重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょう

完全なレビュー: 2024年 6月 執筆者:The Manual's Editorial Staff
最終更新日: 2024年 6月
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重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうとはどのような病気びょうきですか?

重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうは、筋肉きんにくに力ちからが入はいらなくなる状態じょうたいがしばらく続つづく病気びょうきです。

  • 重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうは、神経しんけいが信号しんごうを筋肉きんにくに伝つたえられなくなる自己免疫疾患じこめんえきしっかんです。

  • 重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうは、20~40才さいの女おんなの人ひとと50~80才さいの男おとこの人ひとに最もっとも多おおく起おこりますが、何なん才さいでも起おこります。

  • 運動うんどうした後あとに、異常いじょうなくらい筋肉きんにくが疲つかれて、力ちからが弱よわくなります。

  • まぶたが垂たれ下さがり、ものが二重にじゅうに見みえます。

  • 医師いしは、筋肉きんにくの力ちからを一時的いちじてきに強つよめ、具合ぐあいをよくする薬くすりを処方しょほうします。

  • 免疫めんえきの働はたらきを抑おさえる薬くすりが役やくに立たつことがよくあります。

重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうの原因げんいんは何なんですか?

重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうは自己免疫疾患じこめんえきしっかんです。免疫系めんえきけいは、体からだを守まもるための仕組しくみです。体からだを病気びょうきや感染かんせんから守まもるのに役立やくだっています。しかし、自己免疫疾患じこめんえきしっかんになると、免疫系めんえきけいが自分じぶんの体からだの一部いちぶを攻撃こうげきするようになります。

神経しんけいは、筋肉きんにくに動うごくよう指示しじする信号しんごうを送おくります。その信号しんごうは、神経しんけいや筋肉きんにくにある受容体じゅようたいというタンパク質しつが受うけ取とります。重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうでは、免疫めんえきによって筋肉きんにくの受容体じゅようたいが攻撃こうげきされるために、筋肉きんにくを動うごかす信号しんごうが届とどかなくなります。

こうしたことが起おこる理由りゆうは医師いしたちにもはっきりと分わかっていませんが、医師いしたちは、胸腺きょうせんの異常いじょうが関係かんけいしているかもしれないと考かんがえています。胸腺きょうせんは免疫系めんえきけいの一部いちぶで、胸むねのところにあります。重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうの多おおくの人ひとでは、胸腺きょうせんが異常いじょうに大おおきかったり、胸腺きょうせんに良性腫瘍りょうせいしゅようがあったりします。

次つぎのような別べつの自己免疫疾患じこめんえきしっかんがある場合ばあい、あなたは重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうになる可能性かのうせいが高たかいです。

重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうは、次つぎのことの後あとに始はじまることがあります。

  • 感染症かんせんしょう

  • 手術しゅじゅつ

  • 高血圧こうけつあつ、マラリア、または心拍しんぱくの異常いじょうに対たいして特定とくていの薬くすりを使つかうこと

重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうの女おんなの人ひとから生うまれた赤あかちゃんは、生後せいご数日すうじつから数週間すうしゅうかん、筋肉きんにくの力ちからが弱よわいことがあります。

重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうにはどのような症状しょうじょうがありますか?

重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうのおもな症状しょうじょうは次つぎのとおりです。

  • 筋肉きんにくに力ちからが入はいらなくなる症状しょうじょうが現あらわれたり、消きえたりする

筋肉きんにくは使つかい始はじめは正常せいじょうに働はたらきますが、使つかい続つづけるにつれて、力ちからが弱よわくなっていきます。たとえば、すばやくまばたきをしようとすると、最初さいしょはそれができます。それから10秒びょうくらいすると、まばたきは遅おそくなっていきます。

筋肉きんにくに力ちからが入はいらなくなる症状しょうじょうとしては、ほかにも次つぎのようなものがあります。

  • まぶたが垂たれ下さがる

  • 目めの筋肉きんにくの力ちからが弱よわいせいでものが二重にじゅうに見みえる(複視ふくし)

  • 腕うでや脚あし、手て、首くびの筋肉きんにくに力ちからが入はいらない

  • 筋肉きんにくを使つかった後あとにものすごく疲つかれる

  • 筋肉きんにくに力ちからが入はいらない状態じょうたいが、暑あついときにひどくなり、寒さむいときには軽かるくなる

  • ものをかんだり、飲のみ込こんだり、話はなしをしたりするのが難むずかしくなる

  • ときには、呼吸こきゅうが苦くるしくなる

重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうは筋肉きんにくだけに影響えいきょうを与あたえます。筋肉きんにくの力ちからは弱よわくても、体からだの感覚かんかくはすべてあり、頭あたまもはっきりしています。

筋無力症きんむりょくしょうクリーゼとは何なんですか?

