腰痛ようつう

完全なレビュー: 2024年 1月 執筆者:The Manual's Editorial Staff
最終更新日: 2025年 2月
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下部かぶ脊椎せきつい(腰椎ようつい)は、体からだを回まわしたり、ねじったり、曲まげたりすることができます。さらに、立たつ、歩あるく、物ものを持もち上あげるという動作どうさのための強度きょうどを体からだに与あたえています。腰こしはほぼあらゆる動作どうさに関かかわっています。腰こしの痛いたみはとてもよくみられます。

  • 腰痛ようつうは普通ふつう、物ものを持もち上あげたり、運動うんどうをしたり、転ころんだり、自動車事故じどうしゃじこにあったりしたときに起おこります。

  • 腰痛ようつうの最もっとも多おおい原因げんいんは肉離にくばなれです。

  • 腹筋ふっきん、股関節こかんせつのまわりの筋肉きんにく、背筋はいきんを強つよくすることが、腰痛ようつうを予防よぼうするのに役立やくだちます。

  • 腰こしに負荷ふかのかかる活動かつどうを避さけ、痛いたみ止どめを飲のんで、腰こしを冷ひやすか温あたためることで、腰痛ようつうを治療ちりょうすることができますが、腰痛ようつうは普通ふつう、自然しぜんに治なおります。

  • 高齢こうれいの人ひとに明あきらかな原因げんいんのない腰痛ようつうや、以下いかの「注意ちゅういすべき徴候ちょうこう」がある腰痛ようつうは、医師いしの診察しんさつが必要ひつようになることがあります。

私わたしはどんなときに病院びょういんに行いけばいいですか?

もし腰痛ようつうと以下いかの注意ちゅういすべき徴候ちょうこうのいずれかがある場合ばあいは、すぐに医師いしの診察しんさつを受うけてください:

  • しびれ

  • 片脚かたあしか両脚りょうあしの筋力低下きんりょくていか

  • 排尿はいにょうまたは排便はいべんの問題もんだい

  • 発熱はつねつ

  • ふらつきまたは失神しっしん

  • お腹なかあたりのひどい痛いたみ

もし腰痛ようつうと以下いかの注意ちゅういすべき徴候ちょうこうのいずれかがある場合ばあいは、翌日よくじつまでに病院びょういんに行いってください:

  • がんの病歴びょうれき

  • 体重減少たいじゅうげんしょう

  • 夜間やかんのひどい痛いたみ

  • 55才さい以上いじょうで、痛いたみを引ひき起おこすけがなどの明あきらかな理由りゆうがない

  • あなたが飲のんでいる薬くすり、最近さいきんの手術しゅじゅつやけが、薬物やくぶつの使用しよう、HIVに感染かんせんしてエイズになったことなどが理由りゆうで感染かんせんのリスクが高たかまっている

痛いたみがひどくなく、注意ちゅういすべき徴候ちょうこうがない場合ばあいは、医師いしの診察しんさつを受うけるまでに数日すうじつ待まつことができます。

腰痛ようつうの原因げんいんは何なんですか?

医師いしは、腰痛ようつうの原因げんいんを必かならずしも特定とくていできない場合ばあいがあります。腰痛ようつうの最もっとも多おおい原因げんいんは肉離にくばなれです。

  • 肉離にくばなれや靭じん帯おびのねんざ(靭じん帯おびとは、関節かんせつで骨ほねと骨ほねをつなぐじょうぶで短みじかい帯状おびじょうの組織そしきのことです)

これは、腰こしの片側かたがわまたは両側りょうがわで起おこる可能性かのうせいがあります。痛いたみは、動うごかすとひどくなり、安静あんせいにしているとよくなります。

その他たのよくある原因げんいんは以下いかのものです。

椎間板ついかんばんは、背骨せぼね(椎骨ついこつ)と骨ほねの間あいだにあるスポンジ状じょうの組織そしきで、これにより脊椎せきついを曲まげることができます。椎間板ついかんばんが裂さけたり押おしつぶされたりすると、ゼリー状じょうの物質ぶっしつがはみ出だすことがあり(ヘルニア)、神経しんけいに圧力あつりょくがかかる可能性かのうせいがあります。せきやくしゃみで、神経しんけいの圧迫あっぱくによる痛いたみが悪化あっかすることがあります。

腰部脊柱管狭窄症ようぶせきちゅうかんきょうさくしょうは、高齢こうれいの人ひとに起おこる腰痛ようつうのよくある原因げんいんです。

以下いかのような場合ばあいに痛いたみがひどくなることがあります。

  • 重おもいものを間違まちがった方法ほうほうで持もち上あげる

  • 肥満ひまんである

  • とても疲つかれている

  • 姿勢しせいが悪わるい(まっすぐに立たっていない)

  • 背筋はいきん、腹筋ふっきん、股関節こかんせつのまわりの筋肉きんにく(コアマッスル)に十分じゅうぶんな筋力きんりょくがない

坐骨神経痛ざこつしんけいつうとはどのような病気びょうきですか?

