エムポックス(サル痘)

(MPX)

完全なレビュー: 2023年 4月 執筆者:Brenda L. Tesini, MD, University of Rochester School of Medicine and Dentistry | 査読者Brenda L. Tesini, MD, University of Rochester School of Medicine and Dentistry
最終更新日: 2025年 4月
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やさしくわかる病気事典

エムポックスは、天然痘ウイルスと近縁のサル痘ウイルスによって引き起こされる感染症で、天然痘と似ているものの、通常はより軽い症状を引き起こします。

  • エムポックスは、天然痘ウイルスと近縁のサル痘ウイルスによって引き起こされます。

  • 最も目立つ症状は発疹です。

  • エムポックスの診断は通常、皮膚病変からサンプルを採取し、ウイルスの遺伝物質(DNA)を調べる検査を行なって下されます。

  • エムポックスを予防するためのワクチンが利用できます。

  • エムポックスの治療は、大半が症状の緩和を目的にして行われ、抗ウイルス薬が役立つことがあります。

ウイルス感染症の概要も参照のこと。)

サル痘と天然痘は、オルソポックスウイルスと呼ばれるウイルス群の一種です。別のウイルス群の一種の水痘帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる水痘とは無関係です。

その名称にもかかわらず、サル痘ウイルスはサルに由来するものではありません。病原体保有生物(感染源の動物)は不明ですが、最も可能性が高い動物はアフリカ熱帯雨林(ほとんどが西アフリカおよび中央アフリカ)に生息する小型のげっ歯類(例えば、リス)です。サル痘ウイルスによって引き起こされるこの疾患は当初「サル痘」とも呼ばれていましたが、2022年11月に、このウイルスが引き起こす疾患に対して「エムポックス(mpox)」という名称が世界保健機関によって導入されました(サル痘に代わる新たな疾患名に関するWHO勧告[WHO recommends new name for monkeypox disease]を参照)。

2022年には、欧州の数ヵ国と米国を含む、普段はエムポックスの感染がみられない約70の国において、エムポックスの症例が報告されました。それまでエムポックスの人から人への持続的な感染は主にアフリカで起こっていたため、これは新しい状況です。世界保健機関(WHO)は、2022年のエムポックスの集団発生を、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態であると宣言しました(WHO:2022年サル痘の集団発生[WHO: Monkeypox Outbreak 2022]を参照)。米国における新たな感染者数は、2022年8月のピーク時から劇的に減少しています。

医療機関は、2022年の集団発生中に人々がどのようにしてウイルスにさらされ、どのように感染が拡大していたのかを調査しています。男性と性行為をする男性で多くの症例が発生していますが、このパターンが続くかどうか、また性行為を通じて感染するかどうかは分かっていません。

歴史的には、人へのエムポックスの感染は主にアフリカで散発的にみられ、ときおり流行が発生していました。大半の症例がコンゴ民主共和国の小児間に発生していました。

2000年代からは、アフリカで症例数が徐々に増えてきています。その理由としては以下のものが考えられます。

  • エムポックスの予防に役立っていた天然痘ワクチンがもはや接種されなくなったこと

  • このウイルスを保有している動物の生息地域に人が入り込んでいること

2022年までは、アフリカ以外で発生した感染例には、西および中央アフリカへの旅行や同地域から輸入された動物との直接的な関連が認められていました。米国では、2003年にエムポックスの集団発生がみられましたが、このときには、感染したげっ歯類がペットとしてアフリカから輸入されていました。それらのげっ歯類からペットのプレーリードッグにウイルスが広がり、その後、アメリカ中西部の人々に感染が広がりました。

エムポックスはいくつかの経路で広がります(米国疾病予防管理センター:米国における2022年エムポックスの集団発生[Centers for Disease Control and Prevention (CDC): 2022 U.S. Mpox Outbreak]も参照)。以下の経路で人から人に広がることがあります。

