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ウェルニッケ脳症

執筆者:

Gerald F. O’Malley

, DO, Grand Strand Regional Medical Center;


Rika O’Malley

, MD, Albert Einstein Medical Center

最終査読/改訂年月 2017年 8月
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ウェルニッケ脳症は、チアミン欠乏により錯乱、眼の障害、平衡感覚の喪失を引き起こす脳疾患です。

ウェルニッケ脳症は、ビタミンB群の1つであるチアミンの重度の欠乏が原因で発症します。体内にチアミンが少量しか蓄えられていない場合、炭水化物の摂取が誘因となることがあります。

重度のアルコール依存症患者は、長期にわたる過剰なアルコール摂取により、消化管からのチアミンの吸収や、肝臓のチアミンの貯蓄が妨げられるため、しばしばウェルニッケ脳症を発症します。また、アルコール依存症患者はきちんとした食事をしていないことが多いため、チアミンを十分摂取していません。ウェルニッケ脳症は長期間の低栄養やビタミン欠乏症の原因となる他の状態でも起こることがあります。このような状態として、透析、重度の嘔吐、飢餓状態、胃バイパス術、がん、エイズなどがあります。

症状

ウェルニッケ脳症は以下のような症状を引き起こします。

  • 錯乱

  • 眠気

  • 眼球の不随意運動(眼振)

  • 眼の筋肉の部分麻痺(眼筋麻痺)

  • 平衡感覚の喪失(バランスを保つために、足を広げ、ゆっくりと小刻みに歩きます。)

体内の処理に異常をきたし、振戦、興奮、低体温、立ち上がったときの突然の血圧低下(起立性低血圧)、失神などを起こします。

診断

  • 医師による評価

この病気は、特徴的な症状と低栄養またはチアミン欠乏症がみられる場合に疑われ、特にアルコール依存症がある場合は強く疑われます。

通常は、血糖値を測定する血液検査や血算、肝機能検査、画像検査などの検査を行うことで、他の原因の可能性を否定します。通常の検査では、チアミン値の測定は行われません。

予後(経過の見通し)

予後は、いかに早く病気を診断して治療を行うかにかかっています。迅速に治療することで、すべての異常が修正されます。眼の障害は通常、治療開始から24時間以内に改善します。しかし、平衡感覚の喪失と錯乱は数日から数カ月続くことがあり、記憶障害は完全には回復しないことがあります。

治療しなければ、約10~20%の人が死亡します。生存者の80%でコルサコフ精神病(記憶障害、錯乱、行動変化がみられる病気)が生じます。この組合せはウェルニッケ-コルサコフ症候群と呼ばれます。

治療

  • チアミン

  • マグネシウム

  • 飲酒をやめる

直ちに静脈内注射または筋肉内注射でチアミンを投与します。1日1回少なくとも3~5日間続けます。体内のチアミン代謝を助けるマグネシウムも注射か経口で投与します。電解質(カリウムなど)濃度の異常は、水分と総合ビタミンを投与すると是正されます。入院が必要になる場合もあります。

ウェルニッケ脳症の人は飲酒をやめなければなりません。最初の治療後、チアミンサプリメントの服用を続ける必要があります。

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