坐骨神経痛ざこつしんけいつうは、坐骨神経ざこつしんけいが圧迫あっぱくされて起おこる痛いたみのことです。坐骨神経ざこつしんけいは、腰こしにある一番いちばん太ふとい神経しんけいです。この神経しんけいは腰椎ようついから脚あしの後うしろ側がわへのびています。腰痛ようつうの原因げんいんが何なんであれ,結果けっかとして坐骨神経痛ざこつしんけいつうになることがあります。

普通ふつう、坐骨神経痛ざこつしんけいつうは、左右さゆうどちらか一方いっぽうだけに起おこります。脚あしの一部いちぶにチクチク、ピリピリする感かんじや、しびれがあることもあります。脚あしの後うしろ側がわから膝ひざや足あしに広ひろがる、うずくような痛いたみやピーンと走はしるような痛いたみがあることもあります。神経しんけいへの圧迫あっぱくが続つづくことは深刻しんこくで、脚あしの筋力低下きんりょくていかやしびれが長期間ちょうきかん続つづくことになる可能性かのうせいがあります。

病院びょういんでは、どのようなことをしますか?

医師いしはあなたの症状しょうじょうと病歴びょうれきについて質問しつもんし、身体しんたい診察しんさつを行おこないます。

場合ばあいによっては、医師いしはX線検査せんけんさ、MRI検査けんさ、CT検査けんさ、筋電図検査きんでんずけんさと神経伝導検査しんけいでんどうけんさなどの検査けんさを行おこなうことがあります。

腰痛ようつうがあるときにいつも、X線検査せんけんさやMRI検査けんさが必要ひつようになるわけではありません。

医師いしは腰痛ようつうをどのように治療ちりょうしますか?

医師いしは、あなたの腰痛ようつうの原因げんいんとそれがどれぐらい続つづいているかに基もとづいて治療ちりょうを行おこないます。しかし、普通ふつう、ほとんどの腰痛ようつうは自宅じたくでの正ただしいケアで治なおります。

  • 痛いたみがひどい場合ばあい、1~2日かはベッドで安静あんせいにする必要ひつようがあるかもしれません。

  • 安静あんせいにしすぎると、腰こしの筋肉きんにくが弱よわくなり、痛いたみがひどくなることがありますのでよくありません。

  • 軽かるい活動かつどうは実際じっさいに役立やくだちます―医師いしにあなたが何なにをすべきで、何なにをすべきでないかを質問しつもんしてください。

  • 痛いたみのある部分ぶぶんを温あたためる、または冷ひやす―けがをしてから最初さいしょの2日間かかんは冷ひやす方ほうが適切てきせつで、その後ご、温あたためる

  • アセトアミノフェン、イブプロフェン、ナプロキセンなどの痛いたみ止どめの薬くすりを飲のみます。

  • 眠ねむっている姿勢しせいのときは、体からだを横向よこむきにして膝ひざを曲まげた方ほうがより快適かいてきかもしれません。

できるだけ早はやく、医師いしはあなたに腰こしを強つよくするための軽かるい運動うんどうを始はじめてもらうようにします。筋肉きんにくを強化きょうかすると腰こしが安定あんていし、痛いたみが軽かるくなります。理学療法りがくりょうほうを受うけるようすすめられることもあります。あなたが自分じぶんで行おこなえるように、療法士りょうほうしが腰こしの運動うんどうを教おしえてくれます。安全あんぜんに作業さぎょうできるように物ものを持もち上あげたり動うごかしたりする正ただしい方法ほうほうも教おしえてくれます。

痛いたみが神経しんけいの圧迫あっぱくや変形性関節症へんけいせいかんせつしょうによるものではないことが確たしかだと医師いしが思おもっている場合ばあい、次つぎのことを試ためしてみてください:

