アメーバ性角膜炎

完全なレビュー: 2025年 9月 執筆者:Chelsea Marie, PhD, University of Virginia | William A. Petri, Jr, MD, PhD, University of Virginia School of Medicine | 査読者Christina A. Muzny, MD, MSPH, Division of Infectious Diseases, University of Alabama at Birmingham
最終更新日: 2025年 9月
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アメーバ性角膜炎は眼の角膜(眼の虹彩と瞳孔の前にある透明な層)に生じるまれな感染症で、自由生活性アメーバであるアカントアメーバ(Acanthamoeba)原虫によって引き起こされます。通常は、コンタクトレンズの使用者に発生します。

  • アメーバ性角膜炎は、痛みを伴う角膜の潰瘍の原因となり、通常は視力が低下します。

  • 角膜組織のサンプルを採取して、観察と検査を行います。

  • 潰瘍が浅ければ、眼科医は感染し傷ついた細胞を除去し、抗菌薬の点眼薬で感染症を治療します。

  • この感染症を予防するには、コンタクトレンズを無菌の洗浄液につけておき、水泳中、ホットタブ浴中、入浴中はコンタクトレンズをつけないようにするべきです。

自由生活性アメーバは、寄生虫の一種である原虫です。多様な単細胞の微生物群を構成しています。

自由生活性アメーバのアカントアメーバ(Acanthamoeba)はさらに、腸管外寄生原虫(腸管外寄生原虫に関する序論も参照)に分類され、眼などの腸以外の部位にのみ感染を引き起こします。

アカントアメーバ(Acanthamoeba)は、世界中で水中、土壌、下水、ほこりの中に存在します。また、水道水、シャワー、ホットタブ、空調ユニット中にも存在することがあります。生存するために人や動物の宿主を必要とせず、感染症を引き起こすことはまれですが、眼、鼻、傷ついた皮膚から体内に侵入して増殖することがあります。一部の感染症は、角膜(虹彩や瞳孔の前にある透明な層)に誤って傷がつくことで起こることもあります。アカントアメーバ(Acanthamoeba)が眼の中に入ると、角膜に重度の感染症(アメーバ性角膜炎)を引き起こすことがあります。

ほとんどの場合、アメーバ性角膜炎の主な危険因子はコンタクトレンズの使用です。特に、水が汚染された状態で水泳中や入浴中にレンズをつけていたり、滅菌されていないレンズ溶液で洗浄したり保管したりした場合です。ソフトコンタクトレンズ(使い捨て製品を除く)や、多目的コンタクトレンズ溶液、リコール回収されたコンタクトレンズ洗浄液、コンタクトレンズの手入れ不良が、その他の危険因子です。

寄生虫感染症の概要も参照のこと。)

アメーバ性角膜炎の症状

アメーバ性角膜炎は、徐々に破壊的な症状が現れることのある病気です。

通常は、角膜に強い痛みを伴うびらんが生じ、眼の充血、涙が大量に出ること、異物感、光にあたったときに痛みを感じる(光過敏)ことが生じます。通常は視力も影響を受けます。

びらんは通常、片目だけに生じます。まれに、両目が影響を受けることがあります。

アメーバ性角膜炎の診断

  • 角膜から採取したサンプルの観察と培養

  • アメーバの遺伝物質の有無を調べるためのPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査

アメーバ性角膜炎を診断するには、角膜組織のサンプルを採取して、顕微鏡での観察と培養検査を行います。培養検査では、特定するのに十分な量ができるまで、培養検査室でアメーバを増殖させます。

また、アメーバの遺伝物質(DNA)を調べるために、組織サンプルのPCR検査も行います。

アメーバ性角膜炎の治療

  • 抗菌薬

速やかに眼科医が治療を開始するべきです。表面にとどまっている初期の感染は、比較的容易に治療できます。表面にびらんがある場合は、感染して傷ついた細胞を綿棒で取り除きます。抗菌薬を直ちに開始します。

アメーバ性角膜炎は、抗菌薬のクロルヘキシジン、ポリヘキサメチレンビグアナイド、またはその両方を点眼薬として点眼することで治療します。最初の3日間は、1~2時間ごとにこれらの点眼薬を点眼します。プロパミジンとヘキサミジンは、投与される可能性のある他の抗菌薬です。

最初の1カ月間は治療を集中的に行い、その後眼の治癒が進むにつれて治療の程度を軽くしていきます。治療はしばしば6~12カ月間続きます。治療の中止が早いと、感染症が再発しやすい傾向があります。ステロイド(コルチコステロイドまたはグルココルチコイドとも呼ばれる)の点眼薬は使用すべきではありません。

抗菌薬が無効であった場合を除き、傷ついた角膜に健康な角膜を移植する手術(角膜移植術)が必要になることはまれです。

アメーバ性角膜炎の予防

アメーバ性角膜炎を予防するため、コンタクトレンズの使用者は以下のことを行うべきです。

  • コンタクトレンズの洗浄と保管について眼科医や製造業者の推奨に従う

  • コンタクトレンズを扱う前に徹底して手を洗う

  • 保存液を清潔に保ち、再使用はせず、容器からこぼさないようにする

アメーバ性角膜炎を予防するために、コンタクトレンズを装着している人は、自家製の溶液や水道水でレンズを洗ったりレンズを保管したり、レンズを装着したままで水泳(プールに添加された塩素中の漂白剤がアメーバを死滅させることはありません)をしたり、ホットタブに入ったり、入浴したりするべきではありません

起きている間に一晩中コンタクトレンズを装着したり、コンタクトレンズをつけたまま寝たりすると、アメーバ性角膜炎のリスクが高くなります。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こうした情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いかねることをご了承ください。

  1. Centers for Disease Control and Prevention (CDC): About Acanthamoeba Infections(米国疾病予防管理センター:アカントアメーバ感染症)

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