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水頭症

執筆者:

Stephen J. Falchek

, MD, Nemours/Alfred I. duPont Hospital for Children

最終査読/改訂年月 2017年 8月
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水頭症とは、脳内の正常な空間(脳室)や、脳を覆う組織の内側の層および中間の層の間(くも膜下腔)に液体が過剰にたまった状態です。過剰に貯まった液体によって、通常は頭囲の拡大と発達異常が生じます。

  • 脳内の正常な空間(脳室)にある液体が排出されないと水頭症が起こります。

  • この液体の蓄積には、先天異常、脳内出血、脳腫瘍などの多くの原因があります。

  • 典型的な症状としては、頭の異常な拡大や発達異常などがあります。

  • 診断は、CT検査、超音波検査、またはMRI検査の結果に基づいて下されます。

  • 脳内に排出管(シャント)を挿入するか、排液のための開口部をつくるための手術が必要になります。

髄液(脳と脊髄の周囲を流れている体液)は脳室と呼ばれる脳の中にある空間で作られます。髄液は絶えず作られていて、別の領域に排出される必要があります(そこで血液中に吸収されます)。髄液が排出されないと、脳室やくも膜下腔に蓄積して、水頭症を引き起こします(脳内に液体がたまります)。多くの場合、脳室や脳内の圧力が上昇し、脳組織が圧迫されます。

先天異常、脳内出血 脳内および脳周囲の出血 (新生児の一般的な問題の概要も参照のこと。) 分娩損傷とは、分娩の過程で通常は産道を通る際に物理的な圧力が生じる結果として新生児が受ける損傷のことです。 多くの新生児が出生の際に軽いけがをします。 まれに、神経が損傷したり骨が折れたりします。 ほとんどのけがは、治療をしなくても治ります。 さらに読む 脳内および脳周囲の出血 早産 未熟児 未熟児とは、37週未満で生まれた新生児です。生まれた時期により、未熟児の臓器は発達が不十分であるため、子宮外で機能する準備がまだできていないことがあります。 早産の既往、多胎妊娠、妊娠中の栄養不良、出生前ケアの遅れ、感染症、生殖補助医療(体外受精など)、および高血圧などがある場合に、未熟児を出産するリスクが高くなります。 多くの臓器の発達が不十分であるため、未熟児では呼吸したり哺乳したりすることが難しく、脳内出血、感染症や他の異常が起こ... さらに読む に合併することが多い)、脳腫瘍 小児の脳腫瘍の概要 小児で最も多くみられる脳腫瘍は星細胞腫です。次いで多いのが髄芽腫と上衣腫です。 脳腫瘍により、頭痛、吐き気、嘔吐、視覚障害、ぼんやりする、協調運動障害、平衡障害などの様々な症状が生じます。 診断は通常、MRI(磁気共鳴画像)検査と生検の結果に基づいて下されます。 治療としては、手術、放射線療法、化学療法、またはこれらが組み合わせて行われます。 脳腫瘍(脳腫瘍も参照)は、15歳未満の小児がんの中で(白血病の次に)多くみられるがんであり、が... さらに読む など多くの原因により、髄液の排出は妨げられ、水頭症が引き起こされます。

出生時から水頭症がみられる場合もあれば、分娩中や出生後に水頭症が発生する場合もあります。

水頭症の症状

水頭症の症状として、頭部が異常に大きくなることがあります。脳内の圧力が上昇すると、ぐずってぼんやりする、甲高い声で泣く、吐くといった症状のほか、けいれん発作がみられることがあります。また、頭蓋骨を構成する骨同士の間にある柔らかい部分(泉門と呼ばれます)が膨らんで、頭の表面に軟らかいこぶができることもあります。眼が同時に動かず、斜視のように見えることもあります。 斜視 斜視(眼位のずれ)は、片側の眼の向きがときに(間欠性)、または常にずれているために(恒常性)、その眼の視線が、もう片方の眼が見ている物体の方向を向いていない状態です。斜視を治療しなければ、弱視(視力の低下)や恒久的な視力障害に至ることがあります。 斜視の治療では、屈折異常の矯正、アイパッチまたは点眼薬による弱視の治療のほか、場合によっては手術が行われます。 斜視は、左右の眼の向きがずれている状態です。... さらに読む 斜視

年長児では、頭痛や視力障害がみられることもあります。

水頭症を治療しなければ、正常な発達がみられなくなります。水頭症の小児では、知的障害 知的能力障害 知的能力障害(一般に知的障害とも呼ばれます)とは、出生時や乳児期の初期から知能の働きが明らかに標準以下であり、正常な日常生活動作を行う能力が限られている状態です。 知的能力障害は、遺伝的な場合もあれば、脳の発達に影響を与える病気の結果として起こる場合もあります。 知的能力障害がある小児のほとんどでは、就学前まで目立った症状が現れません。 診断は正式な検査の結果に基づいて下されます。... さらに読む 学習障害 学習障害 学習障害がある小児は、注意力、記憶力、論理的思考力が欠けているため、特定の技能や情報を習得したり、記憶したり、幅広く使ったりすることができず、学業成績にも影響が出ます。 学習障害の小児は、色の名前や文字を覚えたり、数を数えたり、読み書きを習得したりすることが遅れる場合があります。 学習障害の小児は、学習の専門家のもとで一連の学力検査や知能検査を受け、医師が確立された基準を適用して診断を下します。... さらに読む がみられる場合もあります(特に妊娠早期に水頭症を発症した場合)。視力障害が起こることもあります。知能の正常な発達がみられる場合もあります。

水頭症の診断

  • 出生前:出生前超音波検査

  • 出生後:頭部のCT検査、MRI検査、または超音波検査

診断が確定したら、すべての患児に対してCT検査または超音波検査を行い、水頭症を注意深くモニタリングし、水頭症が悪化していないかどうかを確認します。

水頭症の治療

  • ときに腰椎穿刺

  • 通常は永続的に髄液を排出する代替経路(脳室のシャントまたは開口部)の作製

以下を目標として治療を行います。

  • 脳内の圧力を正常に保つ

水頭症の治療は、その原因と重症度、そして悪化がみられるかどうかによって異なります。

水頭症が悪化している場合は、脳室シャントを設置します。シャントはプラスチック製のチューブで、永続的に髄液を排出する代替の経路として機能します。髄液を排出することで、脳内の圧力と液体の量が減少します。シャントを脳室内に設置し、皮膚の下を通して脳から別の部位に、通常は腹部へとつなぎます(脳室腹腔シャントまたはVPシャントと呼ばれます)。このシャントには、圧力が高まりすぎた場合に脳内の液体を外に出すための弁が備わっています。一部の患児は成長につれてシャントを使わなくても済むようになりますが、出血や損傷のリスクがあるためにシャントが外されることはまれです。

脳室開窓術を行う場合もあります。この手術では、水頭症を治療するために、脳室とクモ膜下腔の間に開口部をつくります。この開口部によって、過剰な液体が排出され、通常通り吸収されるようになります。

シャントの合併症

シャントに感染が起きることがあります。感染が起きたら、抗菌薬が投与されます。通常はシャントを取り除き、新しいシャントと交換します。

シャントは壊れたり詰まったりして、正常に機能しなくなることもあります。シャントが正常に機能しているかどうかを確認するため、シャントをX線検査で確認し、脳の画像検査を行います。正常に機能していないシャントは通常取り除き、新しいシャントと交換します。

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