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生物兵器

執筆者:

James M. Madsen

, MD, MPH, U.S. Army Medical Research Institute of Chemical Defense (USAMRICD)

最終査読/改訂年月 2017年 10月
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本ページのリソース

生物戦とは、病原微生物を兵器として使用することです。そのような使用は国際法に反しており、20世紀に生物剤の大規模な製造および備蓄が行われたにもかかわらず、近代史において正式な戦争中に使用された例はほとんどありません。

集団殺傷兵器による災害の概要も参照のこと。)

生物兵器はテロリストにとっては理想的な兵器であるという見方もされています。こっそり散布でき、効果が現れるまでに時間がかかるため、実行犯が捕まりにくいからです。

米国疾病予防管理センター(CDC)は、生物剤と毒素の優先度リストを作成しています( CDCの優先度の高い生物剤および毒素を参照)。最も優先度の高いものがカテゴリーAです。

多数の被害者を出す目的で生物兵器を意図的に使用する場合、おそらくエアロゾルの散布が必要です。そのような状況では肺炭疽および肺ペストが最も起こる可能性が高い2つの病気です。

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CDCの優先度の高い生物剤および毒素

カテゴリー

物質

A:最も高い優先度

炭疽菌 Bacillus anthracis炭疽を引き起こす

ボツリヌス菌 Clostridium botulinumのボツリヌス毒素、ボツリヌス症を引き起こす

ペスト菌 Yersinia pestisペストを引き起こす

野兎病菌 Francisella tularensis野兎病を引き起こす

天然痘ウイルス、大痘瘡(古典的天然痘)を引き起こす

B:2番目に高い優先度

ブルセラ属 Brucellaブルセラ症を引き起こす

ウェルシュ菌 Clostridium perfringensのイプシロン毒素、食中毒を引き起こす

サルモネラ属 Salmonellaの細菌、食中毒を引き起こす;大腸菌 Escherichia coli 0157:H7、感染症を引き起こす;赤痢菌 Shigella細菌性赤痢を引き起こす

鼻疽菌 Burkholderia mallei、鼻疽を引き起こす

類鼻疽菌 Burkholderia pseudomallei、類鼻疽を引き起こす

オウム病クラミジア Chlamydia psittaciオウム病を引き起こす

コクシエラ菌 Coxiella burnetiiQ熱を引き起こす

トウゴマ Ricinus communisリシン毒素、曝露の種類によって異なる症状を引き起こす

ブドウ球菌エンテロトキシンB、曝露の種類によって異なる症状を引き起こす

発疹チフスリケッチア Rickettsia prowazekii発疹チフスを引き起こす

ウイルス性脳炎(例、ベネズエラウマ脳炎、東部ウマ脳炎、西部ウマ脳炎)を引き起こすアルファウイルス属

コレラ菌 Vibrio choleraeコレラを引き起こす;クリプトスポリジウム・パルバム Cryptosporidium parvumクリプトスポリジウム症を引き起こす;その他の病原体、水系感染症を引き起こす

C:3番目に高い優先度

ニパウイルス、ハンタウイルスSARSコロナウイルス、およびインフルエンザのパンデミックを引き起こす能力があるインフルエンザウイルス

新興感染症に関連する他の病原体

CDC = 米国 疾病予防管理センター、SARS = 重症急性呼吸器症候群。

認識

生物兵器の使用と病気の自然な流行との区別は困難な場合があります。病気の流行の発生源が自然なものではなく故意によるものであることを示す手がかりとしては以下のものがあります。

  • 地域的に通常はみられない病気

  • 患者集団の異常な分布

  • 建物の中にいた人と外にいた人で大きく異なる発病率

  • 地理的に異なる地域での別々の流行

  • 同じ集団で異なる病気の複数同時または連続的な流行

  • まれな曝露経路(吸入など)

  • 通常は動物に発生する病気が人間に発生している

  • 通常は動物に発生する病気が、通常その動物種がいない地域で発生している

  • まれな重症度

  • 感染因子のまれな菌株

  • 標準治療で効果が得られない

高リスクの生物兵器による病気の患者の症状、診断、および治療については、本マニュアルの別の箇所で説明されています。

生物兵器に曝露した人を隔離し、曝露した人と接触したことが分かっている人を検疫しなければならないことがあります。

対応

生物兵器による病気の潜伏期間は比較的長いため、患者は病院で治療される可能性が高いと考えられます。患者には、関与した具体的な感染病原体に応じてワクチン、抗菌薬、または抗ウイルス薬が投与されます。ときに、患者と接触したことがある人に予防的治療が行われることがあります。多くの生物兵器には、特別な治療法やワクチンが存在しません。

本稿で述べられている見解は著者の見解であり、米国陸軍省、米国防総省、または米国の公式の方針を反映したものではありません。

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