インフルエンザ菌b型ワクチン

執筆者:Margot L. Savoy, MD, MPH, Lewis Katz School of Medicine at Temple University
Reviewed ByEva M. Vivian, PharmD, MS, PhD, University of Wisconsin School of Pharmacy
レビュー/改訂 修正済み 2025年 7月
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インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチンは、肺炎髄膜炎など、Hibによる細菌感染症の予防に役立ちます。この種の感染症は小児では重篤化することがあります。ワクチンの接種により、小児の重い感染症の発生率は99%低下しています。また、この種の感染症は、免疫系が正常で脾臓(ひぞう)が機能している成人に発生することはまれです。

免疫化の基礎知識も参照)

ワクチンの種類

数種類のワクチン製剤が開発されています。

すべてのHibワクチンは多糖体結合型ワクチンであり、感染を引き起こさない細菌の成分と、別の細菌由来の特定のタンパク質成分を含有しています。これらの成分は無害であるため、Hib感染症を引き起こすことはありませんが、免疫系に強い反応を誘発します(能動免疫化を参照)。

Hib、B型肝炎、不活化ポリオウイルス、ジフテリア・破傷風・百日咳(DTaP)などを含む混合ワクチンも存在します。

インフルエンザ菌b型ワクチンの用量および推奨事項

Hibワクチンはすべて筋肉内に注射します。

このワクチンを接種すべき人

Hibワクチンは小児期の定期予防接種に組み込まれています。どの製剤を使うかにより、接種は生後2ヵ月と4ヵ月の2回、または2ヵ月と4ヵ月と6ヵ月の3回のいずれかで行います。いずれの場合も、追加接種は生後12~15ヵ月に行います(合計3回または4回の接種)。(CDC:出生から6歳までに推奨される予防接種、米国、2025年版(Recommended Immunizations for Birth Through 6 Years, United States, 2025)を参照)。例えば、化学療法、放射線療法、幹細胞移植を受ける予定の小児やHIV感染症の小児には、追加投与が必要になることもあります。

小児は全員ワクチン接種を受けるようにします。

Hibワクチンは、この感染症のリスクが高い以下の人々にも推奨されています。

  • 脾臓がない人や脾臓がうまく機能していない人のうち、予防接種を受けたことがない人

  • たとえ予防接種を受けていたとしても、幹細胞移植を受けたことがある人

CDC:19歳以上の成人に推奨される予防接種、米国、2025年版[Recommended Immunizations for Adults Aged 19 Years and Older, United States, 2025]も参照。)

このワクチンを接種すべきでない人

Hibワクチンのいずれかの成分に対して生命を脅かす重篤なアレルギー反応(アナフィラキシー反応など)を起こしたことがある人は、このワクチンを接種するべきではありません。

生後6週未満の乳児は、Hibワクチンの接種を受けるべきではありません。

一時的な病気がある場合、通常ワクチンは病気が消散してから投与します(CDC:これらのワクチンを接種すべきでない人[Who Should NOT Get Vaccinated With These Vaccines?]も参照)。

インフルエンザ菌b型ワクチンの副作用

注射部位のヒリヒリとした痛み、腫れ、発赤などの副作用が起こることがあります。

小児では、予防接種後に発熱、泣き叫び、苛立ちがみられることがあります。

副作用の詳細については、添付文書を参照してください。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こちらの情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いかねることをご了承ください。

  1. 米国疾病予防管理センター(CDC):インフルエンザ菌b型(Hib)ワクチン情報提供文書(Haemophilus Influenzae type b [Hib] vaccine information statement)

  2. 欧州疾病予防管理センター(ECDC):インフルエンザ菌b型感染症(Haemophilus Influenzae Type B Infection):推奨される予防接種(Recommended vaccinations)

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