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腎外傷

執筆者:

Noel A. Armenakas

, MD, Weill Cornell Medical School

最終査読/改訂年月 2017年 7月
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腎臓は尿路の他の臓器と比べて外傷による損傷を受けやすい部位です。通常は交通事故、転落、またはスポーツ外傷で生じる鈍い力が尿路と性器の外傷の原因になります(鈍的外傷)。銃で撃たれた傷(銃創)や刺し傷(刺創)など、腎臓を貫通する外傷(穿通性外傷)もあります。頻度は低いものの、腎生検などの診断検査中に、あるいは腎結石に対する体外衝撃波砕石術などの様々な治療中に損傷が起きる場合もあり、この場合の損傷は通常は軽微です。同様に、腎臓の鈍的外傷もほとんどは軽微ですが、重篤になるものもあります。腎臓の重篤な鈍的外傷や穿通性外傷を治療しないでおくと、腎不全、腎臓の喪失、遅発性の出血、感染、高血圧などの合併症が発生する可能性があります。

症状

腎臓の鈍的外傷の症状としては、血尿、上腹部や側腹部(肋骨と股関節の間の部位)の痛み、シートベルトによる腎臓付近のあざ、肋骨下部の骨折による痛みなどがあります。腎臓の外傷が重度で、かなりの出血が生じれば、低血圧(ショック)や貧血が起こります。

腎外傷:軽度から重度まで

腎外傷の重症度は様々です。軽度であれば、あざができる程度(挫傷)で済みます。より重傷になると、腎臓に切り傷ができたり裂けたりして、尿や血液が周辺組織に漏出する場合があります。ときには腎臓の周辺に血液のかたまりができることもあります。腎臓と血管がつながっている部分が断裂すると、大出血を起こす場合があり、ショックまたは死に至ります。ほとんどの腎外傷で血尿がみられます。

腎外傷:軽度から重度まで

診断

  • 尿検査

  • より重篤な外傷にはCT検査

腎外傷を発見するには、負傷したときの経緯に関する情報、みられる症状、身体診察の結果が役立ちます。尿のサンプルを採取して血液の有無を調べます。体幹を負傷した人に血尿がみられた場合は、腎臓に損傷がある可能性が疑われます。血尿には、肉眼で血液が見える場合(肉眼的血尿)と顕微鏡でのみ見える場合(顕微鏡的血尿)があります。

穿通性外傷では、傷の位置(上腹部、腹部の中央、背中、または側腹部のどこか)が腎臓に損傷があるかどうかの判断に役立ちます。

成人で症状が軽く、異常な低血圧がみられず、顕微鏡でしか血尿が見えない場合は、おそらくは軽度の損傷であり、そうであれば自然に治癒します。それ以上の検査は通常は不要です。小児の場合や、より重篤な外傷が疑われる成人では、X線画像に写る液体(造影剤)を使用するCT検査を行う必要があります。

治療

  • 軽微な損傷には、水分摂取量のコントロールと床上安静

  • より重篤な損傷には、出血のコントロールとショックの予防

  • 一部の鈍的外傷と大半の穿通性外傷には、手術による修復

軽度の腎外傷では、水分摂取量を注意深くコントロールし、ベッドで安静にしておけばよく、多くの場合、これらの対応だけで腎臓は自然に治癒していきます。より重篤な場合は、出血をコントロールしてショックを予防するための処置から治療を始めます。静脈内に水分を投与し、ときに輸血を行うことで、血圧を正常範囲に維持し、尿の生成を促します。

腎臓からの出血が続いている、腎臓周囲に血栓があり増大している、腎臓につながっている血管が断裂するなど、重篤な鈍的外傷の場合にのみ手術による修復が必要です。あるいは、このような外傷の一部は動脈塞栓術で管理することができ、その場合は医師が太ももの上部にある血管から出血している腎臓の血管へとカテーテルを入れます。カテーテルの先端が出血部位に達したら、血管をふさぐために特殊な物質やらせん状のワイヤーを挿入して出血を止めます(塞栓術)。重篤な穿通性外傷にも、同様に手術による修復が必要です。まれに損傷した腎臓を切除しなければならない場合もあります。

腎臓の外傷は、迅速に診断・治療されれば、たとえ外傷が重篤な場合でも、大半が回復します。慢性腎臓病を起こすと、生涯にわたる治療が必要になる場合もあります。このほかに治療を要する腎外傷の合併症としては、遅発性出血、感染、高血圧などがあります。

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