膜(通常は上部付近)に付着します。着床と呼ばれるこの過程は受精後9~10日目までに完了します。

胚盤胞の壁は大部分が1層の細胞でできていますが、一部は細胞が3~4層に重なっています。この厚くなった部分の内側の細胞が胎芽になり、外側の細胞は子宮内膜に入り込んで胎盤になります。胎盤は妊娠を維持する各種のホルモンを分泌します。例えば、胎盤はヒト絨毛性ゴナドトロピンを分泌しますが、このホルモンは卵巣からの排卵を抑制する一方で、卵巣を刺激してエストロゲンプロゲステロンを継続的に分泌させます。胎盤は酸素と栄養を母体から胎児へ、老廃物を胎児から母体へと運ぶ働きも担っています。

胎盤の細胞の一部は、成長する胚盤胞を包む外膜(絨毛膜)となります。絨毛膜の内側の膜(羊膜)になる細胞もあり、羊膜から羊膜腔が形成されます。羊膜腔が形成される頃には(受精後10~12日頃まで)、胚盤胞は胎芽とみなされます。羊膜腔は羊水と呼ばれる透明な液体で満たされ、胎芽が成長するにつれて大きくなり、胎芽は羊水に浮かんだ状態で成長していきます。

胎芽と胎盤の発達

発達の次の段階は胎芽で、羊膜腔の中の、いずれかの側の子宮内膜(子宮の内側を覆っている組織)の下で育ちます。体内の様々な器官や身体各部の構造のほとんどが形成されるのがこの時期の特徴です。受精から約16日後には、心臓と主要な血管が形成されます。妊娠およそ5週(受精の約3週間後)から心臓が体液を送り出し、血管から血液を送り出し始めます。他の臓器の大半が妊娠5週頃から形成され始めます。

ほぼすべての器官は受精からおよそ妊娠12週後までに完全に形成されます。ただし脳と脊髄は例外で、妊娠期間を通して形成、発達を続けます。

大半の形成異常(先天異常)は、器官が形成されるこの時期に起こります。胎芽はこの時期、薬剤や違法薬物、ウイルス感染、放射線の影響を最も受けやすい状態にあります。そのため妊婦は、生ウイルスワクチンの接種を控えるようにします。妊娠中の女性は、母体の健康に不可欠と考えられ、妊娠中に安全であることが知られている薬剤のみを服用するべきです(妊娠中の薬剤の安全性を参照)。

胎盤の発達とともに、細かい毛のような突起(絨毛)が胎盤から子宮壁へと伸びていきます。この突起(絨毛)は樹木のように枝分かれを繰り返す構造をしています。この構造により、母体の血管から胎児へ体液、酸素、栄養素が通過し、また胎児から母体へ二酸化炭素と老廃物が通過するための接触面積が大幅に増加します。

妊娠8週頃の胎盤と胎芽

妊娠8週(受精から6週間後)には、胎芽の大部分の主要器官系が発達し始めています。胎盤も発達し、細かい毛のような突起(絨毛)が伸びて、子宮壁内に入り込みます。

絨毛は胎芽の循環系の一部となります。胎芽から出た血管は臍帯を通って胎盤に入り、絨毛内へと伸びていきます。その後、血液は胎芽に戻ります。母体の血液は胎盤の絨毛を通過し、その周りの空間が母体の血液で満たされます。母体と胎芽の血管は、薄い膜で隔てられています。血液は直接母体から胎芽へと流れません。

液体、酸素、栄養素は母体と胎芽の間の膜を通り、二酸化炭素や老廃物は胎芽から母体へと流れていきます。

胎盤からの細胞も羊膜腔内へと発達していきます。胎芽の周囲には羊膜(内膜)と絨毛膜(外膜)の2層の膜が形成されます。羊膜と絨毛膜は胎芽の周囲に袋(羊膜腔)を作ります。羊膜腔は液体(羊水)で満たされ、胎芽はこの中に浮かんでいます。

羊水は胎芽が自由に成長できる空間となり、また胎芽に損傷を与えないよう保護します。羊膜腔は弾力性に富み、丈夫にできています。

胎盤は18~20週までに完成しますが、妊娠期間を通じて大きくなります。分娩時の胎盤の重さは約1ポンドです。

赤ちゃんの成長

受精から8週間(妊娠10週)が経つと、胎芽は胎児とみなされます。この時期には、すでにできあがった器官や構造が成長と発達を続けます。

  • 妊娠12週まで:胎児が子宮全体を占めるようになります。妊娠の進行と胎児の成長とともに子宮が大きくなります。

  • 妊娠14週頃まで:超音波検査による性別の判定が可能になります。

  • 妊娠16~20週頃まで:多くの場合、胎動が感じられるようになります。一般に初産婦よりも経産婦の方が2週間ほど早く胎動を感じます。

脳は妊娠期間を通じて新しい細胞を蓄え続け、生後1年まで増え続けます。肺は出産間近まで発達を続けます。

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