最もよくみられる肩のけがは、 肩腱板損傷 肩腱板損傷/肩峰下滑液包炎 肩関節内で上腕を保持している筋肉(肩腱板の筋肉)には、挟み込み(肩関節インピンジメント症候群)、炎症(腱炎)、部分的または全体的な断裂が起こることがあります。 ( スポーツ外傷の概要も参照のこと。) 腕を頭上や後ろに動かしたときに肩が痛み、腕を動かしていないのに痛むこともあります。 運動が助けになります。 肩腱板は、肩甲骨に上腕骨頭をつなぎとめる筋肉で構成されています。肩腱板は肩関節を強化し、上腕の回転を補助します。 さらに読む です。(上腕骨の骨折については、 上腕の骨折 上腕の骨折 上腕の骨折は、上腕の骨(上腕骨)の上端で起こり、肩関節に影響を及ぼします。 通常、上腕の骨折は、転倒した際に腕を伸ばしたままつくことで発生します。 折れた骨片がその場にとどまったり骨片どうしが近くにあることが多いため、自然に治る傾向があります。 この骨折は肩と上腕に痛みや腫れを引き起こし、腕の動きを制限します。 上腕の骨折の診断は、X線検査のほか、ときにCT検査の結果に基づいて下されます。 さらに読む を参照のこと。また、 スポーツ外傷の概要 スポーツ外傷の概要 スポーツ外傷は、運動選手やスポーツに参加する人によくみられます。従来からスポーツ外傷として捉えられがちな外傷の中には、スポーツをしていない人にも起こるものがあります。例えば、主婦や工場労働者は、テニスをしていなくてもしばしば テニス肘になることがあります。 スポーツへの参加には外傷のリスクがつきものです。適切なウォーミングアップ(激しい運... さらに読む
も参照のこと。)
肩関節の解剖学的構造
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肩関節は球状の部分が受け皿に収まった球関節という形をしています(股関節も同様です)。上腕骨の上端に位置する球状の部分(上腕骨頭)が肩甲骨のくぼみに収まり、そうした球関節の構造によって、腕をあらゆる方向に動かすことができます。肩腱板は、肩甲骨に上腕骨頭をつなぎとめる筋肉で構成されています。肩腱板は肩関節を強化し、上腕の回転を補助します。
関節唇は肩関節のくぼみを縁取っている強い結合組織です。この組織によって、球状の上腕骨頭がくぼみの中にしっかりと保持されます。
肩のけがを負った人では、しばしば身体診察の結果に基づいて診断されます。しかし、X線検査やMRI(磁気共鳴画像)検査が必要になる場合もあります。
肩のけがの多くは、安静とその後のリハビリテーション運動で回復します。イブプロフェンなどの非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)が、短期間(最長72時間)の痛み止めとして使用されることもあります。痛みが72時間以上続く場合は、専門医の診察を受けて、追加の治療(例えば、コルチコステロイドの注射や手術)が必要かどうかを判断してもらうとよいでしょう。