筋無力症きんむりょくしょうクリーゼとは、筋無力症きんむりょくしょうが突然とつぜんとてもひどくなることです。筋肉きんにくの力ちからがあまりに弱よわくなるせいで、呼吸こきゅうが苦くるしくなることがよくあります。筋無力症きんむりょくしょうクリーゼは、感染症かんせんしょうがきっかけで起おこることが多おおいです。

医師いしはどのようにして、私わたしが重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうかどうかを判断はんだんしますか?

医師いしは症状しょうじょうについて質問しつもんし、診察しんさつをします。

もし筋肉きんにくに力ちからが入はいらなくなっているなら、医師いしは、筋無力症きんむりょくしょうを改善かいぜんできる対策たいさくがあなたの症状しょうじょうに対たいして、どれくらい効果こうかがあるかを調しらべることがあります。たとえば、もしまぶたが垂たれ下さがっているなら、医師いしは次つぎのことをする場合ばあいがあります。

  • 垂たれ下さがったまぶたにアイスパックをあてて、冷ひやすことで筋肉きんにくの力ちからが改善かいぜんするか確たしかめる

  • あなたに数分間すうふんかん、目めを閉とじたまま暗くらいところで横よこになってもらい、静しずかに休やすむことで垂たれ下さがりが軽かるくなるか確たしかめる

  • 筋無力症きんむりょくしょうに効きく、短みじかい間あいだだけ働はたらく薬くすりを注射ちゅうしゃして、垂たれ下さがりが軽かるくなるか確たしかめる

その後ご、医師いしが重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうを疑うたがう場合ばあいには、ほかに次つぎのような検査けんさをします。

  • 筋電図検査きんでんずけんさ

  • 筋肉きんにくの受容体じゅようたいを攻撃こうげきする抗体こうたいがないか確たしかめる血液検査けつえきけんさ

筋電図検査きんでんずけんさでは、細ほそい針はりを神経しんけい(普通ふつうは腕うでの神経しんけい)にさします。その針はりが筋肉きんにくの電気的でんきてきな活動かつどうを記録きろくします。また、軽かるい電気でんきショックに対たいして筋肉きんにくと神経しんけいがどれくらい反応はんのうするかも記録きろくします。

重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうと診断しんだんされた場合ばあい、医師いしはMRI(磁気共鳴画像じききょうめいがぞう法ほう)検査けんさやCT検査けんさなどの画像検査がぞうけんさをして、胸腺きょうせんに異常いじょうがないか確たしかめます。

医師いしは重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうをどのように治療ちりょうしますか?

医師いしはあなたに次つぎの働はたらきをする薬くすりを使つかうことがあります。

  • 筋肉きんにくの力ちからを改善かいぜんする

  • 免疫めんえきの働はたらきを抑おさえて、筋肉きんにくの受容体じゅようたいをあまり攻撃こうげきしないようにする

筋肉きんにくの力ちからを改善かいぜんする薬くすりは、神経しんけいが筋肉きんにくに信号しんごうを送おくるために使つかう化学物質かがくぶっしつと同おなじように働はたらきます。しかし、このような薬くすりは数時間すうじかんしか効ききません。また、それらの薬くすりはこの病気びょうきを止とめるわけではなく、症状しょうじょうを軽かるくするだけです。医師いしは、あなたがどう感かんじているかによって量りょうを調整ちょうせいします。しかし、薬くすりが多おおすぎると、筋肉きんにくに力ちからが入はいらなくなることもあります。そのため、病気びょうきがひどくなっていて薬くすりを増ふやさなくてはいけないかどうかや、副作用ふくさようが現あらわれていて薬くすりを減へらさなくてはいけないかどうかは、医師いしにも判断はんだんが難むずかしいことがあります。

免疫めんえきの働はたらきを抑おさえる治療ちりょうには、次つぎのようなものがあります。

  • コルチコステロイドなど、免疫めんえきの働はたらきを弱よわめる薬くすり

  • 免疫めんえきグロブリン製剤せいざい(役やくに立たつ特定とくていの抗体こうたいが入はいっている薬くすり)

  • 血漿交換けっしょうこうかん(血液けつえきをろ過かかして、筋肉きんにくの受容体じゅようたいを攻撃こうげきする抗体こうたいを取とり除のぞく処置しょち)

胸腺きょうせんに腫瘍しゅようがある場合ばあいは、医師いしが胸腺きょうせんを取とり除のぞきます。この治療ちりょうは重症筋無力症じゅうしょうきんむりょくしょうに効果こうかがあることが多おおいです。たとえ腫瘍しゅようがなくても、胸腺きょうせんを取とり除のぞくことが助たすけになる場合ばあいがあります。

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