肩腱板損傷/肩峰下滑液包炎

(野球肩、水泳肩、テニス肩、肩腱板腱炎、肩腱板断裂)

執筆者:Paul L. Liebert, MD, Tomah Health Hospital, Tomah, WI
レビュー/改訂 修正済み 2023年 11月
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肩関節内で上腕を保持している筋肉(肩腱板の筋肉)には、挟み込み(肩関節インピンジメント症候群)、炎症(腱炎)、部分的または全体的な断裂が起こることがあります。

スポーツ外傷の概要も参照のこと。)

  • 腕を頭上や後ろに動かしたときに肩が痛み、腕を動かしていないのに痛むこともあります。

  • 運動が助けになります。

肩腱板は、肩甲骨に上腕骨頭をつなぎとめる筋肉で構成されています。肩腱板は肩関節を強化し、上腕の回転を補助します。

肩関節かたかんせつ解剖学かいぼうがくてき構造こうぞう

肩腱板の挟み込み(インピンジメント)と腱炎は、多くの場合、野球の投球、ウェイトリフティング、ラケットを使う競技でのボールのサーブ、水泳の自由形(クロール)、バタフライ、背泳ぎといった、腕を頭よりも高く上げる動作を繰り返し行うスポーツが原因で起こります。腕を頭より高く上げる動作を繰り返すと、上腕骨の上端が肩甲骨上部との間で肩腱板の筋肉を挟み、結果として炎症や腫れが起こることがあります。炎症が起きているにもかかわらず動作を続けていると、腱が弱くなり断裂することがあります。

使いすぎや慢性の炎症がなくても、強い力がかかる動き(激しく伸ばしたり引っ張られたりするなど)によって、肩腱板が突然断裂することがあります。

肩腱板損傷の症状

主な症状は肩の痛みです。痛みは最初、腕を頭よりも高く上げる活動中にのみ生じます(インピンジメント症候群)。悪化すると、腕を体側から60~120度離して上げたときに痛みが生じます。効果的な治療を行わないと、肩は安静時にも痛むようになり(腱炎)、しばしば夜間に痛みが生じて睡眠を妨げます。腱が断裂すると、肩から腕を外側に開きにくい、または開くことができない状態になります。

肩腱板損傷の診断

  • 医師による評価

症状と診察の結果に基づいて診断されます。肩腱板の筋肉が断裂している可能性を否定するために、MRI検査が必要になる場合があります。

肩腱板損傷の治療

  • 安静

  • リハビリテーション

中等度から重度の痛みがある場合は、2~3日間は肩をつり包帯で固定して安静にします。腕を肩より高く上げる動作、特に抵抗に対して動かす動きは避けるべきです。肩を可動域全体で動かしても痛まなくなったら、肩腱板の筋肉の強化に取り組むことができます。この筋肉の一部を運動で強化すると、肩腱板のバランスが回復し、腕を頭より高く上げても挟み込みが起こりにくくなります。痛みが重度の場合は、医師が抗炎症薬を処方したり、コルチコステロイドを肩腱板上部の空間(滑液包)に注射したりすることがあります。

肩腱板が断裂している場合や腱炎が他の治療法で改善しない場合は、手術が必要になることもあります。手術では、肩の余分な骨を除去して肩腱板の周辺の空間を広げ、頭より高く腕を上げたときに肩腱板の挟み込みが起こらないようにします。肩腱板が断裂している場合は、通常、手術による修復が推奨されます。

肩腱板の筋肉を強化する運動
腹臥位での肩関節の伸展
腹臥位での肩関節の伸展

1. うつ伏せになり、患側の腕をベッドの端から降ろし、母指の先を床に向ける。

2. 肘を伸ばしたまま、肩甲骨を下方と後方に寄せながら、腕を体幹の高さまで上げる。

3. 元の位置に戻す。

4. 以上の動作10回を1セットとし、3セット行う。

5. 余裕があれば、重量を少し追加する。

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Courtesy of Tomah Memorial Hospital, Department of Physical Therapy, Tomah, WI; Elizabeth C.K.Bender, MSPT, ATC, CSCS; and Whitney Gnewikow, DPT, ATC.

