抗糸球体基底膜疾患

(グッドパスチャー病;Goodpasture症候群;抗GBM病)

執筆者:Joyce Lee, MD, MAS, University of Colorado School of Medicine
Reviewed ByRichard K. Albert, MD, Department of Medicine, University of Colorado Denver - Anschutz Medical
レビュー/改訂 修正済み 2025年 9月
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抗糸球体基底膜(抗GBM)疾患(グッドパスチャー症候群とも呼ばれます)は、まれな自己免疫疾患であり、肺の中での出血と進行性の腎不全が起こります。

  • 一般に、呼吸困難や喀血がみられることがあります。

  • 診断を下すには、血液や尿の検査と胸部画像検査が必要です。

  • ステロイド(ときにグルココルチコイドまたはコルチコステロイドと呼ばれます)、シクロホスファミド(化学療法の薬剤)、血漿交換などを用いて、肺や腎臓の永続的な損傷を防ぐようにします。

免疫系の重要な機能に、感染に対する防御があります。免疫系は、感染から体を守るために、微生物を自己に対する異物と認識し、その微生物と結合するタンパク質(抗体)を生産して、微生物を体内から除去できるようにします。自己免疫疾患では、自己の組織が異物であるかのように体が誤って反応してしまいます。肺の自己免疫疾患では、肺の組織が免疫系の攻撃を受けて損傷します。肺が侵される自己免疫疾患では、しばしば他の臓器、特に腎臓も侵されます。

抗糸球体基底膜(抗GBM)疾患(グッドパスチャー症候群とも呼ばれます)は、一般に腎臓の損傷とびまん性肺胞出血肺腎症候群)を引き起こす、特殊な自己免疫疾患です。抗GBM疾患は、ときに腎臓や肺だけに影響を及ぼします。

抗GBM感染症は、遺伝的に感受性があると考えられる人に起こります。このような人では、タバコの煙や、比較的まれではありますが一部の溶媒などの、生活環境に存在する物質やウイルス性呼吸器感染症によって、自己の体の特定の部位に反応し破壊する抗体が作られることがあります。これらの抗体は、一般に、肺胞や肺の毛細血管、腎臓のろ過装置などに損傷を与えます。抗体によって炎症が誘発され、肺や腎臓に影響が生じます。

抗糸球体基底膜疾患の症状

抗GBM感染症の症状には以下のものがあります。

  • 尿に血が混じる

  • せき

  • 喀血

  • 疲労感

  • 発熱

  • 息切れ

  • 意図しない体重減少

疲労や蒼白は、失血による貧血の症状として生じることがあります。腎臓が損傷した結果、脚の腫れ(浮腫)が生じる人もいます。

症状は急速にひどくなることがあります。ときに症状があまりにひどい場合は、肺が機能しなくなり、あえいだり、重度の呼吸困難をきたしたり、皮膚の色が青色がかったり、蒼白や灰色がかった色に変化したりする(チアノーゼ)ことがあります。肺が機能しなくなると、体の組織が十分な酸素を受け取ることができず、死に至ることもあります。

また、大量の血液が失われる可能性があります。同時に、腎機能が急速に低下することもあります。

肺出血に関連する症状は、腎臓の損傷に関連する症状の数週間前、または早ければ数年前に起こることさえあります。

抗糸球体基底膜疾患の診断

  • 胸部画像検査

  • ときに内視鏡(観察用の柔軟な管状の機器)を肺に挿入し(気管支鏡検査)、液で洗浄する(気管支肺胞洗浄)

  • 血液検査と尿検査

  • 腎組織の生検

肺疾患に関連する症状がみられる人では、多くの場合、胸部画像検査が行われます。症状や胸部画像検査の結果から肺出血が明らかでない場合(例えば、喀血がない患者)、内視鏡(観察用の柔軟な管状の機器)を肺に挿入し(気管支鏡検査)、液で肺を洗浄(気管支肺胞洗浄)する必要があるかもしれません。

尿検査では、血尿と尿タンパク質がみつかります。血液検査により貧血の存在がしばしば示されます。

臨床検査では、血液中に特徴的な抗体が見つかります。

医師は通常、腎臓の組織片を採取して、分析します(腎生検)。組織を顕微鏡で観察すると、特有のパターンで抗体が沈着しているのが分かります。

抗糸球体基底膜疾患の治療

  • 血液中から有害な抗体を除去する(血漿交換と呼ばれる)処置

  • ステロイド(ときにグルココルチコイドまたはコルチコステロイドと呼ばれます)およびシクロホスファミドの静脈内投与(静脈内)

  • ときに、透析または腎移植

抗糸球体基底膜疾患は、重度の肺機能の喪失、腎機能の完全な喪失、および死亡に急速につながる可能性があります。

治療として、血漿交換と呼ばれる、血液中から有害な抗体を除去する処置が行われます。

また、ステロイド(メチルプレドニゾロンなど)やシクロホスファミドを高用量で静脈内に投与して免疫系の活動を抑制します。シクロホスファミドの代わりとして、免疫系を抑制する別の薬であるリツキシマブが使用されることがあります。

この2つの治療を早期に行うことで、肺や腎臓の機能を保てる場合があります。いったん腎臓が損傷を受けると、通常は元に戻らず、透析または腎移植が必要になることがあります。

症状が治まるまで、多くの患者が支持療法を必要とします。例えば酸素投与を行ったり、一定の期間、人工呼吸器による呼吸の補助が必要になる場合があります。血液や血液製剤の輸血が必要になることもあります。

抗糸球体基底膜疾患の予後

抗糸球体基底膜症はしばしば急速に進行し、治療が遅れれば死に至ることがあります。呼吸不全または腎不全が発症する前に治療を開始すると、予後は良好です。

さらなる情報

以下の英語の資料が役に立つかもしれません。こうした情報源の内容について、MSDマニュアルでは責任を負いかねることをご了承ください。

  1. 米国腎臓財団:グッドパスチャー症候群

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