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ガラクトース血症

執筆者:

Matt Demczko

, MD, Sidney Kimmel Medical College of Thomas Jefferson University

最終査読/改訂年月 2018年 2月
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ガラクトース血症は糖代謝異常症の一種であり、血液中のガラクトース値が上昇します。この病気は、乳糖(ラクトース)と呼ばれる大きめの糖を構成する糖であるガラクトースの代謝に必要な酵素の1つが欠損しているために起こります。肝臓と腎臓に有害な代謝物が蓄積します。この代謝物は眼の水晶体も損傷するため白内障が起こります。ガラクトース血症は、この病気を引き起こす欠陥のある遺伝子が親から子どもに受け継がれることで発生します。

  • 乳汁に含まれる糖の代謝に必要な酵素の1つがないことがガラクトース血症の原因です。

  • 症状は、嘔吐、黄疸、下痢、発育異常などです。

  • 診断は血液検査と尿検査に基づきます。

  • 十分な治療を行っても、この病気の小児には心身の発育の問題がみられます。

  • 治療では、乳汁(母乳や牛乳)と乳製品を食事から完全に除去することが必要です。

ガラクトースは乳汁(ラクトースの一部として)や、一部の果物と野菜に含まれている糖です。特定の酵素がないと、ガラクトースの分解(代謝)過程に影響が及び、ガラクトースの血中濃度が高くなります(ガラクトース血症)。ガラクトース血症には様々な種類がありますが、最も多く最も重症のものを古典的ガラクトース血症といいます。

遺伝性代謝疾患の概要も参照のこと。)

症状

ガラクトース血症の新生児は、出生時は一見正常であっても、母乳またはラクトースを含む人工乳を摂取してから数日または数週間以内に哺乳不良となり、嘔吐、黄疸、下痢などが起こり、正常な成長が止まります。白血球の働きが阻害され、重篤な感染症が起こります。治療が遅れると成長が止まって知的障害が起こり、死亡することもあります。

診断

  • 血液と尿の検査

ガラクトース血症は血液検査で分かります。この病気に対しては、米国のすべての州で新生児スクリーニング検査が実施されています。この病気にかかった兄弟姉妹や子どもがいる成人は、この病気の原因遺伝子をもっているかどうかの検査を、子どもをもうける前に受けることができます。両親がそろってキャリアである場合は、その子どもは4分の1の確率でこの病気になります。 キャリアとは、ある病気の原因となる異常遺伝子をもっているものの、その病気の症状が現れておらず、その病気を示す証拠が認められない人のことです。

尿中のガラクトース濃度の上昇を調べるために、また別の検査が行われます。

予後(経過の見通し)

ガラクトース血症が出生時に認められても十分な治療を行えば、肝臓や腎臓での異常は起こらず、初期の精神発達も正常です。しかし、十分な治療を行っても、この病気の小児は知能指数(IQ)が兄弟姉妹より低くなることがあり、青年期にしばしば言語の問題や平衡感覚の異常を呈します。白内障も多くの小児にみられます。女児の多くは卵巣機能不全になり、将来、自然に妊娠できるのはごくわずかです。しかし男児の精巣機能は正常です。

治療

  • 食事からのガラクトースの排除

ガラクトース血症の治療は、ガラクトースの主な源である乳汁(母乳や牛乳)と乳製品を食事から完全に除去することです。ガラクトースは人間の母乳と牛乳を用いた人工乳の両方に含まれるため、乳児の診断後には通常、大豆を用いた人工乳が与えられます。この病気の患者は一生を通じてガラクトースの摂取を制限しなければいけません。ガラクトースは、一部の果物、野菜のほか、海藻などの海産物にも含まれますが、その量ははるかに少なく、これらの食品を避けることが有用であるという証拠は見つかっていません。多くの人がカルシウムやビタミンのサプリメントを摂取する必要があります。

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