筋肉の先天異常は、単体で発生することもあれば症候群の一部として発生することもあります。
大胸筋(胸の大きな筋肉)が部分的にしかできていなかったり、完全に欠損していることがあります。この異常は、単体で発生することもあれば、ポーランド症候群でみられるように手、胸、または乳頭の様々な異常とともに発生することもあります。このようなタイプの筋肉の病気は、大半が原因不明です。
プルーンベリー症候群でみられるように、腹筋が1層以上欠損していることがあります。この病気では、腹筋の層が欠損していることにより、腹壁の見た目にしわができたり、男児で精巣が陰嚢の中へと降りていかなかったり(停留精巣 停留精巣 停留精巣(潜在精巣)とは、陰嚢(いんのう)の中に下りてくるはずの精巣が腹部にとどまったままになっている状態です。移動性精巣(遊走精巣)とは、精巣が陰嚢の中まで下りてきているにもかかわらず、刺激に反応して容易に鼠径管(そけいかん)の中に戻ってしまう(移動する)ことです。 胎児では精巣は腹部の中で発育します。精巣が発育した後、一般的には出生前(通常は第3トリメスター[訳注:日本のほぼ妊娠後期に相当])に腹部から会陰部へとつながる管(鼠径管)... さらに読む )、尿路の異常が発生したりします。プルーンベリー症候群の原因は不明です。
出生前に、これらの異常を 超音波検査 超音波検査 出生前診断は、遺伝性または自然発生的な特定の遺伝性疾患などの特定の異常がないかどうか、出生前に胎児を調べる検査です。 妊婦の血液に含まれる特定の物質の測定に加え、超音波検査を行うことで、胎児の遺伝子異常のリスクを推定できます。 こうした検査は、妊娠中の定期健診の一環として行われることがあります。 検査の結果、リスクが高いことが示唆された場合は、胎児の遺伝物質を分析するために羊水穿刺や絨毛採取などの検査を行うことがあります。... さらに読む で診断できることがあります。
出生後は、多くの異常を身体診察の際に特定することができます。
治療
手術が行われる可能性がある
筋肉の異常の治療法は筋肉の異常の重症度によって異なります。患児に再建手術が必要になることもあります。