  • 感染性のある発疹、かさぶた、体液への直接的な接触

  • 長時間の対面での接触時、またはキスをする、抱き合う、性行為などの親密な身体接触時の呼吸器の分泌物

  • 感染性のある発疹や体液に触れた物品(衣類や寝具など)に触れること

  • 胎盤(妊婦から胎児への感染)

エムポックスは、感染した動物と接触した際に、おそらくは動物に咬まれたり引っかかれたりするか、感染した動物の肉を調理して食べることで広がる可能性があります。

エムポックスの症状

エムポックスは、天然痘と似た症状を引き起こします。天然痘でみられるように、エムポックスの発疹はまず、平坦な赤い斑点として現れます。斑点はその後、水疱になり、その中は膿で満たされています(膿疱を形成します)。数日後には膿疱がかさぶたで覆われます。2022年の集団発生以前は、発疹は顔面から始まり、他の部位(手のひらや足の裏など)に広がることが多くありました。しかし、2022年の世界的流行では、発疹はしばしば性器またはその近くや口の中で始まり、痛みを伴うことが多く、典型的な段階を経て広がったり進行したりしないこともありました。

症状としては、発熱、悪寒、頭痛、筋肉痛、背中の痛み、極度の疲労、リンパ節の顕著な腫れなどがあります。これらの症状は、発疹が現れる前、発疹が現れている間、あるいは発疹が現れた後に発生することがあります。

エムポックスにかかると、ほかの感染症にもかかる可能性が高くなります。一部のエムポックス患者では、皮膚や肺に細菌感染がみられます。

サル痘は通常、天然痘よりも軽症ですが、死に至るケースもあります。2003年に米国で流行した際には、死亡例は報告されていません。2022年の集団発生では、数千人の患者のうち数人が死亡しています。

症状が最初に現れるのは、感染してから1~2週間後ですが、現れるまでに3週間ほどかかることもあります。他の人への感染性(ウイルスを他の人に広げる可能性があるという意味)は、症状が現れてからすべての病変がかさぶたになり、かさぶたが剥がれて正常な皮膚が現れるまで持続します。これには一般的に2~4週間かかります。

エムポックス
エムポックス (1)

エムポックスの発疹ほっしん天然痘てんねんとうのものとています。2022ねん集団しゅうだん発生はっせい以前いぜんは、発疹ほっしん顔面がんめんからはじまり、ほか部位ぶいのひらやあしうらなど)にひろがることがおおくありました。からだのどの部分ぶぶん皮膚病ひふびょうへん類似るいじしており、密集みっしゅうして発生はっせいしていました。

2022ねん世界的せかいてき流行りゅうこうでは、発疹ほっしんはしばしば性器せいきまたはそのちかくや口腔こうくうないからはじまり、いたみをともなうことがおおく、ときに、典型的てんけいてき段階だんかいひろがったり進行しんこうしたりしないこともありました。

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Image courtesy of the Public Health Image Library of the Centers for Disease Control and Prevention.

エムポックス (2)

エムポックスの発疹は天然痘のものと似ています。2022年の集団発生以前は、発疹は顔面から始まり、他の部位(手のひらや足の裏など)に広がることが多くありました。体のどの部分の皮膚病変も類似しており、密集して発生していました。

2022年の世界的流行では、発疹はしばしば性器またはその近くや口の中から始まり、痛みを伴うことが多く、典型的な段階を経て広がったり進行したりしないことがありました。

エムポックスの発疹は天然痘のものと似ています。2022年の集団発生以前は、発疹は顔面から始まり、他の部位(手のひらや足の裏など)に広がることが多くありました。体のどの部分の皮膚病変も類似しており、密集して発生していました。

2022年の世

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Image from U.K. Health Security Agency.

エムポックス (3)

エムポックスの発疹は天然痘のものと似ています。2022年の集団発生以前は、発疹は顔面から始まり、他の部位(手のひらや足の裏など)に広がることが多くありました。体のどの部分の皮膚病変も類似しており、密集して発生していました。

2022年の世界的流行では、発疹はしばしば性器またはその近くや口の中から始まり、痛みを伴うことが多く、典型的な段階を経て広がったり進行したりしないことがありました。

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2022年の世

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Image from U.K. Health Security Agency.

