病気または症状 | 薬剤 |
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NSAID(イブプロフェン、ナプロキセンなど) | |
せん妄 せん妄 せん妄は、突然発生して変動する精神機能の障害で、通常は回復可能です。注意力および思考力の低下、見当識障害、覚醒(意識)レベルの変動を特徴とします。 多くの病気、薬剤、毒物などが、せん妄の原因になりえます。 診断は症状と身体診察の結果に基づいて下され、原因を特定するために血液検査、尿検査、画像検査を行います。... さらに読む 、 認知症 認知症 認知症とは、記憶、思考、判断、学習能力などの精神機能が、ゆっくりと進行性に低下していく病気です。 典型的な症状は、記憶障害、言語や動作の障害、人格の変化、見当識障害、破壊的または不適切な行動などです。 症状が進行すると普段の生活が送れなくなり、他者に完全に依存するようになります。... さらに読む 、または軽度認知障害 | 抗精神病薬 コルチコステロイド 鎮静作用のある薬(ベンゾジアゼピン系薬剤、鎮静薬、エスゾピクロン、ザレプロン、ゾルピデムなどの睡眠補助薬など)または抗コリン作用のある薬* ヒスタミンH2受容体拮抗薬(シメチジン、ファモチジン、ニザチジン、ラニチジン) ペチジン |
失神 失神 ふらつき(失神寸前の状態)とは、気を失いそうな感覚のことです。 失神(気絶)は、突然生じる短時間の意識の消失で、地面に倒れたり椅子の上で崩れ落ちたりした後、意識が回復します。失神した人は動きのない、ぐったりとした状態になるほか、脚と腕が冷たくなったり、脈が弱くなったり、呼吸が浅くなったりすることがあります。... さらに読む または 起立性低血圧 立ちくらみ 一部の人、特に高齢者では、上体を起こしたり、立ち上がったりすると、血圧が極度に低下することがあります(起立性低血圧や体位性低血圧と呼ばれます)。立ち上がると(特にベッドで寝ていた後や長時間にわたって座っていた後に)数秒間から数分間にわたって気が遠くなる、ふらつき、めまい、混乱、かすみ目などの症状が起こり、横になるとそれらの症状は速やかに消... さらに読む (立ち上がったときの急激な血圧低下) | アセチルコリンエステラーゼ阻害薬(例えば、ドネペジル、ガランタミン、リバスチグミン)、末梢作用型のα1遮断薬(ドキサゾシン、プラゾシン、テラゾシンなど、高齢男性の高血圧または前立腺症状の治療に使用)、一部の三環系抗うつ薬(例えば、アミトリプチリン、ドキセピン、イミプラミン)、抗精神病薬(クロルプロマジン、チオリダジン【訳注:日本では販売中止】、オランザピンなど)、およびβ遮断薬(例えば、メトプロロール、アテノロール、カルベジロール) |
鎮静作用のある薬(抗てんかん薬、抗精神病薬、ベンゾジアゼピン系薬剤、エスゾピクロン、ザレプロン、ゾルピデムなど)、抗うつ薬、一部の降圧薬、オピオイド | |
シロスタゾール 一部(非ジヒドロピリジン系)のカルシウム拮抗薬(ジルチアゼム、ベラパミル)、通常は高血圧の治療に使用 NSAID、COX-2阻害薬、チアゾリジン系薬剤(ピオグリタゾン、ロシグリタゾン)、ドロネダロン(dronedarone) | |
特定の制吐薬(メトクロプラミド、プロクロルペラジン、プロメタジン)、ほとんどの抗精神病薬(クエチアピン、クロザピン、およびピマバンセリン[pimavanserin]などの少数の薬を除く) | |
アスピリンとほとんどのNSAID | |
ドキサゾシン、経口または経皮型(腟に直接貼付しない)エストロゲン、プラゾシン、テラゾシン | |
前立腺の肥大が原因となって生じる 尿閉 尿閉 尿閉とは、膀胱から尿をまったくまたはほとんど排出できなくなった状態のことです。 排尿後に膀胱内に残尿がみられる人では、同時に頻尿や尿失禁がみられる場合があります。 排尿が可能な場合は、排尿後に膀胱に残った尿の量を測定します。 カテーテルを用いて膀胱内の尿を除去した後、原因に対する治療を行います。... さらに読む または 泌尿器症状 症状 前立腺肥大症(BPH)とは、前立腺が大きくなる良性の病気で、排尿が困難になることがあります。 前立腺は年齢とともに大きくなります。 排尿が困難になることがあり、尿意がより頻繁に、より切迫して感じるようになることがあります。 通常、診断は直腸診の結果に基づいて下されますが、前立腺がんがないか確認するために血液サンプルを採取することもあります... さらに読む (尿の流れが悪くなる、少量ずつの頻繁な排尿、排尿後尿滴下など) | 抗コリン作用を有する薬剤*、鼻閉改善薬を含有するかぜ薬、抗ヒスタミン薬や鼻閉改善薬の併用 |
* 抗コリン作用 抗コリン作用:どんな作用か? COX-2阻害薬 = コキシブ系薬剤、NSAID = 非ステロイド系抗炎症薬 Adapted from The American Geriatrics Society 2019 Beers Criteria Update Expert Panel: American Geriatrics Society updated Beers Criteria® for potentially inappropriate medication use in older adults.J Am Geriatr Soc 67(4):674-694, 2019.doi:10.1111/jgs.15767 |