死は医師や看護師などの資格を持つ人によって、適切なタイミングで公式に宣告されなければならず、その死の原因と状況も認定を受けなくてはなりません。こうした条件を満たす手段は、米国内でも地域によって異なります。患者が家で死にたいと考えているならば、その家族は今後予想されることや、しなければならないことを前もって調べておく必要があります。ホスピスケアを受けている場合は、一般にホスピスの看護師が必要な手順を説明してくれます。警察官やその他の役人を呼ばなければならない規定がある地域では、家族はそれを把握しておき、公的機関に患者は自宅で死を迎える予定であることを事前に知らせるようにします。ホスピスや在宅ケアプログラムは、家族に不愉快な思いをさせないように、役所への報告を行うのが慣例となっています。ホスピスや在宅ケアサービスが関与していない場合、家族は、できれば患者が亡くなる前に、監察医や葬儀社の責任者に連絡を取り、連絡先や、今後予想されることを教えてもらいましょう。保険の請求、金融口座へのアクセス、死者に所有権のある不動産の譲渡、財産の清算には、死亡診断書が必要です。死亡診断書のコピーは数十部以上が必要になることも少なくありません。
家族にとって、解剖(剖検)を求めたり、それに同意したりするのは気が進まないものですし、しばしばその費用は保険の対象外です。しかし、解剖によって死につながった病気についての詳しい知識を得ることができ、家族が死の原因についてより明確に理解できるようになる場合があります。解剖後の遺体は、葬儀のために、葬儀社や家族の手で準備を施されます。解剖でできた傷は衣服で隠されます。解剖を行うかどうかは、患者の生前に決めておいた方がよいでしょう。その方が、死の直後に決めるよりもストレスが少ないはずです。
葬儀の前準備をしたり、前払いをしておけば、家族はとても楽になります。選択肢には、埋葬の仕方や遺体を研究に提供するかどうかなどがあります。多くの場合、愛する人を追悼するための葬式や集会が開かれます。死の直後に近親者だけで葬儀を済ませる家族もあれば、数週間後または数カ月後に追悼式を行う家族もあります。
近親者を失ったほとんどの人は6カ月以上にわたって深い悲しみに暮れ、その中で不信、怒り、うつ、孤独、人生の方向性の喪失、切望などの感情を経験します。悲しみは時間とともに薄れていきますが、喪失感が消えることはありません。人は死に打ち克つことはできませんが、死を受け入れて前向きに生きることができます。
米国では、メディケアの資金援助を受けるホスピスプログラムは、ホスピスケアを受けている人の死亡後少なくとも1年間、家族や友人にグリーフサポートを提供することが義務付けられています。