エムポックス (4)

エムポックスの発疹は天然痘のものと似ています。2022年の集団発生以前は、発疹は顔面から始まり、他の部位(手のひらや足の裏など)に広がることが多くありました。体のどの部分の皮膚病変も類似しており、密集して発生していました。

2022年の世界的流行では、発疹はしばしば性器またはその近くや口の中から始まり、痛みを伴うことが多く、典型的な段階を経て広がったり進行したりしないことがありました。

エムポックスの発疹は天然痘のものと似ています。2022年の集団発生以前は、発疹は顔面から始まり、他の部位(手のひらや足の裏など)に広がることが多くありました。体のどの部分の皮膚病変も類似しており、密集して発生していました。

2022年の世

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Image from U.K. Health Security Agency.

エムポックス (5)

エムポックスの発疹は天然痘のものと似ています。2022年の集団発生以前は、発疹は顔面から始まり、他の部位(手のひらや足の裏など)に広がることが多くありました。体のどの部分の皮膚病変も類似しており、密集して発生していました。

2022年の世界的流行では、発疹はしばしば性器またはその近くや口の中から始まり、痛みを伴うことが多く、典型的な段階を経て広がったり進行したりしないことがありました。

エムポックスの発疹は天然痘のものと似ています。2022年の集団発生以前は、発疹は顔面から始まり、他の部位(手のひらや足の裏など)に広がることが多くありました。体のどの部分の皮膚病変も類似しており、密集して発生していました。

2022年の世

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Image from U.K. Health Security Agency.

エムポックス (2)

エムポックスの発疹ほっしん天然痘てんねんとうのものとています。2022ねん集団しゅうだん発生はっせい以前いぜんは、発疹ほっしん顔面がんめんからはじまり、ほか部位ぶいのひらやあしうらなど)にひろがることがおおくありました。からだのどの部分ぶぶん皮膚病ひふびょうへん類似るいじしており、密集みっしゅうして発生はっせいしていました。

2022ねん世界的せかいてき流行りゅうこうでは、発疹ほっしんはしばしば性器せいきまたはそのちかくや口腔こうくうないからはじまり、いたみをともなうことがおおく、ときに、典型的てんけいてき段階だんかいひろがったり進行しんこうしたりしないこともありました。

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Image from NHS England High Consequence Infectious Disease Network.

エムポックス (3)

エムポックスの発疹ほっしん天然痘てんねんとうのものとています。2022ねん集団しゅうだん発生はっせい以前いぜんは、発疹ほっしん顔面がんめんからはじまり、ほか部位ぶいのひらやあしうらなど)にひろがることがおおくありました。からだのどの部分ぶぶん皮膚病ひふびょうへん類似るいじしており、密集みっしゅうして発生はっせいしていました。

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Image from NHS England High Consequence Infectious Disease Network.

エムポックス (8)

エムポックスの発疹は天然痘のものと似ています。2022年の集団発生以前は、発疹は顔面から始まり、他の部位(手のひらや足の裏など)に広がることが多くありました。体のどの部分の皮膚病変も類似しており、密集して発生していました。

2022年の世界的流行では、発疹はしばしば性器またはその近くや口の中から始まり、痛みを伴うことが多く、典型的な段階を経て広がったり進行したりしないことがありました。

エムポックスの発疹は天然痘のものと似ています。2022年の集団発生以前は、発疹は顔面から始まり、他の部位(手のひらや足の裏など)に広がることが多くありました。体のどの部分の皮膚病変も類似しており、密集して発生していました。

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RICHARD USATINE MD / SCIENCE PHOTO LIBRARY