横臥位での肩関節の外旋
横臥位での肩関節の外旋

1. 健側を下にして横たわり、患側の腕と体で枕を挟む。

2. 患側の肘を90度に曲げる。

3. 肩甲骨を脊椎側に寄せて、降ろす。

4. 前腕を肩関節から外旋させて、手背を天井に向ける。

5. ゆっくり元の位置に戻し、同じ動きを繰り返す。

6. 10回を1セットとし、3セットを1日1回行う。

7. 余裕があれば、重量を少し追加する。

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腹臥位での肩関節の水平外転
腹臥位での肩関節の水平外転

1. うつ伏せになり、患側の腕をベッドの端から降ろし、母指の先を床に向ける。

2. 肩甲骨を脊椎側に寄せて、降ろす。

3. 腕を肩の高さまで持ち上げる。

4. 腕を床に向けて降ろし、同じ動作を繰り返す。

5. 10回を1セットとし、3セットを1日1回行う。

6. 特記事項

a. 腕を持ち上げる際に、肩甲骨を動かさないようにする。

b. 常に母指が天井の方に向かうようにする。

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腹臥位での肩関節の水平外転と外旋
腹臥位での肩関節の水平外転と外旋

1. うつ伏せになり、患側の腕をベッドの端から出して、母指が体に向いている状態で肘を90度に曲げる。

2. 肩甲骨を脊椎側に寄せて、降ろす。

3. 前腕を上方に回す。

4. 元の位置に戻し、同じ動きを繰り返す。

5. 10回を1セットとし、3セットを1日1回行う。

6. 特記事項

a. 前腕を持ち上げる際に、肩甲骨を動かさないようにする。

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肩関節の立位スキャプション
肩関節の立位スキャプション

1. 体側に沿って肘関節をまっすぐに、母指を上に保つ。

2. 腕を前方に約30度動かす。

3. そのまま、痛みのない範囲で腕を上げ、保持する。

4. 元の位置に戻す。

5. 10回を1セットとし、3セットを1日1回行う。

6. 余裕があれば、重量を少し追加する。

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立位の抵抗を加えた肩関節の外旋
立位の抵抗を加えた肩関節の外旋

1. 安定した物体に腰の高さで伸縮性のあるバンドの一方の端を取り付ける。

2. 患側の肘と体幹の間に枕や巻いたタオルを挟む。

3. 患側の手でバンドをつかみ、肘を90度に曲げて母指を上に向ける。

4. 腕を外旋し、ゆっくりと元の位置に戻す。

5. 10回を1セットとし、3セットを1日1回行う。

6. 特記事項

a. 最初はバンドの抵抗を最小限にする。

b. 腕を体の側方に保持し、肘を90度に保つ。

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立位の抵抗を与えた肩関節の内旋
立位の抵抗を与えた肩関節の内旋

1. 安定した物体に腰の高さで伸縮性のあるバンドの一方の端を取り付ける。

2. 患側の肘と体幹の間に枕や巻いたタオルを挟む。

3. 患側の手でバンドをつかみ、肘を90度に曲げて母指を上に向ける。

4. 腕を内旋し(手を内側へと引き寄せ)、ゆっくりと元の位置に戻す。

5. 10回を1セットとし、3セットを1日1回行う。

6. 特記事項

a. 最初はバンドの抵抗を最小限にする。

b. 腕を体の側方に保持し、肘を90度に保つ。

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抵抗付きベントオーバー・ロー
抵抗付きベントオーバー・ロー

1. 患側の手で重りを持つ。

2. 股関節と膝関節を少し曲げ、対側の手をテーブルやベッドに置いて上体を支える。

3. 肘を90度に曲げて、肩甲骨を引いて(寄せて)肘を肩の高さに上げる。

4. 元の位置に戻す。

5. 10回を1セットとし、3セットを1日1回行う。

6. 特記事項

a. 最初は1~2ポンド(0.5~1kg)の重り(スープ缶程度)から始める。

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