  • マッサージ療法りょうほう

  • カイロプラクターによる治療ちりょう

痛いたみが長ながく続つづく場合ばあい、医師いしは次つぎのことを提案ていあんすることがあります。

  • 体重たいじゅうを減へらす

  • 経皮的電気神経刺激けいひてきでんきしんけいしげき(TENS)(おだやかなピリピリする感覚かんかくが得えられる自宅じたくで行おこなう電気治療でんきちりょうで、1日にちに数回すうかい使つかうことができます―この装置そうちの使つかい方かたを習ならうために、医師いしはあなたに理学療法士りがくりょうほうしを紹介しょうかいします)

  • コルチコステロイド(デキサメタゾンやメチルプレドニゾロンなど)と体からだをまひさせる薬くすりを合あわせて、硬膜外腔こうまくがいくう(脊髄せきずいをおおっている組織そしきの外側そとがわの層そうと脊椎せきついとの間あいだにある空間くうかん)に注射ちゅうしゃすること

  • 手術しゅじゅつ

腰こしの手術しゅじゅつにはたくさんの種類しゅるいがあります。医師いしは普通ふつう、あなたにひどい神経しんけいの圧迫あっぱくの徴候ちょうこうがある場合ばあいや、痛いたみがとてもひどく、ほかのすべての治療ちりょうが役やくに立たたない場合ばあいにのみ、あなたに手術しゅじゅつをすすめます。

腰痛ようつうはどうすれば予防よぼうできますか?

  • 腹筋ふっきん、股関節こかんせつのまわりの筋肉きんにく、背筋はいきんのストレッチと筋力きんりょくを強つよくする運動うんどうをする

  • 立たっているときや座すわっているときに腰こしをまっすぐに保たもつ(前まえかがみの姿勢しせいはあなたの腰こしに負荷ふかがかかります)

  • 脚あしを組くまずに、両足りょうあしの裏うらをゆかにつけて座すわる

  • 長ながい時間じかん立たったままや、座すわったままでいない

  • 物ものを持もち上あげるときは、背中せなかではなく脚あしをふんばって持もち上あげる

腰痛ようつうを防ふせぐための運動うんどう

骨盤こつばんを傾かたむける運動うんどう

あお向むけに寝ねて膝ひざを曲まげ、かかとを床ゆかにつけて、体重たいじゅうをかかとに乗のせます。腰こしを床ゆかに押おしつけ、おしりを締しめ(おしりを床ゆかから約やく1センチメートルほど持もち上あげる)、腹筋ふっきんを締しめます。そのままの姿勢しせいで10まで数かぞえます。20回かい繰くり返かえします。

腹筋運動ふっきんうんどう

あお向むけに寝ねて膝ひざを曲まげ、足あし裏うらを床ゆかにつけます。手てを胸むねの上うえで組くみます。頭あたまを起おこさない(あごを胸むねにつけない)ようにしながら、腹筋ふっきんを締しめてゆっくりと肩かたを床ゆかから約やく25センチメートル持もち上あげていきます。次つぎに腹筋ふっきんをゆるめて肩かたをゆっくりと下おろしていきます。これを10回かいずつ、3セット行おこないます。

膝ひざを胸むねにつけるストレッチ

あお向むけに寝ねて膝ひざを伸のばします。両手りょうてで片方かたほうの膝ひざの裏側うらがわを持もって胸むねの方ほうへ引ひき寄よせます。そのままの姿勢しせいで10まで数かぞえます。ゆっくりとその脚あしを下さげ、反対側はんたいがわの脚あしも同様さまに行おこないます。この運動うんどうを10回かい繰くり返かえします。

座すわって行おこなう脚あしのストレッチ

床ゆかに座すわり、のばした膝ひざをわずかに曲まげて(固定こていしないようにする)両脚りょうあしをできるだけ大おおきく開ひら>きます。両手りょうてを片方かたほうの膝ひざの上うえに置おきます。足首あしくびに向むかってゆっくりと両手りょうてをすべらせていきます。痛いたみを感かんじたら止とめて、楽らくに10秒間びょうかん姿勢しせいを保たもてる位置いちをこえないようにします。ゆっくりと、座すわった姿勢しせいにもどります。反対側はんたいがわの脚あしも同おなじように行おこないます。この運動うんどうをそれぞれの脚あしで10回かいずつくり返かえします。

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