HAVA型肝炎ウイルス

執筆者:Margot L. Savoy, MD, MPH, Lewis Katz School of Medicine at Temple University
Reviewed ByEva M. Vivian, PharmD, MS, PhD, University of Wisconsin School of Pharmacy
レビュー/改訂 修正済み 2025年 7月
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A型肝炎ワクチンは、A型肝炎ウイルスによって引き起こされる肝臓の炎症であるA型肝炎の予防に役立ちます。

ワクチンの接種により、感染者数は減少しました。

免疫化の基礎知識も参照)

ワクチンの種類

米国で接種できるワクチンは、A型肝炎ワクチンが2種類、A型肝炎とB型肝炎混合ワクチンが1種類あります。

すべてのA型肝炎ワクチンは不活化ワクチンで、感染を引き起こさないA型肝炎ウイルスの成分を含有しています。このウイルスは無害であるため、A型肝炎に感染することはありませんが、人の免疫系に強い反応を誘発します(能動免疫化を参照)。

混合ワクチンには、A型肝炎とB型肝炎ワクチンが含まれています。

A型肝炎ワクチンの用量および推奨事項

A型肝炎ワクチンはすべて筋肉内に注射します。

このワクチンを接種すべき人

A型肝炎ワクチンは小児期の定期予防接種に組み込まれています。通常は、生後12~23ヵ月に1回目、2回目の投与はその6~18ヵ月後に行います。この2回の接種は、ワクチン未接種の成人も受けることができます。(CDC:出生から6歳までに推奨される予防接種、米国、2025年版[Recommended Immunizations for Birth Through 6 Years, United States, 2025]およびCDC: 19歳以上の成人に推奨される予防接種、米国、2025年版[Recommended Immunizations for Adults 19 Years and Older, United States, 2025]を参照。)

すべての小児にA型肝炎ワクチンを投与するべきです。初回投与後では6~12ヵ月間、2回目の投与以降では14~20年間以上、A型肝炎を予防できます。

A型肝炎ワクチンは、予防接種を受けたことがない年長の小児や青年に接種が推奨されています。

このワクチンは、A型肝炎感染症のにかかるリスクが高い以下の人にも推奨されています。

  • A型肝炎の流行地域へ旅行する、またはその地域で勤務する人

  • A型肝炎ウイルスへの職業曝露のリスクが高い人(A型肝炎ウイルスに感染した霊長類がいる研究室職員または研究室でA型肝炎ウイルスを取り扱う職員など)

  • 違法薬物を使用している人(注射に限らない)

  • 男性同性愛者

  • 慢性肝疾患のある人(B型肝炎C型肝炎肝硬変脂肪性肝疾患アルコール性肝疾患、自己免疫性肝炎など)または特定の肝酵素の血中濃度が高い人

  • 路上生活をしているホームレスの人

  • HIVに感染している人

  • A型肝炎の流行地域から米国に養子に来た小児と入国後60日以内に濃厚に接触することが予想される人

  • 妊娠期間中にA型肝炎に感染するリスクが高い妊婦(海外渡航者、違法薬物を使用している人[注射に限らない]、職業曝露の可能性がある人、A型肝炎の流行地域から養子に来た小児と濃厚に接触することが予想される人、または路上生活をしているホームレスの人など)またはA型肝炎に感染すると重症化する、または死に至るリスクのある人(慢性肝疾患またはHIV感染のある妊婦など)

このワクチンを未接種であるが、A型肝炎を予防したい成人は、危険因子がなくても接種することができます。

A型肝炎が大流行中である場合、A型肝炎ウイルス感染症にかかるリスクのある1歳以上の人はこのワクチンを接種するべきです。

混合ワクチンは、A型肝炎またはB型肝炎ワクチンのいずれかの接種を必要とし、過去にいずれのワクチンも接種したことがない18歳以上の人に使用することができます。接種は3回または4回に分けて実施されます。

このワクチンを接種すべきでない人

A型肝炎ワクチンのいずれかの成分に対して生命を脅かす重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー反応など)を起こしたことがある人は、このワクチンを接種するべきではありません。

一時的な病気がある場合、通常ワクチンは病気が消散してから投与します(CDC:これらのワクチンを接種すべきでない人[Who Should NOT Get Vaccinated With These Vaccines?]も参照)。

詳しい情報

一般的な副作用には、注射部位のヒリヒリとした痛み、発赤、または腫れなどがあります。生後12~23ヵ月の小児では発熱がみられることがあり、成人では頭痛が起こることもあります。

副作用の詳細については、添付文書を参照してください。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いかねることをご了承ください。

  1. 米国疾病予防管理センター(CDC):A型肝炎ワクチン情報提供文書(Hepatitis A vaccine information statement)

  2. 欧州疾病予防管理センター(ECDC):A型肝炎(Hepatitis A):推奨される予防接種(Recommended vaccinations)

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