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糖原病

執筆者:

Matt Demczko

, MD, Sidney Kimmel Medical College of Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2018年 2月
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糖原病は糖代謝異常症であり、グリコーゲンの代謝に関与する酵素が欠如しているために、しばしば成長障害、筋力低下、肝臓の腫れ、低血糖、錯乱などが起こる病気です。遺伝性疾患は、これらの病気を引き起こす欠陥のある遺伝子が親から子どもに受け継がれることで発生します。

  • 糖原病は、ブドウ糖をグリコーゲンに合成したり、グリコーゲンをブドウ糖に分解したりするのに必要な酵素がないために起こります。

  • 典型的な症状としては、筋力低下、発汗、錯乱、腎結石、肝臓の腫れ、低血糖、発育不良などがあります。

  • 診断は、血液検査、生検(組織の一部を顕微鏡で調べる検査)、MRI検査によって行われます。

  • 治療は糖原病の種類によって異なりますが、通常は炭水化物の摂取の調節が行われます。

遺伝性代謝疾患の概要も参照のこと。)

グリコーゲン(炭水化物の一種)は、多くのブドウ糖分子が結合してできています。ブドウ糖は心筋を含む体の筋肉や脳の主要なエネルギー源です。エネルギーとしてすぐに使わないブドウ糖は、肝臓、筋肉、腎臓の中にグリコーゲンの形で貯蔵され、体が必要とするときに放出されます。

糖原病の小児には、ブドウ糖をグリコーゲンに合成したり、グリコーゲンをブドウ糖に分解(代謝)したりするのに不可欠な酵素の1つが欠損しています。およそ2万人に1人の乳児に、いずれかの種類の糖原病がみられます。

糖原病(糖原蓄積症とも呼ばれる)にはいろいろな種類があり、それぞれをローマ数字で表します。

症状

糖原病の中にはほとんど症状が出ないものもあれば、死に至るものもあります。種類によって症状、発症年齢、重症度がかなり異なります。糖原病II、V、VII型の主症状は筋力の低下(ミオパチー)です。 一方、I、III、VI型の症状は、低血糖と腹部の突出(過剰または異常なグリコーゲンによって肝臓が腫大するため)です。 低血糖によって筋力低下、発汗、錯乱、ときにけいれん発作や昏睡が起こることもあります。ほかにも発育不良や頻発する感染症、口や腸内の潰瘍がみられます。

また、老廃物である尿酸が関節にたまって痛風が起きたり、腎臓にたまって腎結石が起きたりする傾向があります。I型糖原病では、10代以降に腎不全が多くみられます。

診断

  • 血液検査、生検、MRI検査

糖原病の診断は、筋肉や肝臓の一部の組織の顕微鏡検査(生検)を行い、またMRI検査で組織にたまったグリコーゲンを見つけることで行います。皮膚検査や血液検査などの他の検査は、糖原病の種類を決定するために行われます。遺伝性の遺伝子疾患をもつ子どもが生まれるリスクが高いかどうかを判断するために行う検査である、遺伝子検査も利用できます。遺伝性代謝疾患の診断も参照のこと。

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糖原病の種類と特徴

名称

障害される臓器、組織、細胞

症状

O型

肝臓または筋肉

肝臓が障害されている場合は、空腹時の低血糖発作

フォン・ギールケ病(IA型)

肝臓と腎臓

肝臓や腎臓の腫れ、発育遅延、重度の低血糖、血液中の酸、脂肪、尿酸の異常高値

Ib型

肝臓と白血球

フォン・ギールケ病と同様

白血球数減少、反復感染、炎症性腸疾患

ポンペ病(II型)

すべての臓器

肝臓の腫れ、心拡大、筋力低下

コーリー/フォーブス病(III型)

肝臓、筋肉、心臓

肝臓の腫れまたは肝硬変、低血糖、筋肉の損傷、心筋の損傷、一部の患者で骨が弱くなる

アンダーセン病(IV型)

肝臓、筋肉、ほとんどの組織

肝硬変、筋肉の損傷、発育・発達遅延

マッカードル病(V型)

筋肉

運動時の強い痛みを伴う筋肉のけいれんまたは筋力低下

ハース病(VI型)

肝臓

肝臓の腫れ

空腹時低血糖発作

多くの場合、無症状

垂井(たるい)病(VII型)

骨格筋、赤血球

運動時の強い痛みを伴う筋肉のけいれん、赤血球破壊(溶血)

ファンコニ-ビッケル症候群(XI型)

肝臓

腎臓

肝臓の腫れ

血糖が下がる

腎臓に起こる問題

低身長

くる病、骨がもろい

治療

  • 炭水化物の豊富な食事

  • 食事を頻回に、またはほぼ連続的にとることで低血糖を予防する

  • 特定の合併症の治療

糖原病の種類によって治療法は異なります。

多くの場合、炭水化物に富んだ食事を毎日少量ずつ何回にも分けて摂取することで、血糖値が下がるのを防ぐことができます。

低血糖を起こす糖原病患者では、非加熱のコーンスターチを夜間も含め4~6時間毎にとって血糖値を維持します。

炭水化物の溶液を胃チューブで一晩中投与して、低血糖が夜間に起こるのを防ぐこともあります。

筋肉に影響を及ぼす糖原病のある人は、過度の運動を避ける必要があります。

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