前立腺膿瘍

よくみられる症状としては以下のものがあります。

• より頻回の排尿

• 排尿時の痛み

• 排尿自体が困難になる（尿閉）

• 陰嚢（いんのう）と肛門の間の部分の痛み

上記以外の比較的まれな症状としては、精巣上体炎（精巣上体［精子が入っているコイル状の管］の炎症）による陰嚢の痛み、血尿、尿道からの膿の排出などがあります。ときに発熱もみられます。

直腸診（医師が行います）は痛みを伴うことがあります。通常は前立腺が大きくなっています。

• 前立腺超音波検査

• ときに膀胱鏡検査

陰嚢と肛門の間の部分（会陰部）に長く続く痛みがある男性では、医師はしばしば前立腺膿瘍を疑います。治療にもかかわらず尿路感染症が持続したり再発したりする場合にも、この病気が疑われます。これらの症状がみられる男性は、前立腺超音波検査と状況に応じて膀胱鏡検査を受けるべきです。

しかし、多くの膿瘍は前立腺の手術や尿路の内視鏡検査（膀胱鏡検査）の際に偶然発見されます。前立腺膿瘍の男性では尿中に膿と細菌が認められるのが一般的ですが、人によっては膿も細菌も認められない場合があります。

• 抗菌薬

• 膿の排出

治療としては、抗菌薬（例えばシプロフロキサシンやトリメトプリム/スルファメトキサゾール）の投与と膿瘍から膿を排出させる処置（ドレナージ）を行います。膿を排出させるには、2つの方法があります。1つは、医師が尿道内に器具を挿入してから、膿瘍に孔を開けて膿を排出させる方法です。もう1つの方法では、医師が陰嚢と肛門の間の部分（会陰部）に中空の針を刺して、その針を通して膿を吸い出します（穿刺吸引）。