脊髄せきずいの圧迫あっぱく

完全なレビュー: 2025年 8月 執筆者:The Manual's Editorial Staff
最終更新日: 2025年 8月
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脊髄せきずいは、脳のうから出でて、脊椎せきついの中なか(脊柱管せきちゅうかん)を下したに向むかってのびている、神経しんけいの太ふとい束たばです。脊髄せきずいは、脳のうと体からだのほかの部分ぶぶんを行いき来きする信号しんごうが伝つたわる、電気でんきケーブルのようなものです。

  • 脳のうから出でる信号しんごうは、腕うでや脚あしを動うごかすなど、体からだに何なにかをするよう命令めいれいするための信号しんごうです。

  • 脳のうに送おくられる信号しんごうは、体からだが何なににさわっているかや、どこに痛いたみがあるかなど、体からだからの情報じょうほうを脳のうに伝つたえるための信号しんごうです。

脊髄せきずいは、とても傷きずつきやすくできています。脊髄せきずいは脊椎せきついの骨ほね(椎骨ついこつ)のトンネルの中なかで守まもられています。そのトンネルを脊柱管せきちゅうかんといいます。

脊髄神経せきずいしんけいは、脊髄せきずいと体からだのさまざまな部分ぶぶんに向むかう細ほそい神経しんけいをつないでいる、中ちゅうくらいの太ふとさの神経しんけいです。

脊椎せきついの成なり立たち

脊椎せきつい(脊柱せきちゅう)は、椎骨ついこつと呼よばれる骨ほねが連つらなってできています。脊椎せきついの中心ちゅうしんにある脊柱管せきちゅうかんという空間くうかんには長ながくて傷きずつきやすい脊髄せきずいが通とおっており、脊椎せきついを構成こうせいする椎骨ついこつはこの脊髄せきずいを守まもる役割やくわりを果はたしています。それぞれの椎骨ついこつと椎骨ついこつの間あいだには、椎間板ついかんばんという軟骨なんこつでできた板いたがあります。椎間板ついかんばんは脊椎せきついのクッションとして働はたらき、脊椎せきついにある程度ていどの柔軟じゅうなん性せいを与あたえています。

脊髄神経せきずいしんけい:脊髄せきずいの中なかから椎骨ついこつと椎骨ついこつの間あいだを通とおって、31対ついの脊髄神経せきずいしんけいが脊髄せきずいの外そとに伸のびています。それぞれの脊髄神経せきずいしんけいは、根元ねもとのところで2本ほんの短みじかい枝えだ(神経根しんけいこん)に分わかれています。

運動うんどう神経根しんけいこんは、脳のうと脊髄せきずいからの命令めいれいを体からだのほかの部分ぶぶん、特とくに骨格筋こっかくきんに伝つたえます。

感覚かんかく神経根しんけいこんは、体からだのほかの部分ぶぶんからの情報じょうほうを脳のうへ伝つたえます。

馬尾ばび:脊髄せきずいは脊椎せきついの上うえから4分ぶんの3の高たかさで終おわっていますが、そこから体からだの下したのほうに向むけて神経しんけいの束たばが伸のびています。この神経しんけいの束たばは、馬うまのしっぽに似にた形かたちをしているため、馬尾ばびと呼よばれます。馬尾ばびは、体からだと両脚りょうあしがやり取とりする神経しんけい信号しんごうの通とおり道みちになっています。

脊髄圧迫せきずいあっぱくとはどのような病気びょうきですか?

脊髄圧迫せきずいあっぱくとは、脊髄せきずいが何なにかに押おされて、脊髄せきずいがつぶされた状態じょうたいのことです。

  • 圧迫あっぱくされている部分ぶぶんは正ただしく働はたらきません。

  • 圧迫あっぱくが長ながく続つづくと、脊髄せきずいにいつまでも治なおらないダメージが残のこります。

  • 影響えいきょうを受うけるのは、圧迫あっぱくされた部分ぶぶんよりも下したを通とおる神経しんけいの信号しんごうだけです。

  • 症状しょうじょうとしては、背中せなかの痛いたみ、しびれ、筋肉きんにくに力ちからが入はいらない、排尿はいにょうや排便はいべんをがまんできないなどがあります。

  • ときには、体からだの片側かたがわだけに症状しょうじょうが現あらわれることもあります。

  • 医師いしはMRI(磁気共鳴画像じききょうめいがぞう法ほう)検査けんさや、そのほかの画像検査がぞうけんさをします。

  • ステロイド(ときにグルココルチコイドまたはコルチコステロイドとも呼よばれる)という薬くすりで、圧迫あっぱくによる腫はれが軽かるくなることがあります。

  • 圧迫あっぱくをなくすために、手術しゅじゅつや放射線療法ほうしゃせんりょうほうが必要ひつようになることもあります。

脊髄圧迫せきずいあっぱくの原因げんいんは何なんですか?

