ライソゾーム病は遺伝性代謝疾患 遺伝性代謝疾患の概要 遺伝性代謝疾患とは、代謝の問題を引き起こす遺伝性の病気です。 遺伝とは、ある世代から次の世代へ遺伝子が受け継がれることを意味します。子どもは親の遺伝子を受け継ぎます。子どもが、代謝制御に関わる欠陥のある遺伝子を受け継ぐと、遺伝性代謝疾患を発症します。 代謝疾患には数百種類のものがあり、そのほとんどは非常にまれなものです。... さらに読む です。遺伝性疾患は、これらの病気を引き起こす欠陥のある遺伝子 遺伝子 遺伝子とは、DNA(デオキシリボ核酸)のうち、細胞の種類に応じて機能する特定のタンパクの設計情報が記録された領域のことです。染色体は、細胞の中にあって複数の遺伝子が記録されている構造体です。 遺伝子は染色体内にあり、染色体は主に細胞の核にあります。 1本の染色体には数百から数千の遺伝子が含まれています。... さらに読む が親から子どもに受け継がれることで発生します。
ライソゾームとは、細胞内のごく小さな構造物です。ライソゾームは細胞に入ってくる様々な種類の分子を分解(代謝)する酵素を含んでいます。これらの酵素がうまく機能しないと、そういった分子が蓄積し、体の多くの領域に損傷をもたらします。
ライソゾーム病の種類には以下のようなものがあります。
スフィンゴリピドーシス
リピドーシス
ムコ多糖症は、複雑な糖分子(グリコサミノグリカン)を分解して、貯蔵するのに必要な酵素が欠損しているために起こります。
スフィンゴリピドーシスは、スフィンゴ脂質を分解するのに必要な酵素がないときに発生します。スフィンゴ脂質は、細胞表面を保護し、細胞内で特定の機能を果たす化合物です。スフィンゴリピドーシスには多くの種類があります。最も一般的なスフィンゴリピドーシスは、次のものです。
その他のスフィンゴリピドーシスには以下のようなものがあります。
リピドーシスは、体が脂肪 脂肪 炭水化物、タンパク質、脂肪は、食物の乾燥重量の90%を占め、食物のエネルギーの100%を供給しています。3つともエネルギー(単位はカロリー)を供給しますが、1グラム当たりのエネルギーの量は次のように異なります。 炭水化物とタンパク質は1グラムにつき4キロカロリー 脂肪は1グラムにつき9キロカロリー これらの栄養素はエネルギーを供給する速度も異なります。最も速いのが炭水化物、最も遅いのが脂肪です。... さらに読む (脂質)を分解して処理するのを助ける酵素の1つが欠損しているときに発生します。その結果、それらの酵素によって分解されるはずの脂肪が分解されずに蓄積します。そのような物質が長年かけて蓄積していくと、多くの臓器に有害な影響が生じます。リピドーシスには以下のようなものがあります。
出生前には、羊水穿刺 羊水穿刺 妊婦の血液に含まれる特定の物質の測定に加え、超音波検査を行うことで、胎児の遺伝子異常のリスクを推定できます。 こうした検査は、妊娠中の定期健診の一環として行われることがあります。 検査の結果、リスクが高いことが示唆された場合は、胎児の遺伝物質を分析するために羊水穿刺や絨毛採取などの検査を行うことがあります。 こうした遺伝子検査は侵襲的で、胎児への一定のリスクを伴います。 (遺伝性疾患の概要も参照のこと。) さらに読む または絨毛採取 絨毛採取 妊婦の血液に含まれる特定の物質の測定に加え、超音波検査を行うことで、胎児の遺伝子異常のリスクを推定できます。 こうした検査は、妊娠中の定期健診の一環として行われることがあります。 検査の結果、リスクが高いことが示唆された場合は、胎児の遺伝物質を分析するために羊水穿刺や絨毛採取などの検査を行うことがあります。 こうした遺伝子検査は侵襲的で、胎児への一定のリスクを伴います。 (遺伝性疾患の概要も参照のこと。) さらに読む といった出生前スクリーニング検査により、いくつかのライソゾーム病が診断されます。出生後には、新生児スクリーニング検査 新生児スクリーニング検査 出生時に分からない重篤な病気の多くは、様々なスクリーニング検査により発見できます。新生児の健全な発達を妨げるような多くの病気を早期に診断し、迅速に治療を行うことで、症状を軽くしたり、予防したりすることができます。どこでも必ず行われる検査もあれば、特定の州だけが義務づけている検査もあります。スクリーニング検査の結果が陽性の場合、他の検査もしばしば追加されます。 典型的なスクリーニング検査には以下のものがあります。... さらに読む またはその他の検査によりいくつかのライソゾーム病が診断されます。
ライソゾーム病の治療は、血液や組織に蓄積する物質によって異なります。