エムポックスの診断

医師は、典型的なエムポックスの皮膚病変に似た発疹がある人には、その症状の原因がエムポックスである可能性を考慮します。

エムポックスの診断は通常、皮膚病変からサンプルを採取し、ウイルスの遺伝物質(DNA)を調べる検査を行なって下されます。

サル痘の検出に必要なその他の検査としては、感染した組織を検査室に送り、ウイルスを培養して分析する検査、サル痘ウイルスに対する抗体の有無を調べる血液検査、感染組織のサンプルの顕微鏡による検査があります。

エムポックスの治療

エムポックスの治療は、大半が症状の緩和を目的にして行われ、抗ウイルス薬が役立つことがあります。エムポックスに効くことが証明されている安全な治療法はありません。抗ウイルス薬のテコビリマト、シドホビル、またはブリンシドホビルが役立つ可能性がありますが、いずれもエムポックスの治療法としての研究は行われていません。

エムポックスの予防

天然痘の予防に使用されるJYNNEOSとACAM2000という2つのワクチンが、エムポックスの予防に使用されることがあります (CDC:エムポックスに対するワクチン接種の基礎[CDC: Mpox Vaccination Basics]を参照)。サル痘ウイルスは天然痘の原因ウイルスと非常に近縁であるため、天然痘ワクチンは、エムポックスの予防に少なくとも85%の効果を示すことが、アフリカでの過去のデータから示唆されています。局地的な集団発生が起きている地域でエムポックスにさらされるリスクが高い人や、感染している人に接触する医療従事者には、天然痘ワクチンが提供されることがあります。

JYNNEOSは生きたワクシニアウイルスを弱毒化して作られるワクチンで、接種を受けた人の体内で増殖することはありません。JYNNEOSは、米国で現在起きている集団発生で使用されている主要なワクチンです。このワクチンは、エムポックスのリスクが高い18歳以上の成人や、最近エムポックスに曝露したことが分かっているか曝露したと思われる場合に、エムポックスの予防に使用されています。JYNNEOSはまた、局地的な集団発生が起きている状況で社会的な理由からエムポックスにさらされるリスクが高い人にも接種されることがあります。免疫機能が低下している人は、JYNNEOSワクチンの接種は受けることができますが(ACAM2000は使用できません)、効果が弱くなる可能性があります。

ACAM2000ワクチンには生きたワクシニアウイルスが含まれていますが、これは天然痘ウイルスと近縁のウイルスで、サル痘ウイルスと天然痘ウイルスの両方に対して交差免疫をもたらします。エムポックス(または天然痘)のリスクが高い人に接種されています。ACAM2000の接種は、ワクチンに浸しておいた専用の針を、医師が狭い範囲に15回すばやく突き刺すことによって行われます。ACAM2000によるワクチン接種は危険であり、一部の人、特に以下の危険因子がある人には推奨されません。

  • 免疫機能が低下している人(エイズ患者や免疫機能を抑える薬剤を使用している人など)

  • 皮膚疾患(特にアトピー性皮膚炎[湿疹])

  • 眼の炎症

  • 心臓の病気

  • 1歳未満

  • 妊娠

入院していないエムポックスの感染者は以下の対策を講じるべきです。

  • 病変が消失し、かさぶたがはがれ、新たに正常な皮膚の層が形成されるまで、外出をしない

  • 他の人や動物との直接の身体的接触を避ける

  • 寝具、タオル、衣服、コップ、食器など、汚染の可能性がある物品の共用を控え、よく接触する表面および物品をきれいにして消毒する

  • 家庭内でほかの人との濃厚接触が避けられない場合は、マスクを着用する

エムポックスの診断を受けた後の安全な自宅隔離についての詳細なガイダンスは、米国疾病予防管理センター:エムポックス:隔離と感染制御:自宅(CDC: Mpox: Isolation and Infection Control: Home)を参照してください。エムポックス 隔離と感染制御:自宅

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いかねることをご了承ください。

  1. 米国疾病予防管理センター(CDC):エムポックスについて(Centers for Disease Control and Prevention: About Monkeypox)

  2. 世界保健機関(WHO):サル痘(World Health Organization [WHO]: Monkeypox)

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