脊髄圧迫せきずいあっぱくの最もっとも多おおい原因げんいんには、次つぎのものがあります。

脊椎せきついの中なかにある椎間板ついかんばんは、やわらかい物質ぶっしつでできた、丸まるくて平たいらなクッションのようなものです。椎間板ついかんばんは、脊椎せきついのそれぞれの骨ほねと骨ほねの間あいだで衝撃しょうげきを吸収きゅうしゅうする働はたらきをしています。椎間板ついかんばんがやぶれて、中なかのやわらかい物質ぶっしつが飛とび出だすことがあります(ヘルニア)。その物質ぶっしつが脊髄せきずいや脊髄神経せきずいしんけいを圧迫あっぱくすることがあります。

あまり多おおくない原因げんいんには次つぎのものがあります。

  • 血腫けっしゅ(けがや病気びょうきによって血ちがたまったもの)

  • 膿瘍のうよう(感染かんせんによってできる、中なかにうみがたまった空洞くうどう)

脊髄圧迫せきずいあっぱくにはどのような症状しょうじょうがありますか?

おもな症状しょうじょうには次つぎのものがあります。

  • 背骨せぼねの痛いたみ

  • 筋肉きんにくに力ちからが入はいらない、または麻痺まひ

  • 感覚かんかくがなくなる(痛いたみを感かんじない、誰だれかがさわってもわからないなど)

  • 排尿はいにょうや排便はいべんのコントロールが難むずかしい

体からだのどの部分ぶぶんに影響えいきょうが現あらわれるかは、脊髄せきずいのどこが圧迫あっぱくされているかによって変かわります。例たとえば、

  • 首くびの位置いちで脊髄せきずいが圧迫あっぱくされると、腕うでと脚あしの両方りょうほうに影響えいきょうが出でます。

  • 首くびの高たかい位置いちで圧迫あっぱくが起おきると、呼吸こきゅうに影響えいきょうが出でることがあります。

  • 下したの方ほうで圧迫あっぱくが起おきると、脚あしだけに異常いじょうが現あらわれて、腕うでには問題もんだいが起おきないことがあります。

どの位置いちで圧迫あっぱくが起おきても、排尿はいにょうや排便はいべんをがまんできなくなることがあります。

左右さゆうどちらかだけ脊髄せきずいが圧迫あっぱくされている場合ばあいは、体からだの片側かたがわだけに異常いじょうが現あらわれます。

症状しょうじょうの重じゅうさは、圧迫あっぱくの程度ていどによって変かわってきます。

軽かるい脊髄圧迫せきずいあっぱくでは、次つぎの症状しょうじょうしか起おきないことがあります。

  • 筋力きんりょくが少すこしだけ弱よわくなる

  • ピリピリ感かん

重おもい圧迫あっぱくでは、次つぎのような症状しょうじょうが起おきます。

  • 筋力きんりょくがとても弱よわくなるか、完全かんぜんに麻痺まひする

  • 感覚かんかくが完全かんぜんになくなる(痛いたみを感かんじない、誰だれかがさわってもわからないなど)

  • 排尿はいにょうや排便はいべんをコントロールできない

がんがある人ひとで背中せなかの痛いたみや神経症状しんけいしょうじょうが新あたらしく現あらわれた場合ばあいは、医学的いがくてきな緊急事態きんきゅうじたいとみなされます。医師いしは、がんによって脊髄せきずいが圧迫あっぱくされていないことを確たしかめる必要ひつようがあります。

医師いしはどのようにして、私わたしが脊髄圧迫せきずいあっぱくかどうかを判断はんだんしますか?

医師いしは、体からだの特定とくていの位置いちより下したでだけ、力ちからが入はいらなくなったり、感覚かんかくがなくなったりしている場合ばあい、脊髄圧迫せきずいあっぱくを疑うたがいます。

すると、医師いしは次つぎのような検査けんさをします。

医師いしは脊髄圧迫せきずいあっぱくをどのように治療ちりょうしますか?

脊髄圧迫せきずいあっぱくは医学的いがくてきな緊急事態きんきゅうじたいで、恒久的てきな損傷そんしょうを避さけるために、すぐに治療ちりょうをする必要ひつようがあります。

治療法ちりょうほうは原因げんいんに応おうじて変かわりますが、次つぎのような方法ほうほうがあります。

  • 手術しゅじゅつ

  • ステロイドという種類しゅるいの薬くすり

  • 放射線療法ほうしゃせんりょうほう

  • 抗菌薬こうきんやく

  • 血腫けっしゅや膿瘍のうようの中身なかみをぬき出だす

しかし、たとえ早はやいうちに治療ちりょうをしても、すべての症状しょうじょうが必かならずなくなるとは限かぎりません。

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